超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

モナリザオーヴァードライブvol.7@渋谷屋根裏

2009-07-19 21:16:17 | ライブレポ
ちょっと遅くなりましたが、先週の土曜日に行ったライブの感想を。
モナリザオーヴァードライブVol.7というイベントで、
STAnとSFというバンドが定期的に行っている自主企画ライブイベントです。

もちろん目当ては我らがエスティーアンですが、
個人的にお気に入りのバンドを見つけることが出来ました。
というか全体的に面白かったです。
適当にサクサク書きたいと思います。


まず今回のライブハウスに行くのは実は初めてでしたが
思ったより辺鄙なところにあるなあと。パルコと服屋が挟みうちになってる真ん中にひっそりとあるライブハウスで、
かなり見つけにくいです。
が、今回は冴えていたのか割とスムーズに発見。
開場の15分前には着いてました。

中は思ったよりスペースがあった。
千葉LOOKと同じくらいあるんじゃないか。
しかも満員になってたのも個人的には嬉しかった。

ちなみにトイレの中には昔のSTAnのステッカーがやたら貼ってありました。
確かにここでライブやること多いみたいだしねえ。


開場から30分でスタート。
トップバッターはDJ オショウ。
海外のレコードをミックスしたり、サンプリングしてオリジナル曲を作ったりと
オールマイティなミュージシャン・・・という前情報だったんだけど
ぶっちゃけDJプレイそのものよりも、
トークとか客いじりのが面白かった(笑)。
「STAnのメンバーは薬物で捕まったからお前らもう帰れ」とか言うし。
しかも衣装は和尚の格好してるんだけど、
顔が和尚じゃない(笑)売り出し中の芸人、みたいな。

マイケル・ジャクソンの追悼ということでマイケルの曲を6曲連続で掛けたり
オリジナルソング掛けたり、キルビルのテーマ曲をスクラッチでプレイして掛けたりと
音楽そのものも割と面白かったです。

しかしどうしてもあのキャラと変なしゃべり方のが耳に残った(笑)面白い人でした。


2番手のostooandell 。
これが思わぬ収穫でした。
と、いっても何といえばいいのか、形容には困ります。
音はシャキッとしたギターロックなんだけど
ボーカルはフワフワしていてつかみ所がないというか。
歌詞の内容も少し変。
基本的には女性ボーカルなんだけど、男が歌う曲もある。
結構自由にバンドをやってるなー、という印象でもう一度観たいな、と思いました。
相対性理論好きな人にはオススメかも。
相対性理論の一歩手前の表現という感じ。バンドサウンド的にはなぜかLOVE LOVE LOVEを彷彿とさせた。自分だけか。
といってもキャリアはそこそこあるそう。2年前の同イベントにも出てたらしいからね。
影響は受けてないっぽい。
沖縄出身というのが大きいのだろうか?このフワフワ感は。

途中で「新曲」をやります!」といって披露した新曲がとても良かった。
ニューウェイブ調の歌モノポップという感じ?なぞなぞがどうたらこうたらとかいう歌詞で。
というかあまりに良かったんでCD、Amazonで買ってしまった。帯が曽我部恵一だったのに驚き。



3番手にSTAn。
この日来てたお客さんの7割くらいがSTAn目当てだったんで、
トリじゃないのか、と少々驚く。

「YOUNG&FINE」でライブはスタート。イントロの時点で歓声が上がる。
シンプルにまとまったバンドサウンドがひたすらに気持ちいい。
というか久々に聴いたのもあって嬉しさも。

「ULTRAMAGNETICSTANS」「THE FIRE」と扇情的な2曲をやったのち、
新曲を披露。
ちょっと穏やかな曲というか、サビで「ランランラン~」とくちずさむようなポップな曲でした。
あとメロディが奥田民生っぽい?かも。

新曲といえば「Virginia Sky、Endless stardust&Darlin'」。
今年初STAnなんで生で聴くのも初めて。
この曲はテンポもアレンジもCDそのままで、あの美しいギターソロもそのまま。
このサビのメロディがやっぱりいいなあ。心が落ち着く感じというか。
CDだと終わりでフェイドアウトしてくんだけど、ライブだとまたリフに戻るのが新鮮。

「俺の右の心臓」とライブならではの楽曲「毘沙門天」。
この2曲ではモッシュ?が起きるほどの大盛り上がりを見せる。
  にしても、毘沙門天のベースはめちゃくちゃカッコよかった。
最前列付近までいき客を煽り、その後は彼のオンステージになってました。
しかも毘沙門天の「毘」の文字が書かれたでっかい旗まで用意してたし。

ここから更に加速。「KYGのイチゴジャム」と「どうせみんな気付くさ~」と
つなぎも気持ちいいアッパーチューン2連発!

イチゴジャムはテンポ超早くなっててあっという間に終わった、が、
その分ジェットコースターのような切れ味があった。
相当尖ってた。尖ってるといえば後のダンスバンドもそう。
カクカクとしたギタープレイに、爆発するバンドアンサンブル。
最後の締めのキマり具合は尋常じゃなかった。
と、同時にもっと聴きたいよな、とも。足りないぜ9曲じゃ。



最後、SF。
主催者の片割れなのに、このイベント自体初めてなので当然名前も曲もしらず。
 こちらは浮遊感のある細かいバンドサウンドを駆使したギターロック、という感じ。
音響的な要素もある。
具体的にいえばフィッシュマンズとthe band apartを合体させた感じ?

このバンドは、クラブとかでテーブルに座ってお酒を飲みながらゆっくり見たいという感じでした。
聴いてるとまどろむ感じ。良い意味で。


面白かったのが、最後のアンコール。
出演者全員による大合唱が巻き起こってました。
ここが間違いなくこの日のハイライトで、コーラスにKYGが使われるのも新鮮だなーと思ったり。
ostooandellのボーカルの女の子も楽しそうだったなー。
一体感がすごい!




えー最後が少々うろ覚えになってしまったんですが、
文句なく楽しい夜でした。
初めてのバンドが多いのにも関わらずこの満足感。
ライブハウスから出たときの気分もとても気持ちのいいものでした。


ちなみにSTAnのMCはあんまりなかった。
演奏をビシッと決める感じのライブだった、今回は。
よっきゅんはしっかりと宣伝してたけど。
3月のCDとか木村カエラへの提供曲のこととか。
あとベースのMちゃんが今回参加できて嬉しいと。前回は今西さんが最後のときだったんだねえ。
今西さん元気かな。




セットリスト(STAnだけ)


1.YOUNG&FINE
2.ULTRAMAGNETIC STANS
3.THE FIRE
4.新曲
5.Virginia Sky、Endless stardust&Darlin'
6.俺の右の心臓
7.毘沙門天
8.KYGのイチゴジャム
9.いずれみんな気付くさ、俺たちはただのダンス・バンドなんだって


1stの曲多し。切れ味の良さにこだわったライブで曲間もより短め。
個人的によっきゅんのドラムが特に最高だった。
ていうか何気にテク凄いよね。





あきそらアニメ化!

2009-07-19 02:36:53 | 漫画(新作)
2回連続同じ題材で申し訳ありませんが、これは切り離した方がいいと思って。
短く済ませますが、「あきそら」がアニメ化、とのことです。
単行本の帯と広告に書いてありました。

まあ本誌で告知された時点で映像化だろうな、と思ったんですが
まさか今流行のOVA付きコミックスとは・・・。
そこまで知名度あるかな?

しかもスタッフが普通にTV放送のアニメを作ってる人たちじゃん!
秋田書店本気出しすぎでしょ。 喜多村英梨がアキの声なのが1番驚いた。

ただ、キャラデザ的にはやはり糸杉柾宏のが良いですね。まあこれは仕方の無いことですが。
どこまでやってくれるのか、期待はしておきます。 頑張って作って欲しい。

あきそら2巻

2009-07-19 00:26:05 | 漫画(新作)
個人的に大好きな漫画である「あきそら」の2巻が発売されました。

これについてブログの方では全話レビューという形で
この作品に触れたいと思います。

しかし今回もやたら大手のブログやサイトに取り上げられてますね。
ただ、その内容がエロ方面に集中してるのが気になる。
そこも大きいのは確かですが、
私にとってはストーリーの面でも非常に面白いと思ってるので
それについてタラタラ書いていきます。

それにしてもAmazonのコミックランキングで3位、全体で5位か・・・。(7月18日深夜12時半時点)
なんか嬉しいやら複雑やら(笑)

ファンとしては、あまり目立ちすぎるのもアレだと思うんで
これ以上の盛り上がりはやや心配だったり。
トーハンランキングトップ10とかに入ったらどうしよう。まあそこまでは行かないか。


まず表紙がとても可愛いです。これは重要です。
でも中身が非常に過激なのでこれだけ見て手に取ると危険なのです。
しかし二人の表情が逆になってるのが内容を象徴していて面白い。
ネタバレ注意。以下↓



第5話 おかえりなさい

これを本誌で最初に読んだときはビビった・・・。
まさかこんな展開になるとは思わなかった。
この作者は読者の斜め上をいくのが上手いですね。

お母さんに甘えたがりのナミが素直に可愛い。この時点では後であんなことになるとは思わなかった。
そしてアキはソラに夢中に見えて、実はお母さんのことやナミのこともしっかりと気にかけてる事がわかります。
何だかんだ言ってこの一家の大黒柱的存在なんだなあ、と。

墓の前で一人語りをするシーン。
ここからの回想は温泉のラブラブモードから一転、めっちゃシリアスになります。

ネタバレ注意といいつつも、多分この話の顛末は
書かない方がいいかと思って。かなり重たいし、直接読んだ方が絶対にいい。

ただアキとお母さん、それぞれに瞳孔が開くシーンがあるんですが
この二つのシーンはかなり印象的ですね。
ドキッとする感じ。


多分、お母さんもアキも世間的に見れば間違ったことをしてると思うし、
お母さんには罪悪感もあったと思います。
ただこれによってソラとナミの精神が救われてる部分もあるわけで、
それを考えると何とも言えない話です。
単なる美談では済まされないというか。

この作品のコンセプトとは、若干のズレを感じる話ではありますが、
個人的にはこの話があるからこそこの漫画のファンになれたというのがあります。
刺激作品以上のもの、切なさを感じれるというか。
ここまで入れ込んでるのは私だけかもしれませんが・・・。



第6話 恋人たちの午後

やべえ、5話だけでダラダラ書きすぎてしまった!
でもこの6話も凄すぎだよ(笑)。

スリルを求めるルナにソラが振り回されるというお馴染みの話ではあるのですが
まさかあんなことになるとはね・・・。
私の口からはとても言えない。

ここまで来ると狂気の沙汰というか。
しかもこれにしたってやたら空気感を暗くして描いてるのよね。
もちろんエロさもありつつも、快楽的な異空間として描いてるというか。

この6話はあちこちで取り上げられ、盛り上がった気がするんですが
個人的にこの話はソラの恐怖心が伝わってくる話、これまた重い話だと思ってます。
確かにルナや他の参加者たちは楽しんでいるんですけど、
ソラ自身は全く楽しんでない、むしろ怖がって泣いてしまったくらいで。
この6話で起こった出来事は後々のルナやソラに響いてくると思います。

あーしかしこの話を元にした本誌付録のドラマCDは凄かったなあ・・・。うん。



第7話 伝えたい気持ち・伝わらない気持ち

ナミの心理描写と回想を中心とした可奈とソラの話。

しかしソラは本当に良い子やねえ・・・と。88ページの笑顔なんて男なのに可奈より可愛いなあ。

この話の肝は、やはりナミ。
最初は上機嫌だった彼女の、自己矛盾による悲しい感情表現が見所。
最後のうめきとか。


しかし気になるのはナミの「分かっていた・・・最初から」のセリフ。
一見普通のセリフに見えるんですけど
なんというかちょっと反応が早すぎると思うんですよね。
いくらなんでも、初対面であそこまでは感じ取れないだろうと。

個人的な推測ですが、幼少時代からこういうことが何度かあったのかなあ?と思ってしまいました。
だからこそあの一瞬で判断できたのかな?と。
そう考えると最初のセリフのニュアンスが別の意味に捉えられると思わないでもない。


第8話 足りないもの・満たされないもの

これも問題作だなあ(笑)
恐らくアキとソラの深い関係を知らないからこそ、
ソラに対するあてつけとしてこの行為をしてしまったんだと思いますが
それにしてもやりすぎ!
切り落とそうとするシーンとか、ぞっとした・・・。

この回では、兄に対する劣等感みたいなものもそこかしこから漂ってきます。
はっきりと描かないからこそ想像の余地がある感じで。
幼い頃のエピソードも読みたいですね~。

「なんで・・・わたしの欲しいものをあんたが全部持っていくのよ・・・!!」

このセリフにも表面上の意味だけではない、様々な思いが込められているような。


最後のナミの一連のモノローグは、
「なぜそこまで?」と思いつつも、読み終わったあと胸がモヤモヤしてしまった。



第9話 雨が止んだら

この2巻でソラは色々な体験をしますが、正直どれも良い体験とは言えません。
それによって憂鬱な気持ちに沈んでいるくらいです。

で、そんなソラをアキが励ますという話。

これさりげなく描かれてるけど、かなり重要な話ですよ。
だってこの話がなければソラの心が沈んだままこの巻が終わってしまいますからね。

ソラは流されやすい面もあって読者としては非常に心配、ハラハラさせられますが
どんな経過を辿ったとしても、
最終的にはアキの下へ帰ってきて欲しい。
それは世間的には許されないことだったとしても、
それしかない。
と、強く思える回でした。


「今もまだ 夢の中にいるんだよ」というアキのセリフがとても印象に残っています。



おまけページ&作者コメント
この作者、女性なのにやってることが無茶苦茶だな(笑)
カバー下でも主張してるし!
しかしアキは面倒見良いのに料理は殺人レベルなのね・・・。
はじけてて面白かった!


総評は、インパクトの強い話をとにかく詰め込みまくったとてもアブノーマルな巻になりましたね。
1巻と比べてもこっちのがより凄い。

ただ、話題性や過激さだけを売りにした作品ではなく、
きちんとキャラクターの感情面を丁寧に描いてるのがとてもいいです。
特にナミは1巻の時点ではよく判らなかった部分もきちんと描かれていて、
如何に彼女が本気だというのが伝わってきました。


個人的には、みんな幸せになって欲しいと思います。
誰も不幸なまま終わって欲しくない。

こんなこと言うと笑われるかもしれませんが、ちょっと泣きそうになった部分もありました。
俗的な部分も大きいので、読んでください!とは言えないけど。
自分が追いかけてる作品の中でも異端中の異端ですね、この作品は。



最後に、この巻で一番心に残ったセリフ。



「積み重ねた偽りの数だけ・・・

 わたしの言葉は形を失って・・・
 
 空に溶けて・・・

 もう・・・二度と
 
 届かないんだ―――――」