梅雨の合間を縫って『ラベンダーフェア』が開かれている岩手町の【石神の丘美術館】へ出かけた。
彼の『北の国から』の地のラベンダー園の規模とは比ぶべくもないが、爽やかな風にのって届けられる甘い癒しの香りを楽しめる。
満開まであと少し。一瞬だけ流れる空気が青紫色に変化した。
300円払えば決められた容器を使って摘み取り体験ができる。
50本程度は摘み取れるという説明を受けたが、私の成果は110本。
もっといけそうな気がしたが遠慮しておいた。
ポプリにしてクッションや枕にしのばせると、その安眠効果はお昼寝のお供に最適だ。
石神の丘美術館は野外彫刻美術館。
小高い丘をハイキング気分で巡りながら、国内外の彫刻家たちの50数点の作品を鑑賞することが出来る。
濃緑の林の中に点在している作品たち。
ミュージアムのなかで冷たい質感でひっそりと佇む彫刻もよいが、岩手山、姫神山の美しい姿を眺めながら、大自然と融合した作品を自由に堪能することができるのは嬉しい。
国道4号線沿いの道の駅に隣接しているので、近年は観光客の数も増えてきた。
この日はなぜか、あちこちに夫の知り合いがいて落ち着かない気分だった。
この丘の長い急勾配の坂を、息切れしながら舅や姑の車椅子を押してよく散歩にきたものだ。
そのせいか、私の夢に出てくる舅や姑はいつも車椅子に乗っている。
そしていつもニコニコと笑っている。
介護に関しては常に後悔と反省がつきまとう私。
たとえ夢とは知りながらも、二人が穏やかな笑顔でいていくれるとホッと胸をなで下ろすのだが........
「おい、今朝の夢に婆さんが出てきた。
おまえのことをいろいろと文句をつけていたぞ!」
と夫に言われてドキッとさせられた。
やだぁ~! やっぱり爺爺と婆婆の本音は......
私の夢にではなく夫の夢を借りて出てくるのね。