虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉っ子が喜ぶ 理科工作

2013-11-19 13:40:13 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉っ子たちと工作をする時は、理科の世界に親しむことができるような

物作りを心がけるようにしています。

たいていの自閉傾向のある子たちは、空調機やリモコン、電気コード、パソコンのキーボード、

カセットテープ、ラジオ、携帯電話、電気のスイッチに関心を示しますし、

皮膚感覚の過敏さがある一方で、スライムやゼリー状の物質に触れたり、

科学反応が起こる様子を眺めるのをとても喜びます。

 

理科工作は、科学的な力を利用して

動きを生み出すので、

手先が不器用でも、簡単に作れるものがたくさんあります。

てこ、空気、風、磁石、電池、モーター、鏡、光、音、静電気、ゴムなどの

働きを使って工作をします。

また100円ショップなどで、ライトや電池で動く簡単な機械類などを購入して

工作の一部に加えるのも楽しいです。

 

また、理科工作とは少し異なりますが、

自閉っ子たちが好きな、電気器具を作るのも

楽しいです。

 

理科工作に親しむことで、教科学習への興味を育むこともできます。

 

写真は、自閉症の3歳の★くんと作った

電気コードです。

トイレットペーパーの芯にストローとひもを貼って

コードのできあがり。

ティッシュペーパーの空き箱に

コードをさすための穴を開けたらできあがり。

いっしょにレッスンしている自閉っ子の年少さんの●くんも

同じ電気コードとコンセントの穴を作りました。

●くんは、100円ショップの自転車用のライトを中に取り付けて、

コードをさして、ライトを点滅させるようにしました。

●くんがとても気に入っていた

円形のトレイの上でビー玉を回して行く遊び。

●くんは、よく似た物の非常に微細な違いにこだわる子です。

この日も、他のさまざまな玉を使って、トレイの上を回転させる遊びを

長い間続けた後で、ぶつぶつがついている丸いビーズが一番面白いと言っていました。

 

見たところ、これは工作といえないかもしれませんが、

少し加工することで、車のレース場やビー玉ゲームなど

の作品作りにつながりやすいです。

●くんが、持参してきたお菓子の袋で

空気の力で物を飛ばす道具を作ってあげると喜んでいました。

★くんは綿を紙コップに詰めて

食べ物作りをした後で、●くんが始めた列車に雪が積もっているという

設定の遊びに参入しました。

★くんは、教室に来るたびにティッシュ箱でエレベーターを作って

天井まで引き上げる遊びをしたがります。

その遊びの後で、紙コップを投げ始めたので、

天井から写真のようなプラスチックの容器をつらして

玉入れ遊び風の

紙コップ投げができるようにしました。

 

★くんが、お弁当箱のふたの波模様に指をはわせて

音を出して遊んでいたので、楽器作りをしました。

楽器作りは他にもさまざまな理科工作があります。

これも毎回やりたがる天井からスズをつけたひもをつらしてやる

お宮参り遊びです。

ひもを揺らしてから、お賽銭を入れて、手を合わせて遊びます。

「バターを作る」という★くん。

綿をティッシュでつつんで、上から黄色いフエルトを乗せました。