超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

Syrup16g全曲レビューその33「I Hate Music」

2011-10-22 17:16:13 | Syrup16g全曲レビュー





Syrup16g全曲レビューその33です。今回はある意味直球なタイトル「I Hate Music」です。





I Hate Music           アルバム「delayedead」収録





【いつだって同じ事ばっかり考えて 飽きてる】

音楽を賛美する歌はいくつもあって
そういう歌にはシンパシーを感じるんですけど
この曲はむしろ
もう飽きてるとか同じ事ばっかりだよ、とか割とネガティヴな方面の楽曲で。
当然そこには
自分自身への飽き、といいますか
そんな虚しさや繰り返しによる軋轢も含まれてるんでしょうけど・・・
いつまで経っても先に進まない、っていうか。
それもまた本当は音楽の力だったり自分の力を信じてるからこそだと思うんですよね。
信じてるからこそ、まだこんなもんじゃないだろ的な。
そんな後ろ向きなスタンスが
逆に希望を願っているという結果も好きだし、祭囃子のエッセンスも吸収したアンサンブルも好き。

失望しては起き上がって
起き上がっては失望して
結局繰り返す事は同じなんだね、って。
そんな風に思うこともいくらかあるんですけど・・・。
上がっては下がって
下がっては上がって。
それを何度も繰り返してると、否応もなく自分は全然成長してないんだなってのを思い知らされて
そんな自分自身に対して相当ゲンナリする事も多い訳なんですけど
逆にそこで落ち込まないって事は
成長してないって事実に気付けてないとも言える訳で
確認って言うか
認識出来てるだけマシなのかなあ、と思ったりもする。けど、考えてるだけじゃダメだなって気もするし
でもこれも一種の本音である事は間違いないですよね。この曲を好きな人は
是非OGRE YOU ASSHOLEの「ライフワーク」も聴いてみて欲しいところ。

いくら好きなものでも
時折嫌いになる時もあるというか
ウンザリする時もあったりするんですけど・・・。
そうやって色々考えたり
めんどくさいなあ、って思うのも
また好きな事の裏返しだよな、とも思います。何だかんだいいつつも
そうやって愚痴を吐き出しつつも
結局は頑張って探してしまうのも人間の性ですもんね。好きになった方が負け、っていうのは正論だと思う。






しかし改めて空気読んでない歌だな~とも思うんですけど(笑)。
空気を読むって事は
裏を返せば自分を捨てて周りに同調するのも同じですからね。そんなんやるんだったら
周りを無視しても自分を出す方がある意味誠実なんじゃないかな、とも感じる曲ですね。




THE NOVEMBERS「Misstopia」全曲レビューその2「Figure 0」

2011-10-22 01:28:00 | THE NOVEMBERS 全曲レビュー





THE NOVEMBERSの全曲レビュー通算15回目です。こっちは順調に行けば割と早く終えれそう。





2.Figure 0




初めて聴いたのはライブだったんですけど
その時からぶつぶつと呟くように歌うボーカルと、途中の激しい転調
エキゾチックな雰囲気と
その楽曲の持つ色がはっきり示されていた曲。実際ライブの後に音源で聴いてみたら
その時の衝動のままに音が詰め込まれていて個人的に嬉しかった曲です。
音の臨場感と
和洋折衷な空気が気持ち良い楽曲なんですが
最早ギターロックやオルタナを飛び越えてハードコアな匂いもする割と珍しいタイプの曲なんじゃないかと思います。




【生き延びたい イメージの中】

この詞はどうとでも取れると思うんですが
個人的な解釈だと・・・
想像した現実と
創造した現実があるとして
そこにはやっぱり、その、差異が出来てちゃうんですよね。
こんなの全然違うだとか
思った通りに事が運ばない歯がゆさだとか、そういうのをひっくるめて
もっとイメージ通りに生きてみたい、だとか
更にいえばそんなイメージを引きずったまま生きてみたい、だとか・・・。
現実に屈するのも
現実に逆らうのも個人の自由ですけど
揺れ動くこととそこにそのまま立ってることと、どっちを選択するか、って事ですよね。
生き方に間違いなんてないと思うし
本人がそう思ってるなら別だけど
どう生きるか、何を選択するか、それを決めるか決めないかは本人の自由ですから
そんなままならない現実から逃れて、逃れようとして
どこに行き着くのかは分からないけど
どこに辿り着いたとして、それはもう自分の責任なんですよね。自分が選んだだけ。
それを人の所為にしちゃいけない。
かといってそれを選んだ自分を責めずに、そこにプライドを持つのも一つのやり方ですけど。

なんてのは多少複雑な解釈ですけど
単純に自分が生きていくイメージを思い描いて切望するだとか
そんな意味合いにも取れると思う。
嫌なものを見ても
嫌なものを知っても
生きつづけるイメージだけは持っていたい
生きつづけるイメージくらい持たせてくれ、と。
そんな欲求不満と自暴自棄と切望が混ざって一つになったような、そんな曲です。





何事にも動じない強い人間もいれば
少々の事で心が折れる繊細な人間もいるけど
どっちにしたって
目の当たりにするものは大体同じだと思う。そこで差異も出てくるだろうけど
じゃあそこで何を考えるべきか?っていうか。最終的に浮かぶのはそういう事ですけど
同時にそこに至るまでのストレスを発散するような曲でもありますね。