コリアニュース №522(2013.10.31)
AP通信前平壌支局長「北は驚くべき変化を遂げている」
2012年1月に西欧のマ スメディアとして初めて平壌に支局を開設したAP通 信の初代平壌支局長として1年10ヵ月すごし、今年の10月にソウル支局長となったジーン・リー氏が、東亜日報(10/31)に朝鮮の「観察記」を載せた。
以下その要旨。
昨年、軍部と労働党主催の非公開行事の現場取材を要請すると、意外にも当局の許可が下りた。
これは社会主義圏の特派員を除いて西欧のメディアとしては初めてであった。
金正恩第 1書記を何度も至近距離で見ることができた上に、危篤だと報道された金敬姫氏も公式の場で何度も見かけることができ、これは噂に依存する共和国関連報道の欠点を克明に示す事例ではないかと思う。
金正恩第1書記と李雪主夫人に対する共和国の人々の評判は良く、特に李雪 主夫人は女性たちにとってファッション・リーダーであり羨望の的である。
また、今年からは共和国全域で自転車に乗る女性たちをよく見かけるようになり、ライフ・スタイルにおいても変化が起きているようだ。
平壌の変化は携帯電話の普及において特に感じることができる。
今年1月から外国人たちは自分の携帯電話を持ち歩くことができるようになり、2月下旬からは3Gモバイル通信が許可された。
3Gモバイル・データ・サービスが可能な地域も拡張され ており、平壌だけではなく一部高速道路でも携帯電話でのインターネット検索はもちろん、共和国で写した 写真をすぐにアップロードできたり、外国でも平壌の様子をリアルタイムで見ることもできるようになった。
共和国の人々の中でも携帯電話の利用者が増え、迅速な情報連結に対する期待が高まっている。
さらに最近平壌に相次いでできたスーパーマーケットでは、バーコードの付いた商品が販売されている。
特に輸入品の変化は著しい。
ソウルでもなかなか見かけない米国産の炭酸飲料「ルートビール」やその他各種ヘアケア用輸入品を簡単に手に入れることができる。
輸入品の商店は平壌だけでなく地方の主要都市にもある。
輸入品の商店には、昨年までは日本のキャラクター・ブランドであるハ ロー・キティーの製品が多く見られたが、最近ではディズニー製品をよく見かけるようになった。
現在、南 朝鮮、米国、日本との交易は一般製品も含め事実上中断された状態であり、これらの製品はシンガポール、 中国、ベトナムなどから入って来ているようだ。
米国内の保守層の一部は、AP通信平壌支局が共和国の気に入るような報道ばかり行う「宣伝マン」だと非難するが、これは現場の重要性を知らないからだ。
私は共和国に対する報道の質と正確度を高めるのに貢献してきたと自負している。
私は共 和国当局内の取材員も確保しており、必要に応じて南朝鮮と共和国当局に対し同時に特定の事案に関する確認を要請し、他のメディアよりも正確に報道できるだろう。
(了)