自閉っ子たちと工作をする時は、理科の世界に親しむことができるような
物作りを心がけるようにしています。
たいていの自閉傾向のある子たちは、空調機やリモコン、電気コード、パソコンのキーボード、
カセットテープ、ラジオ、携帯電話、電気のスイッチに関心を示しますし、
皮膚感覚の過敏さがある一方で、スライムやゼリー状の物質に触れたり、
科学反応が起こる様子を眺めるのをとても喜びます。
理科工作は、科学的な力を利用して
動きを生み出すので、
手先が不器用でも、簡単に作れるものがたくさんあります。
てこ、空気、風、磁石、電池、モーター、鏡、光、音、静電気、ゴムなどの
働きを使って工作をします。
また100円ショップなどで、ライトや電池で動く簡単な機械類などを購入して
工作の一部に加えるのも楽しいです。
また、理科工作とは少し異なりますが、
自閉っ子たちが好きな、電気器具を作るのも
楽しいです。
理科工作に親しむことで、教科学習への興味を育むこともできます。
写真は、自閉症の3歳の★くんと作った
電気コードです。
トイレットペーパーの芯にストローとひもを貼って
コードのできあがり。
ティッシュペーパーの空き箱に
コードをさすための穴を開けたらできあがり。
いっしょにレッスンしている自閉っ子の年少さんの●くんも
同じ電気コードとコンセントの穴を作りました。
●くんは、100円ショップの自転車用のライトを中に取り付けて、
コードをさして、ライトを点滅させるようにしました。
●くんがとても気に入っていた
円形のトレイの上でビー玉を回して行く遊び。
●くんは、よく似た物の非常に微細な違いにこだわる子です。
この日も、他のさまざまな玉を使って、トレイの上を回転させる遊びを
長い間続けた後で、ぶつぶつがついている丸いビーズが一番面白いと言っていました。
見たところ、これは工作といえないかもしれませんが、
少し加工することで、車のレース場やビー玉ゲームなど
の作品作りにつながりやすいです。
●くんが、持参してきたお菓子の袋で
空気の力で物を飛ばす道具を作ってあげると喜んでいました。
★くんは綿を紙コップに詰めて
食べ物作りをした後で、●くんが始めた列車に雪が積もっているという
設定の遊びに参入しました。
★くんは、教室に来るたびにティッシュ箱でエレベーターを作って
天井まで引き上げる遊びをしたがります。
その遊びの後で、紙コップを投げ始めたので、
天井から写真のようなプラスチックの容器をつらして
玉入れ遊び風の
紙コップ投げができるようにしました。
★くんが、お弁当箱のふたの波模様に指をはわせて
音を出して遊んでいたので、楽器作りをしました。
楽器作りは他にもさまざまな理科工作があります。
これも毎回やりたがる天井からスズをつけたひもをつらしてやる
お宮参り遊びです。
ひもを揺らしてから、お賽銭を入れて、手を合わせて遊びます。
「バターを作る」という★くん。
綿をティッシュでつつんで、上から黄色いフエルトを乗せました。