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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

上島コーヒー

2017-01-09 10:50:28 | 日記

上島珈琲店といえば、UCC上島珈琲(神戸市)がチェーン展開を手掛けるカフェ。首都圏でもそこそこ見かける。

中国の町角でもよく「上島珈琲」を見かける。しかし看板にはUCCではなく「UCB」とある。屋号が「珈琲店」ではないところにも注意を払いたい。

店内も、カフェというよりはむしろゴージャスなファミレスといった雰囲気。内装のゴージャスさが価格にも反映されているのか、コーヒーフロートが38元(約650円)もする。

総菜屋の弁当が10元前後であることを考えると、普段使いする店ではなく特別な場所という位置づけなのかもしれない。

なおメニューの写真では、コーヒーフロートのアイスクリームはブラックコーヒーに浮かべられていたが、運ばれてきたグラスではアイスオーレに浮かべられていた。

コーヒー自体は可も無く不可も無くといった味わい。代金の精算は、レジに伝票を示して支払う仕組みになっていた。

求められた代金は39元。メニューでは38元だったから1元多い。いぶかりながらも言われるままに支払いを済ませたが、レシートには「紙ナプキン=1元」とあった。

たしかにテーブルでは、コーヒーフロートとともにポケットティッシュ状の紙ナプキンを手渡してくれた。紙ナプキンの備え付けがなかったこともあり、無料でのサービスと解釈していたのだが。

なお「UBC・上島珈琲」は、UCC上島珈琲や上島珈琲店とは無関係。資本関係はなく提携もない。

すなわち全くの別物で、「偽物」といっていいレベルかもしれない。中国では、日本国内で温浴施設などを展開する「大江戸温泉物語」に酷似した施設が上海で開業し物議を醸しているところでもあり、気になる存在だ。

なおUCC上島珈琲は、コーヒー製品の製造・販売で中国に進出はしているものの、カフェの展開は小規模にとどまっている。


「きのこの山」と「たけのこの里」

2017-01-07 18:21:44 | 日記

ロングセラー菓子「きのこの山」「たけのこの里」を販売している明治。その会社が、それぞれの山と里を入れ替えた「きのこの里」「たけのこの山」の商標出願をしていたことがわかりました。新商品に向けた準備なのでしょうか? 明治に理由を聞きました。きのこの源流はアポロ?

「きのこの山」が発売されたのは1975年。当時、売れ行きがイマイチだった「アポロ」の工場設備を有効利用するための新商品として企画されました。チョコとクラッカーを組み合わせた可愛らしさが好評で、1979年にはクラッカーをクッキーに変えてタケノコをモチーフにした「たけのこの里」を発売。

この2つの商品はファンシーチョコスナックの分野を開拓し、今に至るまでロングセラー商品として人気を保っています。ネット上では「きのこ派」「たけのこ派」に分かれて、「こっちの方がおいしい」と論争になることがしばしばあります。

また、1987年には「すぎのこ村」を発売。さくさくビスケットに、クラッシュアーモンドとミルクチョコをコーティングした「杉の木」をイメージしたお菓子で、一時期は「きのこ」「たけのこ」「すぎのこ」として売り出されました。気になる回答は、これまで、いちごミルク味やキャラメル味など、フレーバーの異なる商品はあったものの、きのこは「山」、たけのこは「里」という名称は守られてきました。

ところが昨年12月、それぞれの山と里を入れ替えた「きのこの里」「たけのこの山」を明治が商標出願していたことが判明。この情報がネット上に流れると、「領土紛争が勃発か?」「電撃和解では?」といった推測が出ました。

この点について明治広報部に聞いたところ、こんな回答が返ってきました。「12月に商標登録の出願をしたのは事実ですが、まだ登録はされていません。出願した理由は、現在発売している商品を守る意味も含め、類似品が出ないようにするためです」

気になる新商品「きのこの里」「たけのこの山」については、「現時点では検討していません」とのことでした。

 

 


かに道楽和解

2017-01-06 09:15:43 | 日記

カニ料理専門店を経営する「かに道楽」(大阪市中央区)が、同名のかまぼこを販売され損害を受けたとして、練り製品製造販売「ヤマサちくわ」(愛知県豊橋市)に商標の使用差し止めを求めた訴訟が4日までに、大阪地裁(森崎英二裁判長)で和解した。

ヤマサちくわが今後、同名商品を販売しないとの内容で、昨年12月22日付。訴状によると、かに道楽は昭和47(1972)年に名称の商標登録を申請、58年に登録された。同社は「かに道楽も同名の商品を販売しており、消費者が混同する」と訴え、過去3年分の賠償額として45万円を請求した。

ヤマサちくわは創業約190年の老舗。昭和45年から「かに道楽」と称したカニが入ったかまぼこを販売しており、商標の使用権があると反論。「販売先の岐阜、静岡、愛知で、かに道楽側の商品は見たことがなく、競争関係にない」と主張していた。


長官念頭の挨拶

2017-01-05 09:42:01 | 日記

平成29年(2017年)の新春を迎え、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

過去4年間のアベノミクスにより、国民総所得は44兆円近く増加し、企業の経常利益は過去最高水準を記録しました。まだ道半ばですが、アベノミクスは、順調に結果を出してきました。そのエンジンを一層加速するためには、あらゆる政策を総動員し、「未来への投資」を加速していかねばなりません。日本再興戦略2016には、「第4次産業革命等を勝ち抜く知財・標準化戦略の推進」が掲げられました。技術革新を産業や社会生活の変革につなげ、未来への投資を推し進める上で、知財制度はますます重要な役割を担います。特許庁は、以下にご紹介させていただく三つの重点政策課題を中心に、我が国知財制度の更なる充実に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。

第一に、第四次産業革命を視野に入れた、新しい知財システムの構築に取り組みます。IoT、人工知能(AI)が普及する第四次産業革命では、多くのモノがインターネットに接続され、そして、コンピュータの処理・貯蔵能力の向上が相まって、利活用可能なデータが大きく増加します。そうしたデータやその分析技術、データを活用したビジネスモデルは、重要な知財として、多くの企業の競争力の源泉となるほか、経済社会にイノベーションをもたらすことが期待されております。特許庁では、昨年10月、関係部局との連携の下、産学の有識者で構成する「第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会」を設置しました。

「データや関連技術に関する設備・研究開発投資を進めるため、それらの知財の適切な保護・活用を図る環境を整備してほしい」とする産業界のご意見を受け止め、新たな産業構造に対応する形で、標準、知財及びデータに係る制度や運用を再構築することを目指し、本年度末の中間とりまとめに向け、特許庁等の総力を挙げて、検討を進めてまいります。

第二に、グローバル化に対応した知財システムの確立に取り組みます。 企業の事業活動のグローバル化が進展する中、足下では、海外への特許出願が増加し、我が国を含む複数の国での特許取得を目指す企業からは、できるだけ迅速かつ効率的に権利化を実現したいというご要望が寄せられています。


また、新興国で事業を展開する企業からは、進出先国での知財活動に支障が生ずることのないよう、それらの国において、適切な知財制度が確立され、しっかり運用されるよう、特許庁に汗をかいてほしいというご要望も寄せられています。
特許庁では、そうした産業界の声を踏まえ、米欧中韓など、主要国との間で制度や運用の調和を進めるとともに、我が国の審査結果を有効に活用し、審査を効率的に進めていただく、「特許審査ハイウェイ(PPH)」の拡大に取り組んできました。同時に、新興国に対し職員を派遣する、あるいは、現地から関係職員を研修生として受け入れる形で、それらの国における適切な制度や運用の確保に向け、協力を行ってきました。私自身、去る10月にジュネーブで開催されたWIPO総会の際には、8つの非公式会合と20の二国間会合に参加し、先進国、新興国、途上国それぞれと議論を行ってまいりました。
特許庁としては、今後とも、グローバルに活動する我が国企業の知財活動を支援する、ワールドワイドな環境整備を推進してまいります。

第三に、地域・中小企業の知財活動の支援に取り組みます。
安倍内閣の成長戦略では、中小企業の生産性向上や地方創生が喫緊の政策課題となっています。このため、特許庁では、地域・中小企業の支援の面でも、しっかりと役割を果たすこととし、昨年9月、産業構造審議会での議論を経て、支援の基本指針となる「地域知財活性化行動計画」を取りまとめ、公表しました。
この計画では、47都道府県に、特許庁が設置する「知財総合支援窓口」と、中小企業庁が設置する「よろず支援拠点」が連携し、全国各地の中小企業に寄り添った形で、知財の取得、活用、保護といった各ステージに応じた、きめ細かい支援を行うこととしました。
実際の支援に当たっては、各地域の実情を踏まえ、都道府県ごとに「成果目標」(KPI)を設定した上で、毎年度、進捗状況を点検し、政策対応の見直し・充実につなげていくという、PDCAサイクルを確立します。また、その過程では、先駆的な取組事例の共有を図りながら、全国の津々浦々まで知財活動を普及し、もって、我が国の成長力強化や地方創生に貢献してまいります。
また、地方創生に関しては、政府の「まち・ひと・しごと創生本部」において、(独)工業所有権情報・研修館(INPIT(インピット))の近畿統括拠点(仮称)を、来年度、大阪市内に設置することが、決定されました。現在、開所に向け、具体的な検討を行っているところですが、近畿統括拠点には、専門家によるライセンシングやオープン&クローズ戦略、海外展開に関する指導・助言、弁理士会、よろず支援拠点、金融機関や大学等へのつなぎのほか、特許庁本体が行う出張面接審査やテレビ面接審査の場とすることを含め、知財活動に対する総合的な支援機能を担わせることとします。

世界は、スピードを上げて変革しており、我が国でも経済・産業・社会のイノベーションが不可避となっています。その中で、発明や知財の重要性は一層高まっています。知財行政に今後とも御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げますとともに、皆様の益々の御健勝と御発展を心からお祈り申し上げまして、私の新年の御挨拶とさせていただきます。

平成29年(2017年) 元旦
特許庁長官 小宮 義則

[更新日 2017年1月4日]


日本産ロゴ(和牛)

2017-01-04 09:12:18 | 日記

日本産和牛の海外での認知度を高めようと、中央畜産会は、海外で販売する牛肉に貼り付ける新たなロゴマークを作った。現行のデザインと比べ、「JAPAN」と大きく表記した。日本産であることを強調し、オーストラリア産「WAGYU」などと混同されるのを避ける狙いがある。1月から各国で商標登録申請を始める。

現行のロゴマークは欧米やアジアを中心に、42カ国で使用している。流通事業者らが売り場に並ぶ牛肉や商品証明書などに貼り付け、PRに役立てる。今後は新たなロゴマークと、現行の物を併用して販促に力を入れる方針だ。

新たなロゴマークを作成したのは、現行のデザインにある「WAGYU」の文字がWAGYUとして販売しているオーストラリア産牛肉との混同を招くと政府・与党から指摘されたのがきっかけ。日本産和牛の知名度がいまひとつの国もあり、対策が求められていた。

新たなロゴマークでは、日本産であることを強調。中央畜産会は「英語の『WAGYU』表記はなくても、漢字の『和牛』はデザインに残る。日本のブランドをPRできる」と期待する。

農水省によると、2015年の牛肉輸出額は110億円と、畜産物で最も多い。16年は、これを上回るペースで増えている。同省は「新たなロゴマークを、オールジャパンでの販売体制の強化に生かしたい」(食肉鶏卵課)と意気込む。