超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

MONT BLANC/ASPARAGUS

2010-11-14 20:20:49 | 音楽(旧譜レビュー)




この数日、ASPARAGUSの「MONT BLANC」を何気にずっと聴いてました。



今や数少ない自分が聴くパンク/メロコア系のバンド・・・なんですけど
これ単純にロックアルバムとしても全然聴けるなっていうか
ジャンル自体そもそも関係ないなっていうか。
聴き心地抜群、な訳です。

パンキッシュな即効性も、ロック特有のどっしりとした音の厚みもあって。年代が上の人でも
しっかりと楽しんで聴けるパンク/メロコアって感じがします。
だからこそ色々な人が聴けば良いと思う訳ですが。
人を選ぶ要素があんまないなっていう。
英詩くらいかな。


改めて何回も聴いてると、まず何回聴いても飽きないっていうのがあって。
一曲一曲がしっかりと作られている。
それに加えてやっぱ基本的な演奏力が高いって感じます。
ベテランならではの安定感。
に、加え楽曲の展開だったりメロが面白くて、結構イレギュラーな構成の楽曲もあったりして
その意味でも繰り返して聴く事が面白いアルバムでもある。
 どの曲も凝ってるとは言え
純粋にポップだと思うし、ロック的にグッと来る部分もあるしで、
聴けば単純に良い気分になるし、気持ち上がるしって事で
一言でド真ん中、的な。
いつ聴いても外れなし。ってくらい粒揃いの作品ですね。


それで、この中に2曲ほど特に素晴らしいなあって思う曲がありまして
それ書きたいが為にこのレビュー書いた、ってのもあるんですけど
一曲は「JERK」って曲。
めちゃめちゃ刺激的で、ロックの暴力的な部分が目立つ名曲です。


「お前はゴミみたいな物ばかりしっかり抱えすぎて
 大事な物をボロボロと落としていっている事にまったく気がついていない」

ほぼ攻撃性しかない歌詞で
いきなり俺の目の前から消えろ、だの俺をイライラさせるな、だの
痛快なフレーズのオンパレードなんですが
こういう苛立ちを素直に吐き出した曲って意外と少なくて
その意味では非常に人間らしい、純粋な曲です。自然的に生まれる怒り、っていう。

この曲は、リリースから3年経った今でもコンスタントに聴く位好きですね。燃えるし。


もう一曲は「HONESTY」って曲。
タイトルでビリー・ジョエルの曲を思わず髣髴とさせますが(そういやNICOTINEがカバーしてたな)
こっちはこっちで
ポップ・ロックの決定版といいますか
どのパートのフレーズもおいしく、かつ決まってる部分の気持ち良さが尋常じゃない、
名曲って形容詞がよく似合う曲になっていて。
歌声の柔らかさも好きですね。
ちょうどこれからの季節に合いそうです。数年前よくこの曲冬に聴いてたなって思い出しました。
今年の冬も聴きそう。





熱量はたっぷり入れ込みながらも、引く時は引き、技巧的な部分もしっかり見せる。
そういった懐の深い部分がいちいちツボ、って感じのアルバムです。
最近こういう系統聴いてない人もどうぞ、って事で。

ちなみに現在のところこれが最新作ですね、彼らの。来年は何か出るのかなー。




STAn@下北沢SHELTER 10.11.13

2010-11-14 01:14:43 | ライブレポ




今日は下北沢でSTAnのライブを観てきました。





久々のワンマンツアー「当たり屋 is NOT DEAD」。
新譜のリリースに先駆けて、って事でその中の曲はほとんど演奏したのかな。確証ないですが。

で、結論としては、次のミニアルバムの内容保障されたなって言うか
とにかく新曲がどれも素晴らしかった!
この日聴いた限りでは。
音源でも絶対に良いはず、って事でますます次回作への期待が高まったライブでした。
やっぱり西井鏡梧の曲って、確実に彼独自の節がある。
ロックでありながらも、ポップさを忘れてないっていうか。
それが一番感じたこと、かな。
それでは以下レポです。




気がつけばお久しぶりの下北沢。
シェルターも2回目、って前回もSTAnの時だったんだ。冬の自主企画の時です。
 あれから考えると随分バンドに脂が乗ってたと思う。特にエムちゃんの貢献は大きいね。
明らかにバンドへの馴染み方が違う気がした。

チケットは売り切ったみたいで
どうやら地力でソールドさせたのは初らしい。そうだったのか・・・。
でももっと大きなステージでやっててもいいと思うんだけどね。
華あると思うし。

ってな訳で人はもうパンパンで
身動きとりづらいのなんの。STAnのライブでここまで人はいってんの中々ないよなあ。
自主企画の時も結構入ってた記憶あるけど。
バンドとしては申し分ない環境でのライブ。




10分過ぎた頃くらいにメンバー登場。
限界ギリギリまで人が絶えずに来てました。
まずは新曲。
「ラララララ~」のメロディが鋭くて最高です。一曲目からね。

んで2曲目に「S.T.A.n」って!
分かってる選曲に興奮しつつ、「Dolphin Dance」では実に楽しそうなエムちゃんの表情。
結構お客さん煽ってくるようになったなあ。

まだまだノリの良い曲が続いて
「THE FIRE」と「Born to be mild」と刺激的なリフが連発。
こういう良い意味で崩れてる感じのロックソングって聴いてて気分が良いですね。
ラフに楽しめるっていうか。
音もゴリゴリだし。


久しぶりの曲も連発「ダルい男」と「J.D」。
後者は生で聴いたの3年ぶりくらいな気がする・・・。
共通してたのは、ドラムがやたらかっちょいい!って事と
どっちもライブでの化けっぷりが半端なかった、って事ですね。
歌詞があんなに適当な感じなのに
バンド演奏がめちゃくちゃタフ、っていう。kygのギターの音色がいちいちツボでした。

良い感じの新曲2曲連発!
相変わらず良いメロディ書くなあ。すっごい興奮状態で観てたから歌詞覚えてないけど
その内の後半の曲は「愛」って言葉がよく出てたような。
なんにせよ好調ぶりがしっかり伝わってきました。

「Rough diamond future」は、
「いーよいーよ」って部分の感情の込め方がグッと来ましたね。歌いたくなるっていうか。


よっきゅんの挨拶を挟み、またも新曲
「I Hate You」って何回も繰り返す曲で、ギターアレンジがやたらアグレッシヴで聴き応え抜群だった。
攻め切ってる感じの新曲。
に続いて「rock」「多くの人達」という素晴らしい流れ。
前回の自主企画でも聴けたけど、やっぱレアな曲だと思うんで嬉しい>多くの人達。

これも随分久々なような・・・「ALL BLUES」。
けど、これが異様にストイックな楽曲に進化していて
鬼気迫るって形容がピッタリの迫力ある演奏に圧倒されました。
前聴いた時ここまで凄かったっけ?って
そんな事を思ってしまった。
一つのピークでしたね。

この後も「大人」をテーマにしたっぽい明朗な新曲を披露。これもまた適度にポップで良かった。


ここでバンドメンバー紹介。
STAnファンを思いっきり煽るkyg、でも余裕で付いて来るお客さん。
それを観て「さすがSTAnファンはレベル高いねー」って言った後に
「でも選民意識はないからね」とか「みんな純粋に音楽を楽しもう」とkyg。
「僕の大好きな・・・大好きじゃないかもしれませんがメンバーを紹介します!」と言って
まずはエムちゃんこと中嶋幸志。
ちなみに髪切ってましたが、こっちのが全然格好良いなあ(笑)。

「小一の頃からの知り合い・・・でも仲良くし始めたのは高二から!」っていう紹介で
よっきゅんこと吉田清志。
小学生の頃のあだ名はよっしーで、しかも若干やさぐれてたとか。
最近じゃ事務的な事をやってくれてるらしく、非常に助かってる、とのこと。
このワンマンツアーを計画したのも彼らしい。
ソールドアウトした事にえらく感激してるみたいでした。態度見る限り。

その後に、「じゃ、この天才紹介してよ!」ってよっきゅんに振るkyg。
この天才、って(笑)。
相変わらず、だけどそれも全然言って大丈夫だと思う。
ってな訳で、よっきゅんがそのまんま天才って付けてkygこと西井鏡悟。


そしてライブも後半戦!
相変わらずギターの音色が美しい「Virginia~」からの
個人的に大好きな「タイガーアイ」っていう嬉しい流れ。
この曲は私的に指標にしてきた感があります・・・。ここ数年。
生で聴くと、一層に沁みる。
アレンジも元気一杯で思わず体が動く。

待望の「毘沙門天」では恒例の?旗を持ってきてkyg自ら振ったりお客に振らせたり。
盛り上がったところで本当にイチゴジャムを持ってきて「KYGのイチゴジャム」、
止めに「Nazca」という超絶ロック・モードでライブは終了。
流石にアガり切って終わった、という感じでした。
熱量も凄くて、やっぱキッチュなライブもいいもんだな、と。外出れば涼しいしね(笑)。

アンコールは2回あって
「ULTRAMAGNETICSTANS」と「THE SONG」をそれぞれ。
最後にkyg何度もおじぎしたり
「みんなが思ってる10倍はありがとうって思ってます」とか
「Be Happy」って言葉をお客に贈ったり。
常に興奮状態で観れたような、すっげえ良いライブでした。熱かった!



セトリ
1.After all
2.S.T.A.n
3.Dolphin Dance
4.THE FIRE
5.Born to be mild
6.ダルい男
7.J.D
8.新曲
9.新曲(愛)
10.Rough daimond future
11.新曲(I Hate You)
12.rock
13.多くの人達
14.ALL BLUES
15.新曲(大人)
16.Virginia Sky、Endless Stardust&Darlin’
17.タイガーアイ
18.毘沙門天
19.KYGのイチゴジャム
20.Nazca
encore
21.ULTRAMAGNETICSTANS
encore2
22.THE SONG



この日の印象を素直に言うとですねえ、ヒットソングの連発っていうか
キラーチューンだらけで固めてきた、って印象でした。
新曲も含めてね。
新曲もそれくらい全然馴染んでたのが凄くて、これからなんとか上がって行って欲しいなって。
そういう風に感じられるライブでしたね。
どの曲を聴いても。
音源以上にパワフルな展開を見せた曲もいくつかあって
その意味でも、そうじゃなくても、是非生でSTAnのライブを体験してみて欲しいですね。
極上の3ピースだと思いますから。
気合十分、文句なく格好良いステージでした。明確に、2月の自主企画よりも良かったよ。バンドが。