まほろのおだいじ袋

~おだいじ袋から~ほんの少しずつ~取り出して~

「阿弥陀堂だより」

2021-08-15 | 映画(DVD)

2002年 「阿弥陀堂だより」

監督:小泉堯史

原作:芥川賞作家南木佳士の同名小説

パニック障害を患った妻の美智子を連れて

故郷の信州に移り住む夫の上田孝夫夫婦の再生の物語

かって大学病院の医師だった美智子(樋口可南子)は

無医村であったこの地で死者を祀る阿弥陀堂に暮らす

”おうめ婆さん”(北林谷栄)始め、

村の人々を診察するようになる。

 

医師として働く美智子をいつもやさしいまなざしで

支える上田孝夫(寺尾聡)は小説家だが、

10年前に新人賞を受賞したものの

本が出ない・売れない作家の端くれと孝夫は言っている。

 

医師美智子の歓迎会で花見百姓の話が出ると

「夢を追っている花見百姓と一緒に生活するのもいいかなって」

村人たちの前で応えたのだった。

医師の先輩である幸田重長(田村高廣)と

奥様のヨネ(香川京子)のお宅を

訪れた際

”有名になることはけしてよいことではありません”

”それは人間を高めはしない”

”創造の目的は評判でも成功でもありません”

”ついうかうかと皆の口の端に上がることなど

恥ずかしいことだと思いなさい”

 

重い病気で幾ばくも無い恩師からの言葉は

10年前に新人賞のお祝いに戴いたものであった。

四季折々の美しい信州

いつも二人は自然を楽しんでいる

 

”いつの間にか遠くを見るのを忘れていました”

”やさしさに触れたときなぜ涙を流すのだろう”

山に抱かれた大自然の中、散歩の途中で涙した

美智子のことば

孝夫が村の各家に届けている「広報誌」には

おうめ婆さんの”阿弥陀堂だより”が掲載されている

そのコラムの文章を

難病を患っている小百合(小西真奈美)が

取材して書いている。

若い小百合は入院することになった。

 

小百合の病室に見舞いに来た孝夫は

 

”日々の命の営みが時にあなたを欺いたとて”

”悲しみとまた憤りを抱いてはいけない”

”悲しい日には心を穏やかに保ちなさい”

”きっと再び喜びの日が訪れるからーーーーー”

 

う~んプーシキンはいいよねぇ

と言って

いつの間にか手に取って読んでいた孝夫は口にした。

ロシア近代文学の嚆矢とされる作家プーシキンの本を

パラパラと読んだ孝夫はベッドの脇机に戻した。

美智子医師らの徹夜の治療によって小百合の手術は

成功した。おうめ婆さんが喜んで涙した姿のあと

幸田重長宅へ

美智子が目にしたものは壁に掲げてあった額縁の

「自治三訣」

”人のお世話にならぬよう”

”人のお世話をするように”

”そして報いを求めぬよう”

優しいヨネと村人たちが見守る中、重長は…

おうめ婆さんのコラムより

目先のことなどとらわれるなと言われていますがーー

春になれば、ナス・インゲン・キュウリなど

次から次へと苗を植え、水をやりそういうことに

目先のことばかり考えていたから知らぬ間に

96歳になっていました。目先しかみえなかったので

よそ見をして心配事を増やさなかったのが長寿のーー

 

***

ご先祖様の霊に対して

供養と感謝を伝えるお盆

信州でもお盆になると亡くなった人たちが

阿弥陀堂にたくさんやってきます。

迎え火を焚いてお迎えし…

そして

今日は送り火…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「あの日のオルガン」

2021-08-13 | 映画(DVD)

2018年度作品 あの日のオルガン

戸田恵梨香、大原櫻子共演による戦争ドラマは

戦時中に園児を疎開させる保母さんの実話

太平洋戦争末期の1944年

戸越保育所の保母・板倉楓(戸田恵梨香さん)は

園児たちを空襲から守るため、

園児を疎開させるために、疎開先を模索していた

親たちは子どもを手放すことに反発していたが

20代を中心にした若手保母たちは53人の子供の命を

守るため埼玉県南埼玉郡平野村字高虫の

妙楽寺へ集団疎開を敢行した。

親と離れた3歳から6歳までの小さい子供たちは

寂しさのあまり保母さんたちの言うことを

聴けなかったり、ぐずったりしたが

やがて保母さんと一緒に

歌を歌ったりして笑い声も聞こえたりしてきた…

穏やかな日は長くは続かず、

東京大空襲で子供たちの家族が亡くなり、

日本中で空襲が始まると疎開先の村にも…

 

リーダー格の楓を演じる戸田さんが

発した重い言葉

『ずっと戦争と共に暮らしている…』と。

 

光枝役演じる大原さんの美声

終戦後にも残した

あの日のオルガンで歌った

♪ この道 ♪

優しい歌声に涙を誘われた…

***

8月15日が今年もやってきます。

幼い子供たちを必死で守り抜いた

若い保母さんたちの苦労した戦争日々を

この映画でもう一度

伝えていただきたい…

 

 

 

 

 

 

 

 


東京五輪が終わって

2021-08-10 | 日記

第33回夏季オリンピック東京大会は

17日間の日程を終えて令和3年8月8日閉幕した。

猛暑日の午後8時国立競技場で閉会式がスタートした。

205の国と地域ごとに「あいうえお」順で

入場した開会式と異なり、

先ず全選手団の旗と旗手が一斉に登場され

その後、選手達が順番はなく自由に入場された。

秋篠宮皇嗣殿下のご臨席

宝塚歌劇団のスターたちが「国歌斉唱」された

凛とした袴姿にテレビの前で思わず背筋を正しました。

朝札幌市で行われた男子マラソンの

メダル授賞式が行われた。

五輪の花形種目、世界中の人々が注目される中での表彰。

東京パラダイスオーケストラの皆さんの

迫力満点の演奏。

音楽やダンスが行われたステージの周りでは

各国の選手たちが一緒に楽しんでいる様子が

映し出された。

五輪旗の引き継ぎ

小池都知事が和服姿で登壇

水色の着物に黄金色の帯

無観客ではあるが

会場全体の人々が日本の美を感じられたのでは。

盛夏の定番の礼装と言ったら絽でしょうか

しかし絽は透けた感じがあって見た目は涼しそうですが…

やはり訪問着を装われて素晴しかった。

長時間大変暑かったことと思います…

五輪の旗はフランス・パリのアンヌイダルコ市長へと

引き渡された…

 

 

 

 

 

大竹しのぶさんが子供さんたちと

「星巡りの歌」を熱唱

「月の光」が流れた後、

聖火台の球体の灯が消えた…

「ARIGATO」の文字が浮かんできた

IOCのバッハ会長は

五輪運動の発展に寄与したことをたたえる功労章で

最高の金章を

菅首相と小池都知事に特例で

授与すると発表されました。

 

***

 

今回の五輪は目に見えない

新型コロナウィルス

世界危機の中での

五輪ですね

それは

伝説となり

人類史に残る五輪となるでしょうね

平和の祭典として…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


東京五輪2020最後まで頑張って

2021-08-05 | 日記

去る7月23日第32回夏季オリンピック東京大会が

国立競技場で開会式を行われた。

新型コロナウィルス感染症により

一年延期の開催は史上初である。

開会式を行った国立競技場には

無観客で新型コロナ対策をし、

1964年以来57年振りの

2度目のオリンピックである。

お月様が綺麗だった夕べ

午後8時軽快な音楽と共に

国立競技場の電光掲示板に

オープニング映像が流れた。

花火の祝福 ドローンの地球

貴賓席の天皇陛下

IOCバッハ会長と大会組織委員会橋本会長

によるご挨拶

菅義偉首相、小池百合子都知事…

皆様マスク着装姿

コロナ感染で亡くなられた世界中の人々に

向けて黙とうがささげられた。

205の国・地域から約11,000人が入場行進

次々と会場は各国の選手で埋まり

華やかに嬉しそうに行進している姿に

胸が熱くなった…

これだけの選手団や関係者がいつの間に

日本に来られたのでしょうか驚きでした。

その裏では

『お・も・て・な・し』が

行われていたのでしょう

ここまで陰で支えてこられた

関係者の皆様は大変だったことと思います…

Misiaさんの「君が代」も最高でした。

いよいよ

待ちに待った聖火 トーチが届く

ランナーは誰

突然

TVの映像にアップに映し出されたのは

長嶋(名誉監督)さん、

王(ソフトバンク会長)さん、

松井秀喜(元ヤンキース)さんの3氏

もしも

有観客でしたら国立競技場全体からは

『ウォ!』とどよめきが響いた事

でしょう!

聖火リレーでトーチがともされ

一歩一歩前に進んでゆく長嶋さんに感動しました。

その長嶋さんを

右手で支えていたゴジラ松井さんも

素晴らしかった…

王さんの手にしたトーチは次のランナーに

そして

大阪なおみさんにより聖火台に点火された

聖火台は

『富士山と蓮の花』

まさに自国の開催にふさわしい

日本を象徴するデザイン

***

東京五輪の是非を巡って賛否が

飛び交いました今大会も

すでに競技日程が残り少なくなりました。

猛暑の中、各国の選手が4年に一度の舞台に

奮闘しています

無事に閉会式が行われますよう

お祈り致します…

 

 

 

 

 

 

 


ウナギご飯

2021-07-28 | 日記

毎日暑い日が続いております

今日は丑の日

土用の丑の日にはウナギを食べると

スタミナがついて夏バテしないと。

『丑の日』とは

日にちを十二支に割り当てた「丑」の

日のこと

土用の約18日間に巡ってくる丑の日を

『土用の丑の日』と言われます。

では

『土用』とは

五行に由来する暦の雑節である

1年の内不連続な4つの期間で

四立の直前約18日間ずつである。

『四立』とは

立夏・立秋・立冬・立春のこと

『五行』とは

春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を

割りあてている

残った土気は季節の変わり目に割り当てられ

これを土用と呼んだそうです…

(何事もこのような簡単な内容ではありませんので)

万物は木・火・土・金・水の5種類であると

古代中国から

五行思想を…

***

デパートの地下はもちろんのこと

スーパーには鰻、ウナギ、うなぎ。

お弁当もうな重もうな丼も肝吸いも

全部美味しい

しかし

何と言ってもウナギ屋さんの

出来立てが一番。

熱い火の前で焼くうなぎのタレの

香りが扇ぐうちわと

あの煙が…

,


夏の風物詩

2021-07-21 | 日記

 

耳から涼しさをもたらしてくれる風鈴

こどもの頃、風鈴を売りに歩いていたおじさんは

「ふうりん~ふうりん」とは何も発しなかった

チリンチリンの幾つものの風鈴の音だけが

家の中からも聞こえていた…

あの涼しげな音色が

しかし

今の時代

優しく吹く風には心地よいが

その音色が強い風や連続でとなると

ご近所さんに迷惑になっていることもあるらしい。

昭和の時代にはどこの家も縁側には

ガラスや陶器の素材で作られた風鈴が

吊るされていました…

***

音が出ないが

飾っているだけで見た目も涼しく、可愛い風鈴を

折り紙で作ってみました。

風鈴と金魚

 

朝顔の模様の入った短めの浴衣を着せてもらって

下駄をはいて

縁日で金魚すくいをした幼い頃

たった一匹を大切に持って帰った夏の思い出…

***

出来上がりはあまり上手ではないけど

昔を思い出しながら

折り紙を

折って最後に糸を通している間は

涼しいひと時になります…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


梶の葉

2021-07-13 | 日記

五節句の一つ『七夕の節句』も過ぎて

梅雨明けを待つ今日この頃

梅雨時期のご挨拶の書き出しには

「~~うっとうしい雨が…」

「~~しとしとと降り続き…」

「~~ジメジメとした毎日で…」

このような綴りであったように記憶していましたが

いまや、気候変動による異常気象で

雨の降り方が違う気がします。

いつ激変するか予測できない空模様に

昔からの情緒ある文言は使えなくなり

書き出し文にも悩むところです…。

日本は

自然に恵まれた国ではありますが

その分自然災害の国とも言えるかもしれません

さらに梅雨の候の結び文に

「夏の到来が待ち遠しい…」とも書きずらい

梅雨が明ければ

今度は

猛暑が待ち構えているので…

そして

その傾向は年々

高くなってきています。

梅雨の晴れ間の散歩道で

見つけた 梶の木

都会では見ることのない『梶の木』

七夕の季節には濃い緑の葉で

溢れています。

特別に気に留めるような木ではないようですが

「七夕」にちなんで

調べてみました。

「七夕」しちせきという読み方が

たなばたと読まれているのは

着物を織る(織姫)「棚機(たなばた)」の

読みを当てたためといわれているらしいです。

古には「七夕」に、梶の葉を使って

和歌(短歌)を書く習わしがあったようです。

私も試しに「大きな梶の葉」にマジックで

五七五七七の有名な和歌を書いてみました。

案外にじまずかけました。

古の歌人はどのようにかいたのでしょう…

今ではお子様たちも短冊に

願い事を書いていますが。

『梶の葉』を用いる理由として

同じ読み方である天の川を渡る船の

『舵』に見立てたもののようです。

『梶の葉』は七夕のお茶席でも

お飾りに使われておられます。

流派は裏千家でしょうか…

なんとも風流なお点前ですね。

因みに

私は【表千家】でも【裏千家】でもなく

【大日本茶道学会】です…

『梶の葉』は用いませんでしたが

機会がありましたら「七夕のお茶席に」

ご相伴させていただきたいです…

『梶』と『舵』

コロナ禍に舵の行方をいい方向へと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 


七夕に

2021-07-07 | 日記

織姫とひこ星が一年振りに

会える七夕なのに

あいにくの天気

青い竹

「笹の節句」ともいうのでしょうか

この短冊は合成したものです)

目に見えない敵

世界中を巻き込んで

今なお一向に収まらない

コロナウィルス

今日は七夕

七夕飾りに

この一文を

祈りをこめて…

 


葉が主役の季節

2021-07-01 | 日記

梅雨は葉が主役の季節

しっとりとした露に触れた

草木が目にも心にも優しい

***

きょうから7月

1年の後半に入りました

『彩り御膳』

コロナ禍という戦渦を

なんとしても

のりこえなければ

なりません。

食べることしか楽しみが…

『彩り御膳』を

美味しく戴きました…

 


花サボテン

2021-06-24 | 日記

夏至も先日すぎてこれからは

少しずつ日が短くなります

今年は、その変化を観察しながら

意識して生活してみようかとも…

今日は、ちょっといつもと違うコースで

散歩してみました。途中

丹精込められた花壇に色とりどりの花が

咲くお宅の庭をのぞき見していたところ

家の中から年配の女性が姿を見せ

手招きしてくださいました。

奥にあるプランターに咲かせた

ピンク色した「サボテンの花」を

見てくださいと。

サボテンと聞くとチクチクした棘を持つ

堅いイメージでしたので、

鮮やかなピンク色の美しい花の姿には

想像もつきませんでした。

何年もかけて今年初めて咲かせたと

とっても喜んでおられました。

「花サボテン」に出逢えて

こちらも

充分楽しませて戴きました。

辺りの紫陽花の大きさと数にも

決して負けない美しいお花でした…