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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

北上川舟下り

2008-04-23 11:29:58 | Weblog
           

 数日来の春の陽気で、当地の桜は一気に満開。
「日本のさくら名所100選」に選ばれている北上市展勝地公園にお花見に出かけました。
ここはソメイヨシノやベニヤマザクラなど約1万本の桜が咲き誇っています。
特に北上川沿い約2kmにわたる桜並木が美しく、頭上を覆い尽くす桜のトンネルが圧巻でした。

 はらはらと桜吹雪が舞い散る中を、遊覧船に乗って川下りをしました。
両岸から架けられた3百本の鯉のぼりが、風を孕んで元気に泳いでいました。
川岸の柳の木も新芽が顔を出し始め、そよそよと風に揺れています。

   やはらかに柳あをめる
   北上(きたかみ)の岸辺目に見ゆ
   泣けとごとくに         (石川啄木)

 中学校の国語の時間に初めて啄木の短歌と出会いました。
当時の私の鑑賞眼では
「ふ~ん、啄木って柳を見ても泣きたくなるほど感傷的な青年だったのね。」
との感想しか持てませんでした。
しかし啄木の生地に住み着き、文学や人となりをいくらかなりとも知り得た現在。
生活に困窮し借金を重ね、親戚や知人たちからも愛想を尽かされ
『石を持て追わるるごとくふるさとをいでし悲しみ忘ることなし 』
二度とこの地に戻ることのなかった啄木の出郷の心境が、やっと理解出来るようになりました。

 石川啄木は26歳で夭折しました。
我が家に長男が誕生した時、孫のことになると馬鹿っぷりを発揮した婆婆から
「嫁子さん、この子の美しくて利発な顔立ちは石川啄木にそっくりです!
早死にされては大変だから、気をつけて大切に育ててくださいよ」
との厳重注意を受けました。
とりたてて美しくも利発でもなく育った長男は、今秋晴れて啄木の年齢を追い越します。 .....ああ、よかったね!.....

 当地のI銀行には『宮沢賢治』『石川啄木』という二つの新型定期預金があるそうです。
ローカル色に溢れたネーミングがとてもユニークで面白い。
賢治先生の定期預金は確実に増えていきそうな気がします。
しかし石川啄木の方はどうでしょうか?
なんだか気がつけば無くなっているような........??