虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

創造力と成長と

2010-12-18 08:14:06 | 教育論 読者の方からのQ&A

先日、小1の★くんのお母さんから、次のような報告をいただきました。
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最近 テレビを購入しました。
いろいろな機能がついているのですが、取扱説明書は厚く読むのも抵抗があり設置された状態でいます。
★はテレビの機能が気になりますが
母がほっておくので、いっきに300pを超える
取扱説明書を読み教えてくれました。

「テレビにUSBでハードディスクを繋ぐと録画できるよ・無線ランのUSBをテレビにつけるとインターネットもできるんだよ・テレビチューナーを使い録画するとデッキにデジタル録画できるよ」と。

エレキットの工作を一人で完成させ、
キロボを作りそのプログラムを書き換え
自分の思うままに動作させたい・ボールを
追いかけさせたい等、
取扱説明書と常に向かい合ってきたことで
300Pを超える取扱説明書も抵抗が無いのでしょうね。
母がずぼらな事も役立っているのかも……。

1年生で読める漢字が限られている中で分厚い取扱説明書に立ち向かうことが
できるのは、簡単に答えを求める学習をしてこなかったことが作用していると
考えています。
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★くんのお母さんは、教えたり強制したりせず、本人がやりたがることを適度な枠組みを設けながらやらせてきました。

好奇心旺盛で何でも自分の目で見て触れて考えたい★くんのために、何よりもまず体験を重視して育ててきました。
(年長さんの半ばくらいからは、本人の能力に適したワークの学習も
責任を持ってやらせていました。)

ものづくりに目覚めた★くん。
ブロックの大作作りや電子工作に燃えに燃えて、
説明書を覗き込んで必死に熱中し製作を続けていました。

★くんは、とにかく遊ぶことが大好きです。
放課後はほぼ毎日いっぱいいっぱいまで外で遊んでいます。
外で遊ぶことで、たくましさ、集中力、根気、機転、リスクを背負って立ち向かう心などが育ってきています。
とにかくエネルギッシュなのです。

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教室では科学クラブの子たちが、毎月、理科工作を楽しんでいます。
ものづくりを通して、高い思考力と観察力、ねばり強さ、知恵などが
身についてきました。
新しいメンバーが加わると、最初の1,2回は、その子だけが、「えー自分で作るの?」「何もしたくなーい」「めんどくさーい」とぶつぶつぼやいては友だちにちょっかいを出しているのですが、
見守っていると、友だちと親しくなるにつれ、お互いの知恵をしぼって
「あーでもない、こうでもない」と自分の手で作っていく作業に夢中になっていきます。
そして、3ヶ月目には、その子らしい個性的な好奇心や長所が、
はっきりあらわれてきて、「自分はこれがしたい」「こんなことがしたい」という気持ちで、製作や実験を楽しみはじめます。
4~5人のグループで親しさが増していく様子を見守っていると、
「子どもって、どんなおもちゃより、旅行よりも、友だちなんだな」
「子どもが好きな遊びは自分で知恵をしぼって、自分でやってみることなんだな」と感じます。



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