虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

1歳3ヶ月 1歳11ヶ月の子のレッスン  1歳児の知能を高める遊びの工夫 1

2011-10-05 22:51:50 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

 

1歳3ヶ月の○ちゃんと、1歳11ヶ月の☆ちゃんのレッスンでした。

○ちゃんの興味は身体全体を使うことや、指先を使う遊び。

☆ちゃんの興味は工作、ゲーム、お料理、日常生活ひとつひとつの活動の

流れや意味に(まだまだ幼いレベルですが)に向かっていました。

1歳児にお勧めのおもちゃは、お家の中や100円ショップなどで

たくさん見つかります。

写真のように引き出すタイプの入れ物は、

とても喜ぶおもちゃのひとつです。

「上、真ん中、下」といった位置の感覚や

推理力などもアップします。

他に、空き箱やねじるタイプの蓋つきの容器、

茶筒、お弁当箱など、さまざまな開け閉めする素材は

指先の巧緻性を高めるのにも知能の向上にも役立ちます。

 

意外なほど1歳児が喜ぶ出し入れするためのおもちゃとして、

「手の平サイズの透明の袋」があります。

日々、ゴミにしてしまうような

商品が入っていた袋で十分なのですが、

スパンコールやカードなどのチマチマしたものを

指先でつまんで入れると熱中します。

 

続きは次回に。


虹色サークルの活動報告

2011-10-05 19:23:42 | 工作 ワークショップ

ずいぶん前に「虹色教室のサークル作りませんか?」と呼びかけたことがあるのですが……

虹色教室の工作のワークショップにいらしてから、「自分たちでもこうした場を作ろう」と、実際、活動をはじめられて。

とっても創造的な体験の場を作っておられる方がいます。

来月には、私の活動のお手伝いにうかがう予定です。

 

今回のテーマは、

『季節外れのお化け屋敷!? ・・・考える力を大切に・・・ 』とのこと。

虹色サークル活動の様子

今のところ、参加人数が定員いっぱいで、新規の方の募集はおこなっていないそうです。

 

「参加してみたい」という方は、こじんまりとした集まりででも、友だち数名と

サークルを作ってみてはいかがでしょう?

ずっと続けていくのはけっこう大変なので、

年に2~3回だけでも、とても楽しいですよ。

 

 


自閉症スペクトラム障がいの子とソマティック・マーカー 5

2011-10-05 13:03:47 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉症スペクトラムの子とソマティック・マーカー 4

の続きです。

人の表情をあまり読もうとしない自閉症スペクトラムの子が、

ハムスター人形の動作からその気持ちを読んでいるように見えるとき、

身体を通して、まるでアフォーダンスとしてその情報を取り出しているかのように感じました。

 

そのことを読書会で書き込むと、(スカイプ上の読書会です)

「入力されたアフォーダンスを、自分の身体に(無意識に)置き換えているとしたら、

ソマティック・マーカー仮説と同じ方向性ですね。」という返事が返ってきました。

「表情というのは、ある意味、二次的な情報なのかも……」とも。

 

ダマシオ博士は、

間断なく更新されていくわれわれの身体の構造と状態をじかに見渡せる

窓をとおしてわれわれが見るもの、

それが私の考える感情の本質である。」とおっしゃっています。

『デカルトの誤り』には次のように書かれています。

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わたしは、脳損傷によって感情の経験に障害を負った患者の研究から、

感情が従来考えられてきたほど漠然としたものではないと考えるようになった。

たぶん感情を知的に説明することはできるだろうし、

感情の神経的基盤も見いだせるだろう。

わたしは、今日の神経生物学の考え方とはちがい、感情が依存している

重要なネットワークには、従来認められてきた辺縁系として知られる一連の脳構造だけでなく、

前頭副皮質の一部と、

そしてこれがもっとも重要だが、身体からの信号をマッピングして統合している

脳の諸部位が含まれるという考え方を提案している。

            『デカルトの誤り  情動、理性、人間の脳』  アントニオ・R・ダマシオ  ちくま学芸文庫

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「身体からの信号をマッピングして統合している脳の諸部位」が、

感情が依存している重要なネットワークかもしれない……という考え方に触れた瞬間、

わたしは、感覚の過敏さを持っている自閉症スペクトラム障がいの子らのことが

気にかかりました。

自閉症スペクトラム障がいの子たちというのは、

身体からの信号が正確に脳に伝わっているのか、マッピングして統合するという作業が

スムーズに行われているのかという点で

危うさをたくさん抱えている子らです。

 

そうした身体からのインプットということと、

感情との関わりが大きいとすると、

感情や認知の状態を読み取ることを苦手としている自閉症スペクトラムの子らの

感情の認知の難しさは、

ダマシオ博士が唱えるソマティック・マーカーと

どのような関わりがあるのでしょう?

 

次回に続きます。

 

 


言葉の遅れ、人と関わる力の弱さ、叱られると笑うところが気になります 3

2011-10-05 09:12:37 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

★ちゃんのような発達に気になるところがある子の場合、

療育をしている教室に通うように勧められて、

週1回くらい同年代のお友だちと過ごしながら

人と関わる力を学んでいく子が多いです。

それ自体は大切な体験ですが、

実際、そうして療育にこれまで通ってきたとおっしゃる方々にお会いすると、

異口同音に、療育を勧められて通ううちに何だかよくわからないままに日が過ぎて、

具体的な親子関係の作り方を教えてもらえるわけでも、接し方のコツがわかるわけでもないので

家庭での療育がなおざりになってしまったとおっしゃるのです。

 

そうして、親御さんの子どもへのまなざしは

どこか遠いところから異星人を眺めるようにわが子に注がれていて、

子どもの側は、親御さんが不安そうに見ている遊びにばかり没頭していて、

呼ぶと、プイッと背を向けて次のおもちゃに向かっていき、

きちんと遊びが成り立たないままで、

親御さんとの関わりは、危険を制止するときと、

お片付けをうながすときだけという危うい関係ができあがっていることがよくあるのです。

 

子育てに困り感を抱えている親御さんに必要なのは、

だっこされるのを嫌がる子をどのようにしてだっこして、

甘えることが心地よいことだと学ばせていくのか、

絵本を読んであげようとすると、無理矢理閉じで、どこかに行ってしまう子に

どうやって絵本を読んであげるのか、

遊びに誘っても、背を向けて走り出していく子と

どうやって遊べばいいのか……

 

そうした具体的な技術を体得してもらって

親としての自信をつけてもらうことだと実感しています。

虹色教室は療育の場ではないのですが、

そうした親子関係の作り方について、具体的な方法を学んでいただいています。

とてもうまくいった方法について、これからも記事にしていきますね。