絶対絶命 全曲レビューその13「億万笑者」

RADWIMPS「絶体絶命」全曲レビューその１３。「億万笑者」です。明日でラスト。


億万長者、ではなく「笑」になってるのがなんともらしいですね。金はないがその代わり笑ってやる、と。




１３．億万笑者


【何かを信じた者だけに　裏切りはあるんだ】

散々頑張って、この結果？この程度？なんて思うのは日常茶飯事です。
ただ、なんでそういう事を思うか、っていえば
確かに期待して、夢見て、頑張ってたからなんですよね。
要は何かに落ち込むのも
何かに絶望するのも
そこに至るまでの頑張りや必死さがあったからだと。
それを失くしてしまったら、本当に終わりなんじゃないかと。
同時にその頑張りは認めてあげなよ、と。
何となくそういう風なテーマに聴こえるのです。

【本当に寂しいのは　そう思えなくなることなんだ】

何も期待されなきゃ注意すらされなくなるように
寂しいとか悲しいって感情すら失くしてしまったら、そう感じる事すらなくなったら
それこそ真の孤独というか
それが一番嫌だな、っていうか。だから、そういうガッカリした感情だとか
悔しい思いだったり、悲しい気持ちも重要なんだよと。
もちろん体感している時はそんな事を思う余裕すらないでしょうが
振り返ってみればそういう経験が自分を助けてくれることもある。

少なくとも、無感になるよりはそっちの方が人間らしくて、全然良い。
喜びと悲しみなんて結局紙一重なんじゃないかと思うんです。


【喜びの対価だと】

辛い想いが、いずれは喜びに変わる。
やりたいことをやるために、やりたくないことをやる。
でもこれを絶対に悲しみや失望では終わらせない。
絶対にこの想いを未来に還元してみせる。それはいつになるかは分からないし
結局報われる事なんてないのかもしれない。
だけど、
それでも何もせずに腐っていくよりは全然マシだ。
辛さも悲しみも裏切りも絶望も誰もが通らなきゃ行けない道な訳で
逆にこれがなきゃ前に進めない。
これがなきゃ前に進めないのなら、頑張って受け切って、噛み砕いて、未来に返せば良い。
その分笑ってやれば良い。
本当に笑えるかどうかよりも、そこに向かえるかどうか。
だから、何度でも期待して、夢見て、信じ切って。まだその力があるんだから。感情を捨てるにはまだ早い。

【手に入れるんだあなたとは　もっと違う笑い方を】

その一方で恵まれてる人間も多々居るわけだけど
転がっていくように生きていくことしか出来ないのならば
その生き方で生き抜いてやる。
それは自分だけの生き方で、笑い方で。別に誰もが器用で才能に溢れてなくても全然良い。
足りなければ足りない分頑張る事が出来る。
そこで手に入れた笑顔は、同じようでも全然別物で。そのどちらも、それぞれ素敵だよ、と。




逆説的なものいいが光るシリアスなギターロック。こういうストレートな曲調が今回多いんですが
その分小細工なしで真剣に楽曲と向き合ってる感じも強くありますね。
もちろん小細工も好きですけど。