★くんがわたしと打ち解けて遊びはじめたのは前々回のレッスンからです。
また会話らしきものや非言語のコミュニケーションが続くようになり、
自分の方からわたしと目を合わせよう、いっしょに遊ぼう、という意欲を見せてくれるようになったのも
その日からです。
お母さんに席をはずしてもらうことは、その数回前のレッスンからしていたのですが、
その日までは、お母さんが見えなくなったとたん、
お母さんが近くにいる時に「してはダメ」と言われていることを
一通りやってみるような様子で、同じアニメのせりふをしつこいほど繰り返しながら、グルグル回ったり、
列車のおもちゃをテーブルに置いて、目の高さをその列車とテーブルの隙間に合わせて、
ずっと列車を動かし続けていたりしました。
わたしが何か話しかけると、「○○って言って!」とわたしに言ってほしいせりふを指示する返事が返ってきて
会話に発展することはありませんでした。
それが前々回、次のような出来事があって以来、★くんのわたしへの態度は
急速に変わり始めました。
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(過去記事です)
★くんと、長いボールコースターを作って遊びました。
この遊びの最中、★くんはこれまで見たことがないほどのはしゃぎっぷりで、
ピンポン玉サイズのボールが筒に入った瞬間、その地点で数回回転することが
うれしくてたまらないようでした。
「見て!ねっ!見てよ。ねこのボールがくるくるってまわるん?トンネルで。
ねぇねぇ、ピタゴラスイッチかくめい~くるくるビーダマ~♪」と途中までは私の方を見て、
途中からはひとりで歌うように言いました。
私も真似て、「ピタゴラスイッチかくめい~くるくるビーダマ」とふしを付けて言うと、
「それ、ぼくが作ったんだよ。名前!」と返ってきました。
「★くんが作ったのね。くるくるまわるもんね。くるくるっとね」と返すと、
「どう?これねぇ、くるくるってまわるんだよ。すごく。今から、ここから転がすからね」と★くんは
満面の笑みを浮かべて、ボールをスタートさせました。
このボールコースターで遊ぶ間中、★くんは私のまなざしの先や表情を見て、
ちゃんとボールを見ているのか、自分と同じように喜んでいるのか確かめるような様子でした。
また、心から打ち解けて、満面の笑みを浮かべていました。
どうも、このボールコースターを作る前の
クーゲルバーンで遊んでいた時から、私が急速に楽しい遊び相手と感じられるように
なったようなのです。
気にいった理由は、
★くんのお母さんが外に席をはずしてくださっていたこともあって、
私はわざと★くんの遊び方に合わせて、荒っぽい口調で「バーン!」とか「ドカーン」とか、「もうっ!★くん、やめてやめて!グラグラ
ドッカーンってこわれちゃうよ。あ~あ、こわれた~ハハハハ~(大爆笑)」と言ったりして、
★くんのはちゃめちゃな遊びっぷりと同調して遊んでいたからのようです。
★くんは、おなかがよじれるほど笑い転げてました。
その後★くんは私の一挙一動に好奇心いっぱいのまなざしを向けながら
目と目が合うと、いたずらっぽく笑いかけてきたのです。
その後、長いボールコースターを作ってからは、★くんの方から積極的に私に話かけては、私の返事を聞いて、
それに返事を返す……という会話の中身は同じようなことの繰り返しなのですが、
心と心でずっと長い間、キャッチボールをし続けることができたのです。
こんなに楽しく★くんと遊んだのは初めてでした。
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今回のレッスンでは、★くんはこれまでのレッスンのように、
「わたしと遊ぼうとする意志や遊んで楽しいという様子はあるものの、
コミュニケーションとしてはぎこちなくて一方通行」という態度ではなく、
驚くほど自然に、心を通い合わせてピタゴラスイッチ作りしていました。
その様子をたまたまカセットテープに録音していたのですが、
最初のうちに一度だけ、ふざけて大きな声を出しただけで、
その他の時間はずっと自然なコミュニケーションが持続していました。
「○○って言って!」とわたしの言うせりふを先に決めたがる癖もなくなり、
わたしが何か話すたびに、それは面白そうに聞いていて、
わたしの言う通りにやってみたり、指さす方を見たり、返事をしてから、こちらに何か話しかけたりしていました。