超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

THE NOVEMBERS「To(melt into)」全曲レビューその5「37.2°」

2011-09-20 00:44:45 | THE NOVEMBERS 全曲レビュー







THE NOVEMBERS「To(melt into)」全曲レビューその5「37.2°」です。






5.37.2°





アルバムの中でも相当静かな曲で盛り上がるってよりは
寄り添って聴くような楽曲になっています。それは文字通り楽曲の中の世界観もそうなんですけど
自分の居場所だとか
存在意義が分からないからこそ、少しでも良い場所を目指す
自分にとって幸せな道を目指すとか
今までノーベンバーズが歌ってきた事の反芻みたいな詞になってるのが特徴です。
その上で歌声もアレンジも優しく
そっと語り掛けるように歌われるその声は、時折優しすぎてグッとくるくらいで
アルバムでは5曲目と本当に真ん中にポツンと配置されてるんですが
間を取ったっていうよりは
もっと自然に鳴らされている、曲間もスムーズな印象で意外と気持ち良く聴けるのがミソですね。
次の曲が若干激しめの曲っていうのも曲順としては中々インパクトがあって。
そんな自然体の歌声と
詞を堪能出来る曲です。

例えば、今ここに居る場所がいくらいい場所でも幸せでも
そこにずっと居られるっていうのは
まず有り得ない話で
時間が経てば傷も出てくるし膿だって出てくる、いつのまにか追い出される事を余儀なくされる
雨はずっと降ってるし
止む気配もないし
散々って言えば散々な仕組みで出来ている世界なんですけど・・・
どこに行くべきか
どこに行きたいのかも分からない。
そんな曖昧で灰色の、白黒の世界で生きている僕と君。

でも、「彼岸に散る青」じゃないですけど
昔はもっと純粋に
余計な考えもなしに過ごしてた、過ごせてたわけでね
それを考えるともっと他にやりようはあるんじゃないか、とか
あの時あんなに笑って
楽しんで・・・
人生過ごしてたじゃない、ってそんな風に思える結末になってて。それは一種のサブリミナルですよね。
同じテーマに感じても、入り口は全然違うように思える、でも出口は一緒なんですね。
こういうのが個人的には面白いっていうか
やってくれるなあ、と。
気が付けば、少しでも純粋に楽しく生きたいよね、ってポジティヴな考えが頭の中に浮かんだり
ただ憂鬱になる音楽ってだけじゃなく、その先が提示されてるのが彼ららしさだと思います。
そんな魅力が大いに発揮されてる曲。
もはやヒーリングの領域ですね。次の曲は思いっきり不穏な曲ですけどね(笑)。それも良いバランスです。





このアルバムの楽曲も残すは4曲ですね。最後に収録されてる名曲「holy」まで頑張って書いていきますよ。




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