Syrup16g全曲レビューその33です。今回はある意味直球なタイトル「I Hate Music」です。
I Hate Music アルバム「delayedead」収録
【いつだって同じ事ばっかり考えて 飽きてる】
音楽を賛美する歌はいくつもあって
そういう歌にはシンパシーを感じるんですけど
この曲はむしろ
もう飽きてるとか同じ事ばっかりだよ、とか割とネガティヴな方面の楽曲で。
当然そこには
自分自身への飽き、といいますか
そんな虚しさや繰り返しによる軋轢も含まれてるんでしょうけど・・・
いつまで経っても先に進まない、っていうか。
それもまた本当は音楽の力だったり自分の力を信じてるからこそだと思うんですよね。
信じてるからこそ、まだこんなもんじゃないだろ的な。
そんな後ろ向きなスタンスが
逆に希望を願っているという結果も好きだし、祭囃子のエッセンスも吸収したアンサンブルも好き。
失望しては起き上がって
起き上がっては失望して
結局繰り返す事は同じなんだね、って。
そんな風に思うこともいくらかあるんですけど・・・。
上がっては下がって
下がっては上がって。
それを何度も繰り返してると、否応もなく自分は全然成長してないんだなってのを思い知らされて
そんな自分自身に対して相当ゲンナリする事も多い訳なんですけど
逆にそこで落ち込まないって事は
成長してないって事実に気付けてないとも言える訳で
確認って言うか
認識出来てるだけマシなのかなあ、と思ったりもする。けど、考えてるだけじゃダメだなって気もするし
でもこれも一種の本音である事は間違いないですよね。この曲を好きな人は
是非OGRE YOU ASSHOLEの「ライフワーク」も聴いてみて欲しいところ。
いくら好きなものでも
時折嫌いになる時もあるというか
ウンザリする時もあったりするんですけど・・・。
そうやって色々考えたり
めんどくさいなあ、って思うのも
また好きな事の裏返しだよな、とも思います。何だかんだいいつつも
そうやって愚痴を吐き出しつつも
結局は頑張って探してしまうのも人間の性ですもんね。好きになった方が負け、っていうのは正論だと思う。
しかし改めて空気読んでない歌だな~とも思うんですけど(笑)。
空気を読むって事は
裏を返せば自分を捨てて周りに同調するのも同じですからね。そんなんやるんだったら
周りを無視しても自分を出す方がある意味誠実なんじゃないかな、とも感じる曲ですね。