blog-cafe

マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

夫の苦悩

2009-04-08 09:30:00 | 家族・友人
 ここ数日来夫の顔色が冴えない。
自室でこそこそ電話をしたり、じっと預金通帳をながめては深いため息をついている。
これは女とのトラブルだ........すぐピンときた私。

私 「その女、いくつなのよ?」
夫 「......30とちょっと。」
私 「いったいどうするつもりなのよ!」
夫 「ふたりの子どもを抱えて苦労しているんだ。つい同情して......」

 二ヶ月前に彼女の存在を知ってから、心中穏やかではなかった私。
いつか泥沼の関係になるだろうとの予感が残念ながら的中した。
ここは毅然とした態度で引導を渡すことが肝心だ。

夫 「彼女が予定外の行動に出た。参った。助けてくれないか?」
私 「いやよ!早く女を追い出してよ!」
夫 「もう少し、もう少しだけ時間が欲しい。
   頼む!一度だけ彼女と話をしてくれ!」
私 「自業自得ね。あなたの問題に関わり合いにはなりたくないわ!」
夫 「オレひとりの問題か?おまえの問題でもあるだろう?」
私 「............」

             ※
             ※
             ※ 
             ※
             ※
             ※

 彼女の名は.....たな子。
ちょっと変わった名前だが漢字で書くと......店子。
そして夫の名は.....大家。 これは大家VS店子の物語。

 誰も住む者がいなくなった夫の実家を貸家にして、我らは生まれて初めて大家になった。→【我ら大家
苦しい年金生活に、いくばくかの現金収入が入るのはありがたい。
しかし契約時に不動産屋を通して前家賃は受け取ったものの、既に一ヶ月が過ぎたのに第一回目の家賃が振り込まれていない。
実は夫婦で大論争の末、家賃は夫の小遣いとなることに決定.......というか夫に無理矢理押し切られ、すっかり当てが外れた私。
ならばと、大家としての全権は一切夫に委任した。
しかし家賃が入らないことは、夫にとっても死活問題。
私の協力を拒まれた夫は、慣れない交渉にうろたえている。

 始めから、なにかいやな予感はあったのだが、まさかこんなに早く深刻な状態になろうとは.........。
友人たちの忠告、妹たちの心配が的中した。 
金銭のトラブルだけは避けて慎ましく暮らしてきた我ら、こんな時どうしたらよいのか全く分からない。
催促の電話1本かけるのですら夫は悩みに悩みぬき
「すみませ~ん。すぐ振り込みま~す!」
誠意なき返事にも一縷の望みを託すが、いくら待っても入金されない。

 この先ずっとこんな調子で悩まされるのかと嘆く夫に
「ここを乗り越えないと一人前の大家にはなれないわよ。
  心を鬼にして頑張るのよ!
と発破ををかける私。
なんとも前途多難な貸家業だ。


          

           ♪マーリーは悩みがなくていいな♪





チョンボ!

2009-01-12 11:30:00 | 家族・友人
 

          

 夫の中学時代の同級生M嬢とK君と我ら夫婦の4人
新春麻雀大会』と相成った。
記録魔の私がつけている麻雀ノートを調べたら、昨年は2回しかやっていない。
もちろん2回とも私の優勝である。
ワタクシ、小学校の頃から父と兄を相手に打っていたからとても強い。

 最近は麻雀人口が減っているという印象があるが実はそうでもないらしく、アーケードゲームやオンラインの麻雀ゲームは大変な人気らしい。
しかしゲームで麻雀を楽しんでいる世代は、本格的・実践的麻雀は出来ない。
コンピュータが全部やってくれるから、牌を積んだり得点計算をしたり役の名前などを覚える必要がないし、仲間同士の顔色やその場の微妙な雰囲気を読むという麻雀特有の醍醐味を知る機会がないのだ。

 さて昨年末から我が雀友たちからは
「早く!早くやるべ!」
とせっつかれていたが、雀荘nihao荘のホステスとしてはそう簡単に事は運ばない。
食事や飲み物の準備があるし、掃除をして環境も整えなければならないし、なによりも長時間彼らにつき合うためには体調をベストに持っていかなければならない。
すぐ疲れて眠くなる私に比べて、彼らは信じられないほどタフでたまげる。

 この日は朝8時半から開始したが、いくら年金生活者とはいえこんな時間からチーだのポンだのと浮かれていてよいものだろうか?
しかも私が彼らに抱いていた不安が見事に的中した.........

 開始早々、高らかにリーチ宣言をしたK君。チョンボだ!
その後、M嬢も夫も勘違いはなはだしくチョンボを繰り返す。
チョンボなんて今まで誰もしたことなかったのに、還暦を迎えた途端に悪戦苦闘のシルバー麻雀。
みんな40年以上のキャリアがあるというのにボケがひどい!
上がり方にもとても苦労している。
夫などは、絶対に初心者しかやらないミス(牌が多くなったり少なくなったり)を何度もやって失笑を買い、自分でも首を傾げていた。
ありえないミスの連発で、全員が老化を実感した貴重な一日だった。
「もっと頻繁に集まってやらなければならない!」
とは私以外の全員の見解だが、それは勘弁してほしい。

 私? 私は彼らより若いからまだ大丈夫!
アラカン(Around 還暦のことよ)にしてみれば、1歳2歳の年齢の差は10年・20年の違いに相当するみたい。
もたもたしている彼らを尻目に、次々と華麗な技を繰り出して......
大もうけさせていただいた。


私をスキーに連れてくな!

2009-01-07 11:30:00 | 家族・友人
 「おい!今日網張はシルバーディだ。スキーに行くぞ!」
と朝からはりきっている夫。
「待った......私はシルバーではない!割引はきかない!」
「馬鹿!お前は立派なシルバーだ!」

 「シルバーだ!」「シルバーではない!」
ひとしきり不毛な論争をしなければ次の行動に移れないのが、我らの最大の欠点だが、こと年齢に関してはつい敏感になる私。
「スキー場のシルバー料金は50からだ!」
なあ~んだ、早くそう言ってくれればいいのに......

 北海道育ちの私は小・中・高の12年間、冬の体育は全部スキーだった(授業なので仕方ない)
北海道を出てからも、冬場は新潟・長野のスキー場に通い詰めた(誘われたら断れなくて)
子育て中は、特に熱心にスキー教育をした(子どものために無理をして)

 半世紀にわたるいやいやスキー人生にやっとピリオドを打てると思っていたのに、夫につき合ってまた始めることになるとは......。
しかしキャリアだけは若者に負けてはいない!
読者各位には以下、【上村愛子嬢】の華麗なフォームをnihaoのイメージと重ねて読んでいただければこの上なく幸せである。





 まだ冬休み中だというのにかくも閑散としたスキー場。
ひと昔前ならリフト乗り場もゲレンデも芋の子を洗うような大混雑だったが、最近のスキー離れは、雪国にとっては深刻な問題だ。
スキーウェアの様変わりにも目を瞠る。
昔は派手な原色のスリムウェアが主流だったが、最近は地味でゆったりとしたスノーボーダーファッションが主流。
ゲレンデから華やかさがすっかり消えてしまった。




 左が私のスキーウェア。今時これはないだろうという代物。
今回は右の方の娘のウェアを拝借したが、でかすぎて足下がだぶついて全くサマにならない。
黒い雪だるまが転がっているように見えたのではないだろうか?

 シルバーディは一日券が1700円だが、250円のリフト1回券を3枚ずつ買った。
割引の恩恵を受けることは出来なかったがこれで充分だ。
案の定夫は2本滑走した段階でもう息も絶え絶え。
AEDが作動すると大変なことになるので、最後は休みながらゆっくりと滑って終了。
もう少し滑りたいというところで止めるのが高齢者スキーマニュアルだ。

 今朝も夫はスキーに行きたくて朝からソワソワとしていた。
昨夜からヒラメ貼りで筋肉痛に耐えている私。
「一人で行って!」
と言い放ったら本当に一人で出かけてしまった。
奴はどうしてあんなに元気なのだろう?



ありゃま記念

2008-12-29 14:10:05 | 家族・友人
 夫と娘と婿殿の3人が岩手山麓の網張スキー場に出かけた。
全員久しぶりのスキーなので嬉しそうに道具を揃えていた。
今日の岩手山はご機嫌もよさそう。

        

 
 夫は胸部にAED(自動体外式除細動器)を埋め込んでいる。
これはもし心臓がけいれんし機能を失った状態になった場合、電気ショックを与えて正常に戻すための医療機器だ。
もちろん激しい運動は禁止されている。
しかし先日、同じようにAEDを埋め込んでいる仕事仲間がスキーを楽しんでいるという話を聞き、無理のないところでまたやってみようと思ったみたい。
いつまでも健康面に神経質になって運動不足になるよりは、一歩前進した体調管理が必要な時期がきたのかもしれない。

 もし夫の今日の結果がよかったら、これからはスキー同伴しなければならないだろう。
流行遅れできつくなったスキーウェアを眺めていたらため息が出た。

 ところで『有馬記念』は予想外の高額配当でありゃま記念となった。
私も今まで年度末の有馬記念だけは必ず参加していたのだけれど、今年は夫が勤務に就いていたので出来なかった。
ひとりで行って馬券を買ってきてあげようかなとも思ったのだが、競馬場までの道路は曲がりくねった山道の上にアイスバーン.......やめた、やめた!

 実は、昨日の朝方母の夢を見た。
古びた生家の居間の石炭ストーブを囲んで談笑しているという素敵な夢。
私は父母や義父母の夢を見たときは、一攫千金のお告げと信じて必ず宝くじか馬券を買うようにしている。
当たったことはまだないが、いつかは当たると信じている。

 母と言えば.......連想される数字は(身内ネタだが8が重なるという名前)
8枠が絶対買いだと思った。
一日中迷っていたが結局買いに行かなかった。
そして幻の馬券を握りしめてテレビ観戦。
結果は、8枠の馬2頭が1・2着で入ってきて
8ー8の枠連で18,640円、馬連だと29,490円。
しまった。儲けそこなった!
あ~あ、思いっきりたくさんタラバガニを買って、婿殿に食べさせてあげられたのになあ.......。

 「逃がした魚は大きい」し、「買い損なった馬券は大穴」って本当だ。
 

 ※ 本年最後の記事となります。
  みなさま、よいお年をお迎え下さい。
  

 

未来への手紙

2008-10-20 10:00:05 | 家族・友人
 NHK『みんなのうた』で流れていた、アンジェラ・アキさんの『手紙 ~拝啓十五の君へ~』が最近ちょっと気になっている。
日本郵政グループも目をつけたらしくCM に使っている。
今年度のNHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲だというから、今年はきっとあちこちの中学校の音楽室から、この曲を合唱する生徒たちの声が聞こえていたことだろう。

 この歌は十五歳の私が未来の私に宛てて書く手紙。
  ♪ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて
      苦しい中で今を生きている♪ 
と十五の私が思春期の悩み多き状況を綴れば
  ♪大人の僕も傷ついて眠れない夜はあるけれど
      苦くて甘い今を生きている
未来の私は、人生の全てに意味があるから懸命に生きよとエールを送る。
みずみずしい感性、前向きなメッセージが胸を打つ。

 アンジェラ・アキさんは、思春期の苦悩は、時の流れの中で自力解決していく強さが必要なのだと言っているのだろう。
おそらくどんな親や教師のよりも説得力のある言葉だと思う。

 ところで『手紙 ~拝啓十五の君へ~』をYou Tubeで聴いてみた。
最近のYou Tubeの画像や音質はかなり良くなっていて、これではあえてCDを買い求めなくてもいいかなと思ってしまう。

 アーティストの端くれを自認する娘からは、常々、著作権法に違反しているのだからYou Tubeで音楽を聴いてはいけない、音楽はCDを買って聴くようにと厳しく言われている。
これだけ流出していたら取り締まる方も無理な話だと思うし、倫理観の欠如している私は、いくら娘の説明を聞いてもなぜいけないのかが理解出来ない。

 ......すると息子が大変わかりやすく説明してくれた。

 「お母さん、もし僕が泥棒をして手に入れた金を、これ盗んできた金だけれどあげるよと言ったら、それでもお母さんは平気で貰おうとする?」

 親の金なら平気でむしり取る息子の説明にしてはよく出来ている。
この具体的な説明で、私のもやもやがやっとスッキリした。

 それにしても息子よ!
盗んだ金はいらないが、一生懸命働いて得たあんたの金が欲しい。
少しこちらにも回してくれないだろうか?



大腸癌狂想曲

2008-09-21 11:10:03 | 家族・友人
 昨日早朝、無事北海道より帰宅した。
天候に恵まれ、広大な大地を吹き抜ける爽やかな風が心地よい旅だった。
夫は全行程を一人で運転したにもかかわらず疲労を全く感じさせず、今朝は元気よく仕事に出かけた。
 
 しかし実は出発前の数日間、夫の身体に異変が生じ慌てさせられた。
出血を伴う激しい下痢、シーツを広範囲に真っ赤に染めた下血。
メタボ記念日を忘れて美食したバチが当たったのかと反省したが......。
うろたえているところに『大腸癌の疑いあり』との、春の健康診断の結果が届いた。
びっくりしてすぐ病院に行き、翌々日の検査の予約を入れてきた。

 実は『大腸癌疑惑』のほとんどは癌ではないことが多いと聞いてはいたが、私たちには、職場の健診で大腸癌が発見され一年で亡くなった友人がいる。
夫は完全に癌患者モードに入ってしまって
ああ!俺は末期大腸癌だ!!
と頭を抱えてすっかり意気消沈、眠れぬ二日間を過ごした。

 私も、急性心筋梗塞で九死に一生を得た夫が、ここであっけなく癌で死んでいくのかと哀れで哀れでならなかった。
....ああ!やっぱり私は、若くして(?)未亡人になる運命だったのね....

 結果が出てから心配すればいいものを.......
北海道行きを早くも諦めた私たちは、旅装の準備は中止して入院の準備をし始めたが、検査の結果は『出血性大腸炎』だった。
服薬だけで完治する病気だった。

 癌疑惑が晴れた私たちはもうルンルン。
特に私の頭の中は、旭山動物園や久々の旧友たちとの出会いのことでいっぱいで、法事のために帰省するという目的を見失ってしまった。
出がけに夫から
「おい!香典袋や喪服は用意したか?」
と確認され......あら、いやだ!全く忘れていた。

 夫は左胸部にAED(埋込み型除細動器)を入れているので障害者手帳を交付されている。
郷里に着いて家族たちと顔を合わせたとたん、夫の体形が話題になった。
病後かなり痩せたのだが、また少しずつ形状記憶体形になりつつある。

 心配した兄嫁からのきつい一言。
「障害者でメタボは詐欺よ! 気をつけてくださいね!」
夫はまたまた元気がなくなってしまった。 



忘却とは.....

2008-09-10 11:00:06 | 家族・友人
 9月6日の朝のことである。
「今日が俺の三回忌だったかもしれなかったなあ.......」
としみじみと呟いて仕事に出かけた夫。

 しまった! すっかり忘れていた。
最近の元気な様子からは全く想像もできないことだが、二年前のこの日、夫は急性心筋梗塞で心停止して、いったんはあの世に片足をかけたのだった。

 医師からもほぼ絶望的と言われ、家族や親戚たちは喪服を準備して、遠くから慌てて駆けつけてきた。
しかし10日間の昏睡状態から目覚めた夫はみごとに我々の予想を裏切った。

奇跡の再来だ!

 病院中に驚愕と歓喜の声が走ったのはもちろんである。
その後、手術や検査中に3度も心停止したが無事乗り越えて現在に至っている。
奇跡というよりは、夫の強運と高度先進医療のおかげであろう。
当時私は姑の介護の真っ最中だったが、夫の三ヶ月の入院も重なってかなり心労が絶えない日々だったのである

 ところで夫の言葉で記念日を思い出した私は、その夜夫の帰宅を待って外出し、豪勢な食事を囲むことになったが、お腹いっぱいになってから......はたと思い出した。

 私たちは終生9月6日の悲劇を忘れないために、この日をメタボリック記念日と名付けていた。
そして徹底的な抗メタボリックメニューの食卓で、家族の健康を考える日にしようと誓っていた筈だったのに........。

     トンカツや 天ぷら 焼き肉食いたいが 
        9月6日はメタボ記念日      (by nihao)

 メタボリック症候群も気がかりだが健忘症の方も心配である。


 
 【お知らせ】
法事で実家に帰るため、しばらく記事の更新を休みます。
北海道では、今回はなんとしても旭山動物園に行ってきます!
ではまた後日。



O嬢の【ダイエット】物語

2008-05-04 10:45:03 | 家族・友人
 連休で帰省中の息子の様子がなにやらヘンです。
特製の手料理を用意しても「いらない!」と言ってはねつけるし、無理矢理食べさせようとするとほとんど残す。
....どこか体調でも悪いのかしら?失恋でもしたのかしら?....
いいえ、どうやらダイエット中でした。

 数年前までは私よりも体重の少なかったスリムな息子も、年齢とともにぜい肉がつき始め、いよいよダイエットを決心したようです。
大好物の『鳥の唐揚げ』を我慢している息子を見ているうちに、私は突然、友人O嬢のことを思い出し話して聞かせてあげました。

 O嬢は私より2歳年上です。
夏はテニスを楽しみ、スキーはプロ級の腕前。
スタイルは抜群で、おしゃれにもライフスタイルにも独特のこだわりを持っている素敵な女性です。
ある日、彼女を我が家の食事に招待しました。

O嬢 「ゴメンナサイ。私、食事のご招待は苦手なの。」
私  「はあ~っ?どうして?」
O嬢 「だってせっかくご馳走を出していただいても残してしまうから.....。」
私  「小食なのは知っているわ!食べられる分だけ食べればいいのよ。」
O嬢 「いいえ、そうではなくって........」
 
 この後、彼女のダイエット法の告白が続きました。
その方法は.....彼女は食事は必ず三分の一残して捨てる主義だそうです。
捨てるくらいなら、あらかじめ量を少なくすればよいと思うのですが、そうではなく、きちんと一人前用意した量から三分の一の量を残して捨てるダイエットなのです。
残した料理を流しで気前よく捨てる瞬間に
「ああ、今日も自分の食欲に打ち勝った!」
という満足感と達成感が得られると言います。
食事のマナーに反しているという自覚は当然持っていますが、自分の主義は絶対に貫きたいので、だから外食やご招待が嫌いなのです。
この方法で1日3食×365日×40年以上続けているのですから、かなり強靱な禁欲的精神の持ち主です。

 いかに飽食の時代とはいえ、この間の闇に廃棄された食事量を考えると膨大な量になる筈で、飢えて苦しむ他国の人民たちのことを考えるとなんとも罪深いではありませんか。
しかしダイエットは、あくまでも個人の自由な発想と信念に基づいて実行するもので、あれこれ他人が口を挟むべきものではありません。
どんなダイエット法に関しても、それなりの出費とストイックな食欲と強固な意志が必要になります。
「もったいない!」という感覚と言葉もタブーです。
長年の食生活を犠牲にして獲得したスリムな彼女の体を目にすると、彼女の独特な美意識には感嘆せざるを得ません。

 O嬢は、息子の友人のお母さんです。
「へえ~、あのおばちゃんカッコイイな!
 ダイエットでは、もったいないはみっともないだ
 すごく参考になったよ、サンキュー!」




バカ釣り日誌

2008-05-02 09:17:47 | 家族・友人
 のっけからまことに恐縮ですが......
「お~い、うんこのうんって一体何だ?」
パソコンに向かっていた夫が大声で私を呼びました。 

 夫が読んでいたのはブログのコメント欄。
gooのブログでは、コメントにタイトルをつけないとタイトル欄が『Unknown』と表示されます。
ひょっとして奴は.......『Unknown』を.........???

 この夫、決して私を笑わせようとサービスしている訳ではありません。
大まじめでやらかすことが、いつもそこはかとなく馬鹿っぽいのです。
連休で帰省していた息子が
「素でここまで出来るオヤジはすごい!!」
と妙に感動しておりました。
あのスザンヌや『羞恥心』の三人組の基礎学力をもってしても、こんなふざけた読み方は絶対にしないでしょう。
ショックで引きつった私の顔は、なかなか元には戻りませんでした。

 
 さてなんとか気を取り直して......釜石方面に釣りに出かけました。
今季初の釣りなので私も仕方なくお供しました。
しかし大槌(おおつち)町の海岸は風が強く波も荒く、埠頭には誰も釣り人はいませんでした。
夫は海釣りの初心者で、まだ2度しか経験がありません。
準備の手際は悪いし、道具の使い方も不慣れだし、その上風向きも考えずに釣り糸を放るので、何度やっても釣り糸が岸壁に戻ってきます。
四度目でやっと自分のあやまちに気がついて場所を変えました。


                


 向こうに見える可愛い小さな島は『蓬莱島』。
NHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』のモデルとなった島です。
原作者の井上ひさしさんは釜石市に住んでいたことがあり、この島が『ひょっこりひょうたん島』のイメージに結びついたそうです。
子どもの頃、毎日楽しみにしていた番組でした。
夫が釣りをしている間に、埠頭の先端から島に上陸してみましたが、サンデー先生や生徒たち、ドン・ガバチョの姿はありませんでした。

 魚がお留守だったのか、技術が追いつかなかったのか?
夫は、お目当ての鰈(カレイ)を釣り上げることは出来ませんでした。
帰路、がらにもなくしおらしく
「ああ!オレはまだまだ釣りの基本が分かっていない。
道具の扱いには手こずるし、風の向きすら考えないし!
今日はちょっとバカだった。誰もいなかったのだけが幸いだ......。」
としきりに反省しておりました。

 『バカ釣り』から『釣りバカ』への道のりは、まだまだ険しく遙かです。



ばっけ研究会

2008-04-14 09:30:02 | 家族・友人
 M嬢から『ばっけ味噌』を頂戴しました。
当地では「蕗のとう」のことを「ばっけ」と言います。
既に里では、蕗のとうは蕗に向かってまっしぐらですが、M嬢の勤務する山のゴルフ場ではまだまだ旬。
仕事の合間に、せっせとばっけ採りをする彼女の姿が目に浮かびます。

 『ばっけ味噌』のレシピはさまざまですが、我が家では、粗みじんにした蕗のとうを油で炒め、砂糖と味噌を適当に入れて練り込むだけという簡単なものです。
ほろ苦さと春の香り満載の保存食で、ご飯にまぶして食べると格別です。

 それにしてもM嬢の『ばっけ味噌』はすごく美味しい。
私のレシピとは何か違う???
彼女が得意気に説明してくれたところによると....蕗のとうは3日間塩水であく抜きをする。花は捨てて(がく)の部分だけ刻んだものを、さらに一昼夜水に浸してあく抜きをしてから使う....という手の込んだものでした。
この方法で作ると、庶民の味の『ばっけ味噌』が、驚愕の料亭の味に変わります。

 実は数年前、私とM嬢は『ばっけ研究会』を結成しました。
山にも里にも群生していくらでも入手出来る、この魅力的なただ食材
もし上手に利用することが出来たなら、日々の食費はかなり浮きます。
それどころか、この先不透明な我が国の食糧事情。
「飢饉がきても食糧難になっても、私たちだけは生き延びようね!」
という身勝手な動機も、会の結成の原動力のひとつでした。

 毎日大量にばっけを集めては、研究に没頭した私たち。
天ぷら、汁物、佃煮はもとより、薹が立ってしまったばっけも採取し、その茎を茹でて、きんぴらや炒め物やピクルスにしました。
美味しいものもありましたが、そうでないものもありました。
しかしばっけは、何一つ捨てるところのない完全食材です!
そして10種類ほどのレシピを完成した私たち。
愛する人たちにも生き延びて欲しいとの願いを込めて、ファックスで兄弟や友人たちに教えてあげたのに........
誰からも、何の反応もありませんでした。

 以来幾度か春は過ぎ、世の中のもっと美味しいものに心奪われてきた私は、食料危機もばっけ研究会のこともすっかり忘れておりました。
「今でも毎日ばっけを食べているわよ!ばっけの茎は最高よ!」
というM嬢の言葉に驚き、彼女の無類の研究心と執着心には脱帽しました。



 写真は『ばっけ味噌パスタ』です。
茹で上がったパスタに、オリーブ油とM嬢特製のばっけ味噌を混ぜ合わせてみました。
お味は?
まあ....お好きなお方もいれば苦手なお方もいらっしゃるでしょう。
でもなにかのご参考になれば幸いです。