今朝アップした『子どもの学力の基本は好奇心です』という本 という記事に
次のようなコメントをいただきました。
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ピアジェによると子どもの空間表象は、トポロジー(位相幾何学)→射影幾何学→ユークリッド幾何学の順に発達するそうです。また、「子どもはどこでつまずくか」(銀林浩)p.93には、概数や近似値はトポロジーと関係あると書いてあります。
日本人の学習は微分積分を頂点とした計算に偏っているために、トポロジー的な勉強が少ないのが原因と思います。最新の物理数学の「場の量子論」は、トポロジーと対称性が基本となってます。それに適合できてないのでしょう。
しかし、トポロジーを子どもの遊びに取り入れるにはどうすればよいか僕も迷っています。あやとりは思いつきますが、他に3~5歳に適当なトポロジーに関する遊びはないでしょうか。
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トポロジーは、数学で用いられる一見、難しそうな概念に思われますが、子どもの発達上の変化を
説明するのに使う時は、それとは少し異なる意味で用いられているようです。
およそ4~6歳のトポロジー的空間認識をしている段階では、大きさや形ではなく、
接近や分離、包囲、連続から、
空間関係の性質を把握するとされています。
わたしが理解している範囲でトポロジーという言葉を使わせてもらいますね。
遊びとは異なりますが、教室で、小学校受験の『四方からの観察』や『回転』の問題を
具体物を使って、自分の身体を移動させながら考える時、
トポロジー的空間認識を用いて考えていると思われます。
トポロジーを子どもの遊びに取り入れるには、
デュプロブロックのように少し大きなサイズのブロックや空き箱や空き容器を使って
物作りが一番ではないでしょうか。
この記事を書いている最中、息子が通りかかったので、
「トポロジーについてコメントをもらったんだけど、 3~5歳の子に合うような
トポロジーに関する遊びってないかな?」とたずねました。
息子はけげんそうに、「トポロジー?」と聞き返してから、
「確か家にそういう本なかった?ドーナツとコーヒーカップは同じと見なして、ドーナツと球は違うって
やつだよね。トポロジーの概念を幼児の遊びに活かすって、どうなのかな?それって必要あるの?」
私 「数学上の概念とは少し異なる意味で、ある発達段階で、幼児が空間を認識する時に
トポロジー的な……つまり、物のサイズや形で認識するのでなく、物の以外の空間と物との関係の中で
認識している段階がある……といった考え方にトポロジーという言葉が使われているのよ。
確かに子どもが物を考える時に、左右に動くような身体の感覚のようなものを使って判断する時があるし、
発達障害のある小学生の子たちに教える時に、
4~6歳の幼児特有のトポロジー的な理解がしやすい状態を作ると、できるようになるものが多いの。」
息子は、「もらったコメントとコメントがあった記事ってどれ?」とたずねてから、
ブログを確認して、納得したようにこんなことを言いました。
息子 「日本の数学は計算中心で、トポロジー的な勉強が少ないから、トポロジーと対称性が基本となって
いるような数学に入っていった時に、できなくなるってのはあるんだろうな。
ここで問われている話とはずれるけど、
大学に入ってからアメリカの数学科の生徒が有利になってくるのは、
単純に英語のシンプルさやわかりやすさに対しての日本語のあいまいさや複雑さって
ことに因るものもあると思うよ。
たとえば、日本語で複素数なんて言葉も、英語だと コンプレックスナンバー、つまり合成のとか複雑な数って
そのものズバリだし、数学の思考過程を説明するのも英語だと本当に扱いやすいからね。
それに日本では、数学といえば、数値で表すものが主で、
数学を言葉で概念として捉えていく教育はなされていないよね。
証明問題を学ぶには学ぶけど、日本語の自由度が高すぎて、
いまいち数式をシンプルに言葉に翻訳しているという感覚がつかみにくいから、
どうしても身につくという感じにはなりにくい。」
私 「言葉と教育だけの問題なのかな?お母さんは、子どもたちの遊びの場面で
そうしたものを伸ばしたいと思っているから、ついそんな風に考えてしまうんだけど……」
息子 「ゲーム系のチャットで感じるんだけど、
アメリカ人ってとにかくしゃべるのが好きなんだ。
ボードゲームの話題なんかでも、しゃべるのは圧倒的に外人の数が多いんだ。
もちろん日本人だって、日常会話ならよくしゃべるって人も多いんだろうけど、
頭を使う場面では、黙ってしまいがちだよね。
でもアメリカ人は、しゃべりながら頭を使うようなところがあるんだ。
思いついたことをどんどん口にしていくというかさ。」
私 「そういうチャットって英語なの?英語力の問題で日本人しゃべらないんじゃないの?」
息子 「アメリカ人が主のゲームサイトならもちろん英語だけど、
日本人同士のゲームサイトもいくらでもあるから、そこでは日本語で話してるよ。
でも、母語かどうかにかかわらず、日本人は頭を使う場面では
寡黙になるのが原則って思っているところがあるな」
わたしと息子の会話を聞いていた娘が、笑いながらこんなことを言いました。
「そういえば、★(息子)のドイツ人のゲームの仕方はこんなで、こんな風にしゃべる、フランス人は……アメリカ人は……って
話、この間、バイト先でさせてもらったらすごく役に立ったわ。
カフェにやたら気難しいそうな人が来てて、ずっと長い間、ムスッとしたまんまで
そりゃ雰囲気が悪かったのよ。それが、★のドイツ人は……ってネタを振ったら、
急に笑顔になって、「そうだよ、○○人は、ゲームをする時にこうでああで……」って、
ソーシャルゲーム上で、それぞれの国の人がどんなプレイをするかとか、どんな話をするかとかで
しゃべり続けていて……ニコニコしている気のいい人だってことがわかったのよ」