超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

おとぎ話×bloodthirsty butchers@新代田LIVE HOUSE FEVER 13.4.26

2013-04-30 19:05:29 | ライブレポ















先週の金曜日におとぎ話とブッチャーズの2マンを観て来た。













ありそうでなかったツーマン・・・だったんですが
めちゃくちゃ心に沁みて最高の一夜でした
ちなみにブッチャーズはこの日の数日後にも観たんですけど、セトリが全然違うので
毎回コンセプト決めてしっかりと作りこんだライブをしてるんだな~、と改めて感心してしまいました。

気が付けばブッチャーズのライブで同じような印象のライブがないっていうのは
冷静に考えても凄い事で、それくらい過去に作ってきた楽曲群を大事にしているということ
どの時代の楽曲もみんな欠かさずプレイし続ける事を忘れないあたりに
ブッチャーズと共に思春期からここまで歩んできた者としては
至上の嬉しさを感じるのでした
新曲がこれまたみずみずしい楽曲の連発でその辺も含めて堪らなかったですね

個人的に「4月」という曲に「7月」と同じくらいの思い入れがあったりするので
そんな「4月」を初めて生で聴けたのがとてつもなく嬉しくて本当にこの日参加して良かったな、と
気が付けば3時間以上のボリューミーなイベントに仕上がってたのがなんとも粋な夜でした。

おとぎ話のセンチメンタルな楽曲群も未だに心にジンジンと残っていて
感傷の渦に思い切り手篭めにされたような、そういうイベントでした。
最高です。











◆おとぎ話
1.王様にはならない(新曲)
2.BOY'S DON'T CRY
3.NO SOS
4.Superstar
5.太陽賛歌?(新曲)
6.俺達に明日は無い
7.告白ジャム(新曲)
8.ピーターラビット
9.WHITE SONG
10.COSMOS
11.光の涙
12.OTOGIVANASHI WILL NEVER DIE!!!!!!!




初っ端から聴いた事のない曲で、しかも小気味良いテンションの楽曲だったから掴みは抜群
過去よりも未来よりも今が一番好きという至極シンプルなテーマ性もまた良かった
2曲目で早くもアンセム投入、
多少ダンサブルな雰囲気になりつつも
シリアスに歌いこなす「NO SOS」「Superstar」にしみじみと浸る
「光の先目指そうぜ」という歌詞は最近弱ってる自分にとってはとても気付けになるようなフレーズでした

かなり重め(に感じた)の新曲からオルタナ色の強い「俺達に明日は無い」と
思ってた以上にブッチャーズを意識した渋いセットリストになってるなあ、と聴いてて感じた
そこから出来たばかりの新曲「告白ジャム」だったんですがこれがまた純真さたっぷりでめっちゃ感触が良かった!
ハンドマイクなのも新鮮だったし良い具合におとぎ話らしさが出ていて非常に満足の行く新曲でした
この調子だと次のアルバムは相当小気味良い作品に仕上がりそうで楽しみです。


無条件に楽しい「ピーターラビット」でウキウキした気分になりつつ
鉄板の「WHITE SONG」、そしてこの日一番の激情を叩きつけていた「COSMOS」に関しては
未だに歌声や歌詞が頭の中でリフレインするくらい感傷に沁みる出来栄えになってしまたね
古き良き歌謡曲のエッセンスをしっかりと昇華した素晴らしい一曲。
続く「光の涙」で更に感傷を煽りつつ
最後は「OTOGIVANASHI WILL NEVER DIE!!!!!!!」で一気に明るく楽しいテンションに様変わり。
いつものキラキラしてるおとぎ話ではなくむしろその裏側を叩き付けたへヴィでもあるライブでしたが
その分刻みつけられた傷跡がいとおしくなるような、そういうライブでした。
改めて、ありがとうございました。
新曲「告白ジャム」と「COSMOS」が特に良かったと思います。








◆bloodthirsty butchers
1.サイダー
2.デカダン~I'm so tired~
3.luckyman
4.4月
5.9月
6.コリないメンメン
7.black out
8.ソレダケ
9.フランジングサン
10.燃える、想い
encore
11.3月
12.デストロイヤー
13.JACK NICOLSON






一曲目の「サイダー」は新曲なんですが
新曲とは思えぬくらい聴いてて「ああ、ブッチャーズだなあ・・・」と感じる事が出来る
そのくらい記名性に満ち溢れていた素晴らしい楽曲でした
今披露してる新曲群の中では最も「らしい」一曲に仕上がってて有無を言わさずグッと来る出来栄え

リアルに歌詞が突き刺さってくる「デカダン」はずっと生で聴きたかった一曲なので素直に感動
実直に疲労だったり悔しさを叩き付けるフレーズの数々には感情移入せざるを得なく
更に興奮必死のアンセム「luckyman」では
ひさ子さんの王道感溢れるギターフレーズやメンバー同士のボーカルの絡み等で
自分でもビックリするくらいに盛り上がってしまい早くもこの時点で一つの絶頂を感じました
小ハコで聴いてるのにスタジアム級のスケール感があるのがなんとも素敵でしたね
起爆剤としての役割を完璧に果たしていました。


「kocorono」では「7月」と「2月」が特に人気があるように感じますが
個人的には「4月」がめちゃめちゃ大好きなのでここでこの曲が聴けたのは本当に嬉しかった
吉村さんがリフを弾くだけでこの曲への思い入れが一気に蘇ってきたり
音源以上にみずみずしい歌声に涙腺が刺激されたり、
あんまり演奏されない楽曲だけにめいっぱいこの曲の旨味を自分なりに堪能し切りしましたね
今までの記憶がフラッシュバックする感覚もまた音楽の醍醐味の一つなんだな、と
改めてその奥深さに心酔してしまいました。
生で聴いたのは初でしたが、掛け値なく素晴らしいと思える「4月」でした。

そこからこれまた個人的に大好きな「9月」も立て続けに演奏、
この曲は前半の情感溢れる静寂も最高なんですが、後半の激情のインパクトが更に恍惚レベルでした
終盤には轟音の渦に完全にオーディエンスが飲み込まれてる光景があったりして
その圧倒的な表現力の凄味に確かな芸術性を強く感じました
ノイジーで尖った音像は決してポップではないのに、気が付けば行き過ぎてキャッチーと思えるくらいに
振り切れてしまっているあの感覚は筆舌にし難い衝撃がありますね
これまた物凄いワンアクトに仕上がってました。絶品。


非常にブッチャーズらしいタイトルの「コリないメンメン」、ドラムが特徴的で面白いし
割と盛り上がるのに適した曲調ということもあって早くも好反応を叩き出してました(個人的印象)
シャウトの格好良さもまた格別でひたすらに楽しかった印象ですね

メロディの質の高さが光る「black out」にじっくりと浸りながら初めてのMC、
「FEVER4周年おめでとう・・・と言いたい所だけど、4周年って中途半端じゃないか?」
「西村がこの土地でやるって聞いた時は無理だろと思ったけど 笑」とニュアンスですがこういう内容でした
文面では伝わりませんがさり気に言葉の裏に愛情が伝わって来る言い方でとっても良かったですね
FEVERで観たライブは名演ばかりだし個人的にも大好きなハコです
なので4周年おめでとう!と
ここで一つ記述しておきます。これからも何度も通うのでよろしく!


冒頭のフレーズだけで心の敏感な部分にタッチされた気分になった「ソレダケ」、
好調ぶりが伝わって来る磐石の「フランジングサン」を経て、
最後にこの日一番の激情ソング「燃える、想い」を聴き手を焦がし尽くすようなテンションで熱演
この日最前列で観てたのもあってあまりの激情っぷりに圧倒されてしまうくらいの素晴らしいステージング!
ヒリヒリと脳裏に焼き付いて離れないその感情の放出はやはり唯一無二で随一だなと
ブッチャーズでしか聴けないものを沢山聴かせてもらった印象で
大満足も大満足のライブでした。
普段聴けない楽曲が沢山聴けたのも含めて行った甲斐十分の名演だったと思います。

アンコールではこれまた珍しい「3月」で一気にボルテージを最大まで引き上げてもらう
ライブで聴くと思ってた以上に白熱必至なアンサンブルに息を呑みつつ、
吉村さんのセンチな歌声がとにかく至高で堪らなかったですね
この日は「kocorono」でも定番以外の楽曲が披露されてた印象でそのアイディアもめっちゃ面白かったです
新曲「デストロイヤー」の若々しさ溢れる新境地もまたどんどん馴染んで来ましたし、
歌詞の哀愁もまた実直に感受性に干渉するようになってきた
最後の最後は「JACK NICOLSON」だったんですが相変わらず歌いまくるひさ子さんのギターサウンドに
終幕までずっと心を揺さぶられてた感覚でメンバーも笑顔のままライブは終了
その様子に確かな手応えを感じつつ、
勢いだけでない繊細なプレイの旨味も存分に味わえて正に職人芸と衝動を一気に味わえた
ワンマン並の満足度を感じる事が出来た出色の出来の公演だったと思います。
重量感もポップさも芸術性もあって、
気が付けば表情豊かに感じられたのが非常に素敵なライブでした
未だに伝説的な一夜を作り続けている彼らに大きな拍手を贈りたくなりましたね。凄かった!













シリアスとキャッチーさを混同させメリハリの良さを感じさせてくれたおとぎ話に
曲数が多いからこそいつもとは違ったセトリでいつも以上の熱狂を作り出してくれたブッチャーズ、
その化学反応の妙に心底夢中になれた素晴らしい4周年イベントの一環でした。
いつもより各バンドの持ち時間が長めだった分、
感じる事の出来た情感もボリュームがあって最大限にオルタナの旨味を補給する事が出来た感覚でしたね。

ブッチャーズは本当に今が一番輝いてると思う。
そう感じる事が出来たのも長年のファンとして嬉しい一夜でした。
この日聴けた「4月」の情景と感触はこの先ずっと大切にしてゆきます。ありがとう。




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