超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

syrup16g/Syrup16g

2010-11-11 23:15:27 | 音楽(旧譜レビュー)




先日「scene through」のレビューを書いてから
なんとなくアルバム自体もちょくちょく聴いてまして、
何気に新譜に混じってヘビロテさせてます。Syrup16gの「syrup16g」。




解散の直前に出したアルバムだったので
当時はこれで終わりなんだな、的な終末観ばかりを感じていて
それは今でも感じる事なんですけど
それに加えて・・・
なんというか、優しさ、なのかな?ふわっと包まれるような希望の感触もあったりして。
当時これらを感じてたかって言うと
今ほどはなかったんです。
それ考えると、このアルバムって年取ると感じるもん増えるアルバムなのかなって。
キツい時とかに聴くと・・・一気に昇天しそうになります。

まず、やっぱ詞が良いって事に尽きる訳ですが。
それプラス、音もメロも良いと。
やっぱり自分の理想像に近いバンドだったんだなって、それを考えると惜しい気持ちも沸いて来るんですが
最後だからしか作れないアルバムにもなってるよなって事はつくづく思います。

このアルバムには今まで自分がやってきた事だとか、後悔だとか、自虐だとか、少しの喜びとか、そして感謝とか、
ありとあらゆる感情が詰め込まれていて。
それが痛いくらいに伝わる、と。
っていう表現ってちょっと陳腐かもしれませんが
それでもこのアルバムには「人の心」があると思うんです。
作り物じゃない
キレイに商品化した訳でもない
剥き出しの一人の男の気持ち。 だからこそ聴き手にも強く刺さる、と。そう感じます。
逆にそうとしか感じられない。


今聴いて思うのは
分かりやすくシロップの曲だった「ニセモノ」「さくら」の威力が高いのは当然として
「ラファータ」とか「君を壊すのは」とか
ちょっとメランコリックな曲も本当にいいなあ、って事ですね。
こういう曲たちが、実は思った以上に沁みるってのを実感しました。
時間が経って感じ方が変わるのも面白い。
「バナナの皮」とか「イマジネーション」とかは詞が集大成過ぎて泣けますねえ。
終わってしまった物語ってのを痛感します。
真っ白って形容が似合う曲たちですね。

まあ曲自体に関しては全曲レビューで語っていくと思うので多くは語らないんですが
先日レビューを書いた「scene through」を最近はよく聴いてます。
空っぽの自分を再確認できる曲と言うか。
こういう曲って重要だと思うな。

そしてギターの音が突き抜けてて、気持ちいいよね。これ書きそびれた事でした。




明確に「終わり」が見えてくるアルバムです。
でも、当然ながらこのアルバムを聴き終えても、実際に終わりなんてやってこないし、
また始めなきゃいけない。
白いジャケットのように。

そう考えると、またイチから始める為のアルバムって、そう思ったりもします。
大切なアルバムの一つです。




椿屋四重奏@柏PALOOZA 10.11.9

2010-11-11 08:38:51 | ライブレポ




一昨日、椿屋四重奏のツアーに2度目の参加をしてきました。
先月の野音に続いて、今度は千葉は柏公演ですね。
「TOUR'10 BRIGHTEST DARKNESS」の折り返し地点。
今思い出しても良いライブでしたね。


ただ、この日は強風が凄くてね、内房線も総務線も遅延が酷くて
まずは船橋に行くのに結構な時間が掛かりましたよ。
ぶっちゃけ間に合うかどうかの瀬戸際だったんですが、東武野田線は普通に動いてて若干助かりました。

柏に到着するも、初めてのハコだったんで
まずは探さなきゃいけない、と。
それに加えてちょっと寄っておきたい店もあったんで、ギリギリもギリギリだったんですが
なんとか一曲目「ロンサム」の頃に到着。
意外と駅から近く、分かりやすいところにありましたね。これがALIVEだったら死んでましたね(笑)。

このライブハウス、去年あたりかな?出来たばっかの新しいハコで
流石にキレイだったんですが
何よりもキャパが非常にちょうどい~い感じですね。duoぐらいでしょうか。
そして、音が良いね!
何気に気に入ったかも。千葉にもこのくらいのキャパのハコが出来てたんですねえ。

流れとしては、先月の野音を継承しつつ。
っていうかこのツアー自体このセトリなんでしょうね。
今回もバラすんで行く予定の方注意!





まずは、「LOVER」「LOOK AROUND」とツインギターのぶつかり合いが非常に刺激的で楽しい。
「ただいま千葉ー」
「この上の輪っかみたいなの、横浜アリーナにも似たのありませんか?
 今日はアリーナ気分で行きたいと思います」
と中田裕二のMC。ちなみに全部ニュアンスですので(笑)。


「いばらのみち」「思惑と罠」とダンサブルなステージが続いたあとの
「共犯」の素晴らしさ。
このツアーは大人っぽさがテーマの一つだと思われますが
この曲は正にそれにピッタリな感じで、特に色気たっぷりで歌えてたような。
棘もありつつの。

「ブランケット」は相変わらず好きですね・・・(笑)。
なんか聴いてると気分良くなるっていうか。グッとも来るし。

「playroom」「漂流」の後の「ジャーニー」の素晴らしさ。
これは多分どの会場でも共通でしょう!
一気に開けてくようなカタルシスがありますね。
強く記憶に残るっていうか。
このツアーでますますこの曲好きになりそう。終わり際のドラムがすこぶる格好良かった。


ドラムス小寺良太が、ホワイト餃子食ったんで、若干臭いかも・・って言ったら
サポートギターの手島さんが「食ってなくても臭いんじゃない」って、何気にSキャラっぽくなってたのに笑った。
野音と印象違うなあ。

新曲「マテリアル」。
先月聴いた時よりもスッと入ってきて、まあ回数重ねてきゃ段々そうなるのは明白なんですが
やっぱり歌いたいことがハッキリしてる感じがすごく良かったのかな。
言葉も直に入ってくるし。
発売が楽しみ。

「導火線」をムードたっぷりに歌い上げつつ
「red blues」を叩きつけるように扇情的に歌う。
ライブで聴くこの曲は本当に格好良いよね。多分外れないと思う。

「アルバムの中で一番変な曲やりまーす」と言って「NIGHTLIFE」。
ところどころ歌詞を変えていて
「千葉のド真ん中に森が」とか
「アメージングな千葉だぜ」とか。時々柏ー!って叫んでたり。
やっぱ変な曲だね、確かに(笑)。

この日の「恋わずらい」はいつも以上に脂が乗ってて最高だった。
ゆらゆら揺れながら聴ける感じ。
「ロスト・チルドレン」は、やっぱりキレた曲だなあ、って思いつつ
「ミス・アンダースタンド」へ続く流れに興奮。
この曲定番曲になりそうだなあ。
勢いがありますよね。
最後高まりきったアンサンブルの爆発力が凄かった。

「踊り子」では開始直後にミラーボールの演出が。
この時初めてミラーボールの存在に気づく。
キャパといい本当に都内を意識したハコなのかもしれない。で、曲自体の切れ味も抜群。
この曲は野音よりも格段に演奏力上がってる感じで。

最後はツアータイトル曲「ブライテスト・ダークネス」。
この曲もツアー重ねた影響もあったのか、ずっと良くなっててビビった。
正しくここがピークポイントだったというか・・・。
野音とは印象が若干違ってたかも。
だからこそツアーに参加するのは楽しいっすねえ。


アンコールも敢行。
まずはMCからだったんですが、これが長い上に若干グダグダだった(笑)。
でも椿屋らしく締めるところは締めてた印象。
元々メンバーが千葉に住んでた時期もある、って事で
中々にお客さんとのレスポンスがスムーズで、アットホームな笑いが生まれてた印象。
ちなみに本八幡らしいですね。
たまに行くわ。

柏にはbay FMの企画でお世話になったから土地勘がある、とか
皆さんが手厚く介護してくれてるお陰でこのツアーが、とか
椿屋痴呆症、とか
手島さんがマツジュンに似てる、ってお客さんのコールがあって
もしこれジャニーズのファンとかが聞いてたら殺されるよ?とか
それに対して手島さん「殺してください・・・」って言ってたりとか(笑)。

中田裕二が通販風にツアーグッズを紹介して
「信じるか信じないかはあなた次第」ってベタネタやったり
「パンフレットにはたかしげの乳首が載ってます」とかイジってたり。
「じゃあアルコールを、」ってアンコールと間違えてて
俺はどんだけ酒に溺れた生活してんだよ、って自ツッコミしたりしてました。

ちなみに千葉は第3の故郷らしいです。
多分1番が仙台で、2番目が熊本でしょう。ベスト3入り、とか言ってました。


最後は「群青」「幻惑」とゴリゴリのロックナンバー2連発で締め。
後者の異常なテンションが兎角気持ち良かったなあ。
って事でムード満点のライブはこれにして締め。
楽しかったです。単純に。



セトリ
1.ロンサム
2.LOVER
3.LOOK AROUND
4.いばらのみち
5.思惑と罠
6.共犯
7.ブランケット
8.playroom
9.漂流
10.ジャーニー
11.マテリアル
12.導火線
13.red blues
14.NIGHTLIFE
15.恋わずらい
16.ロスト・チルドレン
17.ミス・アンダースタンド
18.踊り子
19.ブライテスト・ダークネス
encore
20.群青
21.幻惑



やっぱりツアーも中盤という事でこなれて来る曲もあるみたいで
特に後半の流れは野音以上に素晴らしく
あの日もあの日ですっごく良かったんですけど
全体的な完成度は負けてないな、って思えるライブでした。
慣れた場所だからかMCもゆるっとした感じで、それもまた楽しい場面の一つでしたね。
ライブ自体約1ヶ月ぶり?
とかそんくらいだったんですが、やっぱり生の扇情感は素晴らしいな、と。
ハコの調子とも相俟って、これまた記憶に残る一公演になりました。


ちなみに帰りは普通に帰ってこれました(笑)。良かった。