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韓米軍当局が当初8月に予定されていた「フリーダムガーディアン」韓米合同軍事演習を行わないことにしたと、19日に公式発表した。

2018-06-20 | 米朝会談

韓米「フリーダムガーディアン」演習の実施を猶予…北朝鮮の非核化措置促す見込み

登録:2018-06-20 07:19 修正:2018-06-20 07:55

トランプ大統領、約束通り韓米軍事演習を先制的に中止  
韓国政府レベルの「乙支練習」の中断は未定 
非核化が順調に進めば、キーリゾルブ・トクスリ演習の中止も議論 
「対北朝鮮軍事対応が疎かになる」との懸念に
「韓米合同防衛への支障はない」 

 
サラ・サンダース・ハッカビー米ホワイトハウス報道官は今月18日、北朝鮮が善意をもって行動する限り、8月に予定された韓米合同軍事演習が中断されるだろうと発表した=ワシントン/聯合ニュース

 韓米軍当局が当初8月に予定されていた「フリーダムガーディアン」韓米合同軍事演習を行わないことにしたと、19日に公式発表した。ドナルド・トランプ米大統領が朝米首脳会談直後明らかにした対北朝鮮の約束に対する実務的後続措置だ。北朝鮮の非核化と朝鮮半島における平和体制の構築などを促す役割を果たすものと期待される。

 国防部は同日、記者団に送ったショートメールで、「韓米間の緊密な協力を経て、8月に実施を予定していた防御的性格のフリーダムガーディアン軍事演習のすべての計画活動を猶予することにした」と明らかにした。国防部はまた、「追加的な措置については、韓米が引き続き協議する予定」だとし、「後続の他の演習に対する決定は、まだ行われていない」と付け加えた。米国防部も同日、ダナ・ホワイト報道官名義で同じ内容の声明を発表した。

 国防部は過去、韓米合同軍事演習(または訓練)が中止された事例が1990年と1992年の2回あったと明らかにした。1990年には、南北高官級会談の開催と米軍の湾岸戦争への参戦で「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」練習の前身である「乙支フォーカスレンズ」演習を行っておらず、1992年には北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の核査察を受け入れたことを受け、韓米がチームスピリット演習を中止した。今回の韓米軍事演習の中止は1992年以来26年ぶりのことで、通算3回目だ。

 
今月19日、米陸軍の海外基地のうち最大規模とされる京畿道平沢市キャンプ・ハンフリーズにアパッチをはじめヘリコプターが係留している。韓米軍当局は今年8月に予定されていたフリーダムガーディアン演習を猶予すると発表した/聯合ニュース

 韓米はこれまで「北朝鮮侵略演習」という北朝鮮の反発にもかかわらず、「防衛目的の年次訓練」だとして合同練習を続けてきた。しかし、6・12朝米首脳会談を機に、朝鮮半島の平和と対話の流れに弾みがつき、軍事演習が水面下に沈むことになったのだ。チェ・ヒョンス国防部報道官は同日、メディア向けブリーフィングで、フリーダムガーディアン演習の中止理由について「朝米と南北対話の平和的な雰囲気を引き続き維持するのに寄与するための措置」だとし、「北朝鮮側でもこれに相応する措置があるものと期待している」と述べた。

 国防部は今回の合同演習の中止が一時的措置に終わるか、それとも永続的措置につながるかについては明らかにしなかった。これはトランプ大統領が韓米合同演習の中止を宣言し、「北朝鮮が善意で交渉に臨む限り」という条件を付けたのと関連し、余地を残したものと見られる。韓米合同演習を再開するかどうかを、北朝鮮の積極的な非核化に向けたテコに活用するという意味も含まれているものとみられる。

 現在、大規模の韓米合同演習には、今回実施が猶予されたフリーダムガーディアンの演習と共に、毎年2~3月に開かれる「キーリゾルブ」演習と「トクスリ」訓練などがある。フリーダムガーディアンとキーリゾルブは、シナリオに基づいた指揮所練習であり、トクスリ訓練は実際の兵力と装備が動く野外機動訓練だ。北朝鮮はこれまで、これら3大合同演習および訓練に激しく反発してきた。したがって、朝米間の非核化交渉が順調に進み合同演習の中止の拡大が協議されれば、これらの演習および訓練がその対象になる可能性が高い。

 北朝鮮はこのほかにも、各軍別に行われる合同演習、例えば、韓米合同空中機動演習の「マックスサンダー」と「ビジラントエース」などにも敏感な反応を示したことがある。特に、これらの演習にB-1B、B-52等戦略爆撃機やF-22ステルス戦闘機などが参加すれば、ほとんど例外なく「核戦争練習」だとして非難声明を発表した。また、海軍の合同海上訓練に米軍の空母や原子力潜水艦などが参加する場合は、激しい反応を示してきた。今後これらの演習は、北朝鮮を刺激しかねない米軍戦略兵器の展開を自制するなど、いわゆる「ローキー」(控えめなレベル)で行われる可能性が高い。国防部当局者は「朝鮮半島全域にわたる大規模な演習・訓練だけでなく、各軍別に、各大隊別に実施されることまで合わせると、韓米合同演習は数百にのぼる」とし、「これらをすべて検討の対象にし、どうするかを検討する計画」だと話した。

 トランプ大統領が韓米合同軍事演習を中止する意思を明らかにした後、両国では「対北朝鮮軍事対応態勢の不備」を懸念する声もあがった。これに対し、チェ・ヒョンス報道官は同日の定例ブリーフィングで「韓米の合同防衛に少しの支障もなく、両国が忠実に準備している」と述べた。また、国防部当局者は「具体的な内容を明らかにすることはできないが、訓練に空白がないよう合同参謀本部を中心に各軍で準備している」と話した。

 これまで韓米合同軍事演習であるフリーダムガーディアンは、戦争に備えた韓国軍レベルの演習である「乙支演習」と共同で進められてきた。政府は今回のフリーダムガーディアン演習の中止を機に、乙支演習も中止するかどうかについては「まだ決定されていない」という立場だ。大統領府関係者は同日、乙支演習を中止するかどうかについて「(可能性を)残している」と話した。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

カン長官はまた、8月初めにシンガポールで開かれるアセアン地域安保フォーラム(ARF)を契機に、リ・ヨンホ北朝鮮外相との会談を推進する意志も明らかにした。

2018-06-20 | 朝鮮:南北対話

カン・ギョンファ外交長官「ポンペオは北朝鮮と早い時期にまた会うと話した」

登録:2018-06-18 22:21 修正:2018-06-19 07:23
 
就任1周年記者会見…「年内に終戦宣言推進が目標」 
「北が実質的な非核化措置を取るまで対北朝鮮制裁を維持」 
8月シンガポールでリ・ヨンホ北朝鮮外相との会談を推進

 
カン・ギョンファ外交部長官が18日午前、ソウル市都染洞の外交部庁舎で就任1周年をむかえメディアブリーフィングをしている/聯合ニュース

 カン・ギョンファ外交部長官は、朝鮮戦争の終息を宣言する“終戦宣言”について「年内に推進することが政府の目的」とし「時期や形式は柔軟性を持って対処していこうと考える」と18日明らかにした。

 カン長官はこの日午前、ソウル市都染洞(トリョムドン)の外交部庁舎で就任1周年記者会見を行い、「(終戦問題と関連して)米国側と緊密に協議をしており、朝米首脳レベルでも議論になったと承知している」とし、このように述べた。彼女は「(朝米共同宣言で)板門店(パンムンジョム)宣言を再確認した。これを通じて米国側にも意志があることが確認された」として「中国も重要な役割を果たすことができるだろう」と付け加えた。これに先立って南北首脳は、4・27板門店宣言(3条3項)で「今年終戦を宣言」することで合意した。

 カン長官はこの日、今回の朝米首脳会談の意味に関しては「南北関係と朝米関係が好循環して、発展できる制度的枠組みが揃った」と指摘した。今後の朝米高位級交渉と関連しては、マイク・ポンペオ米国務長官から「早い時期に再び北朝鮮と対座する」という話をこの日の朝の電話で聞いたと紹介した。カン長官は「ポンペオ長官の意志は速度感をもって臨むということ」と伝えた。関心を集めたドナルド・トランプ米大統領と金正恩北朝鮮国務委員長との電話通話に関しては「まだ具体的に推進されているわけではない」という答をポンペオ長官から得た」と説明した。

 カン長官は、対北朝鮮制裁の解除時期については「北朝鮮が実質的な非核化の進展を、意味ある実質的な非核化措置を取るまでは制裁は維持しなければならないというのが私たちの立場」だとし「(制裁の再考時点と関連しては)米国と常に緊密に共助・共有していくだろう」と答えた。

 カン長官はまた、8月初めにシンガポールで開かれるアセアン地域安保フォーラム(ARF)を契機に、リ・ヨンホ北朝鮮外相との会談を推進する意志も明らかにした。彼女は「緊密に準備し、良い会談になるように努力する」と話した。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

南北統一バスケット大会は今回が4回目で、15年ぶりとなる。前回は2003年10月、平壌で開かれた。

2018-06-19 | 対話こそが歴史を開く

南北 7月平壌でバスケ大会開催=秋はソウルで

2018/06/18 21:37

【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮は18日、板門店の韓国側施設「平和の家」でスポーツ当局会談を開催し、1972年7月4日に南北共同声明が発表されたことを記念し、同日に合わせて平壌で南北統一バスケットボール大会を開催することで合意した。韓国文化体育観光部が発表した。秋にはソウルで大会を開催するという。

平和の家で開かれた南北スポーツ会談(文化体育観光部提供)=18日、板門店(聯合ニュース)
平和の家で開かれた南北スポーツ会談(文化体育観光部提供)=18日、板門店(聯合ニュース)

 平壌での大会には韓国側から男女の選手団が派遣される予定だ。

 韓国側の首席代表を務めた大韓体育会(韓国オリンピック委員会)の全忠烈(チョン・チュンリョル)事務総長は記者会見で、「試合は7月3~6日の間に開催することで合意し、具体的な日取りは決めていない」と明らかにした。また、「選手やスタッフ約50人に支援団など計100人規模の選手団を派遣する」と述べた。

 南北統一バスケット大会は今回が4回目で、15年ぶりとなる。前回は2003年10月、平壌で開かれた。

 また、南北は8月にインドネシアで開催されるアジア大会に合同で参加するための細部案についても合意した。開会式と閉会式に合同で入場し、名称はKOREA、略式表記はCORに、旗は朝鮮半島旗で、歌はアリランにすることにし、一部の競技で合同チームを結成して参加することにした。

 全氏は「アジア大会で使う朝鮮半島旗には独島を表記し、OCA(アジア・オリンピック評議会)に提出することを議論した」と述べた。

 アジア大会への合同参加は4月27日の南北首脳会談で署名された「板門店宣言」に含まれており、国際スポーツ大会で11回目の合同入場となる。

 南北は今後開催される国際試合にも共同で参加するなど、スポーツ交流を活性化することにした。

 今回のスポーツ当局会談は午前10時から午後6時まで行われた。

 韓国側は全氏をはじめ、統一部交流協力局社会文化交流課の金錫圭(キム・ソクキュ)課長、文化体育観光部体育局国際体育課のイ・ヘドン課長が出席。北朝鮮側は元吉宇(ウォン・ギルウ)体育省次官を団長とし、パク・チョンチョン体育省局長、ホン・シゴン祖国平和統一委員会部長が出席した。

kimchiboxs@yna.co.kr

 

         [速報]南北 アジア大会での合同入場で合意


良心的兵役拒否が公開討論の場に登場するのは、今回が初めてではない。しかし、この問題を解決できる最高裁判所や憲法裁判所、国会の敷居を超えたことはなかった。

2018-06-18 | 大韓民国

「兵役拒否」14年間無視した最高裁、7年間沈黙し続ける憲法裁を刺激できるか

登録:2018-06-18 05:55 修正:2018-06-18 07:10

最高裁全員合意体で議論される「良心的兵役拒否」 
憲法裁での2回の公開弁論・法改正を試みる 
いずれも憲法裁・国会などで挫折 
下級審の無罪判決は6月現在で89件 
「認めるべき」との世論、11年間で4倍に増加 
8月の最高裁判事の交代期が追い風になるかに注目

 
世界兵役拒否者の日の昨年5月15日、ソウル光化門広場で国際アムネスティが開いた記者会見で、兵役の拒否に処罰を受けたり裁判中である良心的兵役拒否者らが兵役拒否者に対する処罰の中止と代替服務制の導入を要求する街頭パフォーマンスをしている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 最高裁判所が17日、良心的兵役拒否事件を14年ぶりに全員合議体(全合)で議論する方針を決めると共に、8月末に公開弁論まで予告し、2004年に最高裁判所が下した結論が今回変わるかに注目が集まっている。

■最高裁判所に係留中の関連事件は200件超

 良心的兵役拒否が公開討論の場に登場するのは、今回が初めてではない。しかし、この問題を解決できる最高裁判所や憲法裁判所、国会の敷居を超えたことはなかった。

 最高裁判所は2004年7月に全員合議体で「良心の自由が国防の義務に優先することはできない」との判断を示し、昨年7月の関連事件の判決まで同じ態度を維持した。現在、最高裁判所に係留された関連事件(兵役法・予備軍法違反)は210件を超えたという。しかし、その間、良心的兵役拒否、下級審無罪判決は2007年の1件から、2015年に6件、2016年に7件、2017年に44件、2018年6月現在28件に増えた。国家人権委員会の国民人権意識調査によると、良心的兵役拒否を認めるべきという回答が2016年には46.1%で、2005年(10.2%)に比べて4倍近く増えた。最高裁判所が今回事件を全員合意体で議論することにしたのは、このように良心的兵役拒否に対する世論の視線が変わって代替服務制の導入を求める声が高まった状況を考慮したものとみられる。

 最高裁判所が前向きな態度を見せていることで、憲法裁判所の足取りにも拍車がかかるものと見られる。憲法裁は2010年と2015年に公開弁論を開き、入営・召集通知書を受けて正当な事由なしに応じない場合、3年以下の懲役刑に処することを定めている兵役法第88条が違憲かどうかを審理した。しかし、憲法裁は2004年に続き、2011年にも7対2の意見で兵役法第88条に合憲の決定を下した。「南北対峙の特有な安保状況、代替服務制度の導入時に発生する兵力資源の損失などを考慮すれば、判断を簡単に下すことはできない」との理由からだった。それ以降も該当条項に対する違憲法律提案や憲法訴願が相次いでいるが、憲法裁は7年間にわたり沈黙を守っている。法曹界では、今回の最高裁判所の判決が憲法裁の審理の“速度”に影響を与えるだろうと予想している。「最上級裁判所」のプライドをかけた争いになりうるとみているのだ。

 国会でも立法的解決案をめぐる議論が続いている。第20代国会でも、共に民主党所属のチョン・ヘチョル、・パク・ジュミン、イ・チョルヒ議員らが代替服務制の導入を柱とする兵役法改正案を発議した状態だ。

■最高裁判事の交代期迎え、“追い風”吹くか

 今回の事件の主要争点は、良心の自由を兵役法と予備役法が規定する入営・召集・訓練拒否の「正当な事由」として認定するかどうかだ。裁判官9人のうち6人以上が賛成しなければならない憲法裁判所と異なり、最高裁判事13人が多数決で決める全員合意体では7人が支持するかどうかがカギとなる。

 最高裁判所が公開弁論の時期を8月末に予告したのも、注目される部分だ。現在の裁判官のうちコ・ヨンハン、キム・シン、キム・チャンソク最高裁判事は8月2日に退任する。市民社会では「バッググラウンドと経験が多様な最高裁判事が任命され、社会的弱者や少数者を配慮する判決が出なければならない」と指摘する声が上がってきた。最近任命された最高裁判事らも人事聴聞会で「裁判所も解釈論に基づき、(良心的兵役拒否が入営拒否の)正当な事由に該当するかどうかをさらに積極的に考える必要がある」(チョ・ジェヨン最高裁判事)、「最高裁判所の全員合議体で論争を終わらせる必要がある」(パク・ジョンファ最高裁判事)」と答弁し、司法部の態度の変化を強調した。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「文在寅大統領が韓米合同演習に関する立場を明らかにしており、国家安全保障会議(NSC)はその立場に基づいて米国と緊密に協議するとの方針を決めた」

2018-06-17 | 米朝会談

大統領府「韓米合同軍事演習の中止、間もなく発表」…

朝米合意の後続措置を加速化

登録:2018-06-16 06:10 修正:2018-06-16 07:26

韓米、中止の方向で意見の一致見たもよう  
8月の乙支フリーダムガーディアンから有力  
来年のキーリゾルブはまだ不透明  

在韓米軍問題への拡散には警戒  
大統領府「同盟の問題…交渉の対象にならず」

 
(右から)チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長やソ・フン国家情報院長、ソン・ヨンム国防長官が今月15日午前、大統領府与民館で開かれた南北首脳会談の履行推進委員会全体会議に入場している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 大統領府が15日、乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)演習を含めた韓米合同演習の中止の可否を近日中に発表すると明らかにした。南北、朝米対話が行われる間、合同演習を中止するという発表がまもなく行われるものとみられる。

 大統領府関係者は同日、記者団に「(8月に予定された)乙支フリーダムガーディアン演習の調整問題はまだ決まっていないが、韓米間の緊密な協議を進めており、近日中に立場を発表できそうだ」と話した。彼は「文在寅大統領が韓米合同演習に関する立場を明らかにしており、国家安全保障会議(NSC)はその立場に基づいて米国と緊密に協議するとの方針を決めた」とし、「その指針に沿って韓米間の協議がすでに始まった」と話した。

 韓米両国は、合同軍事演習を中止する方向で意見の一致を見たという。同関係者は「北朝鮮が本気で非核化措置を実現し、敵対関係の解消に向けて、南北、朝米間で誠実な対話が行われる課程では、北朝鮮に対する軍事的圧力措置をより慎重に検討する必要があるのではないか」とし、「米国も韓国政府の立場にかなり共感しており、これをもとに両国政府間の協議を行っている」と話した。

 合同軍事演習の中止をめぐる韓米の動きは、6・12シンガポール朝米首脳会談以降の朝鮮半島の非核化と北朝鮮の体制保証という朝米間の合意を促すために、韓米が歩調を合わせているものと言える。ドナルド・トランプ米大統領は12日の朝米会談直後、「北朝鮮と善意に基づいた対話をしている間は、韓米合同軍事演習を中止する」と明らかにし、文大統領は14日の国家安全保障会議で「南北、朝米間の誠実な対話が続くなら、相互信頼構築の精神に基づき、北朝鮮に対する軍事的圧迫にも柔軟な変化が必要だ」と述べた。さらに、ソン・ヨンム国防長官とジェームズ・マティス米国防長官が14日夜、電話会談を行い、この問題を協議した。ハリー・ハリス在韓米国大使指名者も14日、米上院外交委員会の人事聴聞会で、ドナルド・トランプ大統領の「韓米合同軍事演習の中止」方針を支持する意向を明らかにした。

 韓米両国が事実上“条件付き”で中止することにした対象は、一旦、乙支フリーダムガーディアン演習であるとみられる。毎年4~5月に実施してきたキーリゾルブ、トクスリ演習まで含まれるかどうかは、朝米会談の後続措置がどれほどスピーディーに実施されるかによって決まる見通しだ。したがって、韓米が合同演習の中止の決定を下すことになれば、まだ包括的な文書にとどまっており、文書化されていない口頭の約束の状態である朝米合意の進展に向けて、朝米が段階的・同時的措置を目指すものとみられる。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)級ミサイルエンジンのテストを行ってきたとされる平安北道鉄山郡東倉里(トンチャン二)の試験施設を閉鎖する代わりに、韓米は北朝鮮が代表的な軍事的脅威として挙げてきた合同演習を中止し、互いに信頼を高めていくのではないかということだ。

 大統領府関係者はハンギョレとの電話インタビューで、「韓米は演習中止問題をめぐって協議中だ。乙支フリーダムガーディアン演習だけでも、様々な段階、様々なレベルの訓練があり、すべてを中止するか、それとも北側が軍事的脅威に挙げている部分だけ中止するかなど、決定する問題が多い」と話した。

 その一方で、韓米外交安保の主要関係者らは、合同演習の中止が在韓米軍の駐留問題や韓米同盟の亀裂問題に飛び火することを警戒した。大統領府関係者は「トランプ大統領も記者会見で、在韓米軍の撤退はないと明らかにした。在韓米軍は韓米同盟レベルの問題であり、朝米交渉の対象にはなりえない」と釘を刺した。さらに、「在韓米軍問題については、韓米間の協議もなく、従来の立場に何の変化もない」と付け加えた。ハリス駐韓米国大使指名者も「我々の韓国に対する同盟の約束は堅固なものであり、変わらないと確信している」とし、「私たちの決定は同盟レベルの決定であり、このような決定は同盟国の韓国と共に行われたものだ。(米国が)一方的に決定できるものではない」と強調した。

ソン・ヨンチョル、キム・ボヒョプ、ファン・ジュンボム、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

緑の党はフェミニズム・生態主義を掲げた20代・30代の青年候補らが「意味ある波乱」を起こした。

2018-06-16 | 2018年6月13日韓国選挙結果

正義党、広域比例3位に躍進…緑の党はソウル・済州で“突風”

登録:2018-06-16 07:18

 
                        14日午前、国会で開かれた中央選対委の全体会議および解団式で発言するイ・ジョンミ正義党代表=聯合ニュース

正義党全国得票率8.97% で3位
広域議員11人・基礎議員26人当選
光州・全北では12%台で2位の気炎
進歩政治実現する橋頭堡作る

緑の党シン・ジエ、 ソウル市長選で4位
コ・ウニョン、済州知事選で3位
生態・フェミニズム議題で善戦

 6・13地方選挙は共に民主党の「圧勝」で幕を下ろしたが、 同時に、正義党・緑の党など進歩政党の「可能性」が確認された。 正義党は政党得票率で共に民主党・自由韓国党に次いで3位を記録し、緑の党はフェミニズム・生態主義を掲げた20代・30代の青年候補らが「意味ある波乱」を起こした。

 正義党は広域・基礎自治体長を1人も輩出できなかったが、広域議員比例代表選挙の政党得票率で8.97%を得たことが分かった。 民主党(51.42%)と自由韓国党(27.76%)に次いで3番目に高い数値だ。 国会では6議席の小数政党だが、政党得票で正しい未来党(7.81%)と民主平和党(1.53%)を追い抜いた。

 光州(クァンジュ)(12.77%)・全羅北道(12.88%)では、「湖南(ホナム:全羅南北道を指す)政党」である平和党を押し出して第1野党の位置に上がる気炎を吐いた。 シン・ジャンシク事務総長は14日電話インタビューで「湖南政治1番地である光州で正義党が第1野党になったことは、野党が与党(民主党)と改革競争をしなければならないという点で韓国政治が進むべき未来を見せたもの」だと話した。

正義党の当選者数も大幅に増えた。 4年前の地方選挙では基礎議員11人だけだったが、今回の選挙では広域議員11人と基礎議員26人が当選した。 特に、高まった政党得票率の力で広域議員11人中10人が比例代表で当選した。 正義党はソウル(クォン・スジョン)、京畿(イ・ヘウォン、ソン・チヨン)、仁川(チョ・ソニ)、光州(チャン・ヨンジュ)、全羅南道(イ・ポラミ、チェ・ヒョンジュ)、全羅北道(チェ・ヨンシム)、済州(コ・ウンシル)、忠清南道(イ・ソニョン)、慶尚南道(イ・ヨンシル)と、全国あちこちの広域自治体議会で進歩政治を実現することになる。 イ・ジョンミ代表はこの日中央選挙対策委員会の会議で「目標とした二桁の政党得票率には惜しくも達しなかったが、二大政党の独占体制を牽制する第3党の地位を強固にした」として「正義党は今回の選挙を踏み台に、2020年の総選挙で必ず第1野党を交替させ韓国政治を根本的に変える」と強調した。

제주공항 앞에서 기본소득 공약 손팻말을 든 고은영 녹색당 제주도지사 후보. 녹색당 제공

 緑の党は今回の選挙でフェミニスト候補として注目されたシン・ジエ ソウル市長候補とコ・ウニョン済州知事候補をはじめ、青年・女性中心の32人の候補を出馬させたが、当選者は出せなかった。 しかし「緑の政治」の可能性を確認した。 社会的少数者を代弁するとして「フェミニスト候補」であることを前面に掲げたシン・ジエ候補は、正義党のキム・ジョンミン ソウル市長候補を1200票余りの差で先んじて、正しい未来党のアン・チョルス候補に次ぎ4位を記録した。 また、コ・ウニョン済州知事候補は3.5%を得票して自由韓国党候補を抜いて3位に上がるという意味ある成果を上げた。 コ候補は済州知事選挙で初の女性候補であり30代の青年であり他地域からの移住民出身という「3重の限界」を負って挑戦し、済州社会に「新鮮な衝撃」を投じたという。 コ候補が3位の成績をおさめたのには、第2空港反対、済州国際自由都市開発センター解体などを主張する住民たちと結合して活動する中で済州道民の心をつかんだためという評価が出ている。 緑の党では20代の青年ホ・スンギュ氏(29)が、保守的な慶尚北道の安東(アンドン)で市会議員選挙に出て16.5%を得るなど、善戦した。

 緑の党のキム・ジュオン共同運営委員長は電話インタビューで「既存の進歩政党で扱わなかった生態、フェミニズム、動物権などの議題を前面に押し出して、劣悪な条件でも可能性を確認した選挙だった」として「2020年の総選挙での院内進出を目標に再び奮闘する計画だ」と話した。

 昨年10月に結党された民衆党は270人の候補が出馬したが、低い認知度と院内1議席政党の限界から、基礎議員11人を当選させるのに留まった。

キム・ギュナム記者  (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「世界はおそらく重大な変化を目撃することになるだろう」

2018-06-16 | 板門店宣言を次々実行

世紀を超えた朝米対決の清算

「世界は重大な変化を目撃することになる」

シンガポールのセント-サ島で行われた史上初の朝米首脳会談は「ディール(取引)」の場ではなく、長きにわたる朝米対決を清算するための対面となった。

金正恩委員長とトランプ大統領が共同声明に署名した。(朝鮮中央通信)

会談の後に発表された共同声明の核心は、朝米敵対関係の清算と新たな両国関係の樹立を首脳同士で合意したことにある。今後、米国が対決時代の偏見と慣行から抜け出し、関係改善のための信頼構築措置を講じれば、朝鮮も相応した措置をとることになる。

朝米首脳会談で議論された朝鮮半島非核化も同様だ。米国が懸念する朝鮮の核武力は朝米敵対関係の産物であり、米国が朝鮮敵視政策を放棄し核による脅威を終わらせることが、双方の安全を保障し朝鮮半島の非核化を推進するための先決条件となる。

新たな朝米関係樹立を目指す共同声明にトランプ大統領が署名したことは、金正恩委員長に対して第二次世界大戦後、米国の歴代政権下で続いてきた朝鮮への敵視と恐喝、圧殺策動に終止符を打つことを確約したことを意味する。

1945年8月、2発の原爆投下で日本の降伏を早めた米国は、朝鮮半島に残る日本軍の武装解除を口実に38度線を引いた。解放された朝鮮民族は、北と南に引き裂かれた。米国は48年に建国した朝鮮民主主義人民共和国を敵視し、50年に戦争が勃発。その悲劇によって分断が固定化された。米国は、北南の軍事的対立を煽り、親米独裁政権を通じて南を支配した。そして2010年代に入り、核をめぐる朝米対決が激化。第2次朝鮮戦争勃発の危機が高まった。

力の対決で自らが優位にあると考えている限り、米国が侵略と覇権の野望を捨てることはない。朝鮮が米国全土を射程内に収める大陸間弾道ロケットの試射に成功し、国家核武力完成を宣言(17年11月29日)してから半年余りが過ぎた時点で、初の朝米首脳会談が実現した。そして新たな朝米関係の樹立と朝鮮半島の平和体制構築に関する合意がなされた。

全世界に中継された朝米首脳会談には、70余年にわたる朝鮮人民の血のにじむ闘争の歴史がつながっている。世界最大の核保有国である米国と対峙しながら、朝鮮は自主・自立・自衛の路線を貫いてきた。過酷な制裁の中で人民は指導者を信じ、固く結束してあらゆる試練を乗り越えてきた。金正恩委員長は、金日成主席と金正日総書記の偉業を継承し、一心団結した人民に依拠して国家核武力を完成させた。

核戦争の危機をはらんだ朝米対決の終結と両国の新たな関係樹立を宣言したセント-サ会談は、第二次世界大戦後、外交的な波及効果が最も大きい首脳会談として記録されるだろう。ヤルタ会談(1945年ソ連、米国、英国)で議論された戦後の国際秩序は冷戦構造となり、マルタ会談(1989年ソ連、米国)でその終結が宣言されたというが、冷戦後も朝鮮半島の分断対決構造は続いた。国際舞台では「唯一の超大国」を自任する米国の横暴な振る舞いによって、多くの国々が自主権と生存権、発展権を踏みにじられてきた。

金正恩委員長とトランプ大統領が共同声明に署名し握手を交わしたことで、米国の朝鮮半島介入による東北アジアでの軍事的プレゼンスとそれに基づく世界支配戦略は瓦解し、新たな潮流が胎動した。分断と戦争の元凶が絶たれたことで、板門店宣言を発表した北南朝鮮は統一に向けさらに前進し、大国の利害関係が交差する東北アジアに新たな秩序が生まれるだろう。70余年にわたる激戦の末、米国の覇権秩序を崩し、米国の核戦争威嚇の完全除去を実現する朝鮮半島非核化の里程標を打ちたてた朝鮮は「核なき世界」、「世界の自主化」を掲げ、積極果敢な全方位外交を展開していくと予想される。

「世界はおそらく重大な変化を目撃することになるだろう」

共同声明に署名した金正恩委員長は自信に満ちた声で述べた。最高指導者の決意と覚悟が込められた言葉であった。

(金志永)


6時間にわたる調整後に合意文を発表  北側、韓米合同演習の中止問題も取り上げ

2018-06-15 | 板門店宣言を次々実行

南北、東海・西海地区の軍通信線の復旧などに合意

登録:2018-06-15 05:36 修正:2018-06-15 07:12

第8回南北将官級会談 
「平和水域の設定や板門店の非武装化など 
緊張緩和と戦争危険の解消について真剣に協議」 
冒頭は和気あいあいだったが、いくつかの争点めぐり難航 
6時間にわたる調整後に合意文を発表 
北側、韓米合同演習の中止問題も取り上げ

アン・イクサン北側首席代表が今月14日午前、京畿道坡州市の板門店北側地域にある統一閣で開かれた南北将官級会談で、2007年に盧武鉉元大統領が植えた松の木の写真を南側代表団に見せている=板門店/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 南北軍当局は14日、板門店(パンムンジョム)で第8回南北将官級会談を開き、東海・西海地区の軍通信線の復旧などに合意した。しかし、南北は、次回の協議日程も決めることができなかった。いくつかの争点をめぐる隔たりを埋められなかったという。

 南北会談代表団は同日午前、板門店の北側地域の統一閣で会談を終えた後、共同報道文を発表し、「双方は西海(黄海)海上での衝突防止のため行った2004年6月4日の南北将官級軍事会談の合意を徹底的に履行し、東海・西海地区の軍通信線を完全に復旧する問題について相互合意した」と明らかにした。

 「2004年6月4日の合意」とは、第2回南北将官級会談で合意された「西海海上での偶発的衝突の防止および軍事境界線地域での宣伝活動の中止、宣伝手段の除去に関する合意書」(6・4合意)を指す。6・4合意には西海上の衝突防止に向けた取組みとして、船舶共通通信システム(国際VHF)を利用した南北艦艇間通信の実施や旗旒信号・発光信号の規定制定と活用、西海通信連絡事務所の設置などが盛り込まれている。また、第3国の違法操業船舶に対する情報交換も規定し、西海北方限界線(NLL)付近での中国漁船の操業を取り締まるための協力の根拠も設けている。西海海上での偶発衝突の防止のために既存合意を再確認したわけだ。しかし、当初4・27板門店宣言で合意した「西海北方限界線一帯の平和水域化」には及ばなかった。

 現在稼動されていない軍通信線の復旧も偶発衝突の防止および信頼構築の措置と評価されている。坡州市(パジュシ)の都羅山(トラサン)南北出入事務所(CIQ)に設置された西海地区軍通信線は、当初銅線3回線で運用され、2010年1月に光通信の3回線が増設されたが、現在は銅通信線1回線だけがまともに作動していることが確認された。東海地区の軍通信線も江原道高城(コソン)南北出入事務所に3回線が設置されたが、2010年11月の大型山火事で焼失した状態だ。軍当局者は「東・西海地区の軍通信線を復旧するためには、線を新たに設置する案を検討しなければならないだろう」と話した。

 しかし、他の争点については合意に達しなかった。南北は共同報道文で「双方は、朝鮮半島で軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するのに必要な事項を真剣に協議した」とし、「一切の敵対行為を中止する問題や西海北方限界線一帯を平和水域にする問題、南北交流協力や往来、接触について軍事的保障対策を樹立する問題、板門店共同警備区域を試験的に非武装化する問題などについて、十分な意見を交換した」と明らかにした。しかし、追加合意事項を共同報道文に盛り込むことはできなかった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最近取り上げた共同遺骨発掘問題と南北国防長官会談の開催問題も、合意に至らなかった。南側首席代表のキム・ドギュン国防部対北朝鮮政策官(陸軍少将)はこれについて、「まず将官級会談を通じて、板門店宣言で合意した軍事分野を優先することにした。その合意が調整された後に、国防長官会談を行う方が良いと思う」と述べた。さらに、南北は次の将官級会談の日程も決めることができなかった。キム政策官は同日の会談終結発言で「6~7月中に将官級会談、または軍事実務会談を再び開き、より深化した結果を持って成果を導き出すことを期待する」として、残念な気持ちを滲ませた。

 同日の会談では、北側代表団が韓米合同演習の中止問題も取り上げたという。軍当局者は「北側代表団が『板門店宣言の履行として、韓米合同演習を中止すべき』と要求し、これに対して南側は『相互信頼の構築を通じてそのような懸念を解消できる韓米間の協議が進められている』と答弁した」と話した。

 今回の将官級会談は、最近二回の南北首脳会談の合意によるものだ。南北間の軍事問題を議論するために構成された南北将官級会談が開かれたのは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2007年12月以来10年6カ月ぶりだ。今回の会談に参加した南側代表団は、キム政策官を含め、チョ・ヨングン国防部北朝鮮政策課長(陸軍大佐)、アン・サンミン合同参謀本部海上作戦課長(海軍大佐)、ファン・ジョンジュ統一部会談1課長、パク・スンギ大統領府安保室行政官など5人だ。北側代表団は、首席代表のアン・イクサン陸軍中将を始め、オム・チャンナム陸軍大佐、キム・ドンイル陸軍大佐、オ・ミョンチョル海軍大佐、キム・グァンヒョプ陸軍中佐の5人だ。

板門店/共同取材団、パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

 13日午後、韓国に到着したポンペオ長官は、6・12会談がもたらした新たな米朝関係の樹立に向けた歴史的機会を強調し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対する“信頼”を示した。

2018-06-15 | 板門店宣言を次々実行

[ニュース分析]米国、金委員長への信頼示し「非核化のタイムテーブル」を提示

登録:2018-06-15 07:45 修正:2018-06-15 08:13

ポンペオ米国務長官の1泊2日間の目まぐるしい訪韓・訪中日程 
 
非核化を圧迫するだけの従来の態度とは180度変わり  
トランプ大統領の最初の任期内の終了を示唆  
「朝米関係の歴史的転換点」との意味付けも  
午後には、習主席を表敬訪問し後続措置を協議  
訪日見送り日本の外相が訪韓

 
マイク・ポンペオ米国務長官(右から)、カン・ギョンファ外交部長官、河野太郎日本外相が14日午前、ソウル鍾路区の外交部庁舎で韓米日外相共同記者会見を行っている=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 「6・12シンガポール朝米首脳会談」(6・12会談)の結果を共有し、朝米合意の履行に必要な関連国協力案を協議するため、北東アジアを訪れたマイク・ポンペオ米国務長官は14日一日中、慌ただく動きを見せた。6・12会談以降の米国の戦略と行動は、ドナルド・トランプ大統領の「最側近」と呼ばれるポンペオ長官の“言葉”だけでなく、”動線”を合わせてチェックすることで、はっきりと浮かび上がってくる。

 13日午後、韓国に到着したポンペオ長官は、6・12会談がもたらした新たな米朝関係の樹立に向けた歴史的機会を強調し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対する“信頼”を示した。さらに、米国が、設定した「非核化の期限」を提示した。朝米関係の再設定に向けた意志を明らかにすると共に、北朝鮮への信頼の強調し、迅速な非核化を求めているわけだ。非核化だけに圧迫していた以前とは180度変わった態度だ。6・12会談がもたらした新しい対北朝鮮戦略だ。

 例えば、ポンペオ長官は14日、韓米日外相会談後の記者会見で、6・12会談が「両国関係を根本的に再設定した巨大なチャンス」であり、「歴史的に朝米関係における大きな転換点」だと大きな意味を付与した。彼はこれに先立ち、「(北朝鮮と交渉した)全てのことが最終文書(共同声明)に盛り込まれているわけではない」とし、「2年半以内に“重大な非核化”が達成されることを望んでいる。そのことが実現されることを楽観視している」(13日午後、ソウルヒルトンホテルでの米国記者懇談会)とし、2020年までのトランプ大統領の第一期任期が終了する前に、北朝鮮の非核化を事実上終了することを目指しており、北側とまだ公開していない多くの話をしたという意味だ。

 さらに、14日午前に行われた韓米日外相共同会見で「金正恩委員長が非核化を期限が迫っていることを認識しており、非核化を速やかに履行すべきということを理解していると、我々は信じている」と強調した。ただし、一方的要求ではない。彼は「我々は完全に国際社会の一人となった北朝鮮の姿を描いており、金委員長はシンガポールで、このようなビジョンを共有することを示唆した」としたうえで、「金委員長がこれを実現するため、次の段階(非核化)措置を取ることを期待する」と述べた。さらに、「米国は歴史の新たなペ―ジを開く準備ができている」と強調した。「6・12シンガポールの共同声明」に明示された「相互信頼の構築が後押しする非核化」という文言の精神に充実しのた言及だ。

 ポンペオ長官は13日の懇談会で、トランプ大統領が言及した「韓米合同軍事演習の中止」と関連し、「大統領の意図は、北朝鮮の非核化と関連し、生産的な対話をする機会を得ること」だと説明した。北朝鮮の非核化を促進する米国側の“信頼構築の措置”ということだ。しかし、彼は14日、韓米日外相会見ではこの問題に触れなかった。韓国の保守勢力を刺激しないやり方で「朝米交渉中の韓米合同軍事演習の中止」方針を既成事実化し、文在寅(ムン・ジェイン)政権を後押しするための行動と見られる。

 ポンペイ五長官の動線も重要な分析対象だ。彼は、シンガポールから韓国に直行した。13~14日の二日間にわたり文在寅大統領を表敬訪問し、韓米外交長官会談と韓米日外相会談を相次いで行った。14日午後には北京に到着し、習近平国家主席を表敬訪問したのに続き、楊潔チ外事工作委員会弁公室主任兼政治局員と王毅外交部長と面会した。

 しかし、自ら「鉄のごとく強固な同盟関係」と描写した日本には立ち寄らなかった。日本は“枝葉”だ。河野太郎日本外相がポンペオ長官に会うため韓国を訪れた。詳しい外交消息筋は「3カ国外相会談は日本側の執拗な要請によって実現されたもの」だとし、「同会議の隠された目的は、日本の反発を抑制することにある」と指摘した。

 実際、河野外相は会見で「北朝鮮が非核化の約束を履行するのが重要だ」とし、「米国がまだ体制保証措置を行っていない点に注目」しており、「日米安保公約と在日米軍には変化がないだろう」として、韓米外相とは温度差が感じられる発言を行った。今年に入り、対決と軋轢から和解と平和に向けて急速に進んでいる朝鮮半島情勢とはかけ離れた日本のこのような時代錯誤的な行動は、朝鮮半島における冷戦構造の解体過程でもう一つの悩みの種となっている。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

金委員長との会談後、トランプ大統領は「われわれはまた会う。何回も会うことになると思う」と述べ、金委員長との会談を複数回行うことを示唆した。

2018-06-14 | 板門店宣言を次々実行

正恩氏をホワイトハウスに招待へ 「何回も会う」=トランプ氏

2018/06/12 15:47

【シンガポール聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)とトランプ米大統領は12日、シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで初の首脳会談を行い、合意文書に署名した。トランプ大統領は署名式後、金委員長をホワイトハウスに招待するか記者団に問われ、「間違いなくそうする」と答えた。

昼食会後、ホテルで散歩する金委員長(右)とトランプ大統領=12日、シンガポール(AFP=聯合ニュース)
昼食会後、ホテルで散歩する金委員長(右)とトランプ大統領=12日、シンガポール(AFP=聯合ニュース)

 トランプ大統領は7日(米東部時間)、ホワイトハウスで安倍晋三首相との会談後に開いた会見で、朝米(米朝)首脳会談が成功する場合、金委員長を米国に招待する考えを示していた。

 金委員長との会談後、トランプ大統領は「われわれはまた会う。何回も会うことになると思う」と述べ、金委員長との会談を複数回行うことを示唆した。

kimchiboxs@yna.co.kr


議席の大幅増により昨年5月に誕生した政権の国政運営がスムーズになることが見込まれる。格差解消や若者の失業問題などの課題や融和的な対北朝鮮政策を進める上で追い風になりそうだ。

2018-06-14 | 板門店宣言を次々実行

韓国統一地方選・国会議員補選で与党圧勝 文政権に追い風

2018/06/14 01:43

【ソウル聯合ニュース】韓国の統一地方選と国会議員の再・補欠選が13日実施され、与党「共に民主党」が圧勝した。今回は文在寅(ムン・ジェイン)政権下で初めての全国規模となる選挙。南北融和などを進める政権が国民の信任を受けたことになり、文大統領にとって政局運営などで追い風となるとみられる。

広域自治体首長選の候補者に「当選」の札をつける「共に民主党」の秋美愛代表=13日、ソウル(聯合ニュース)
広域自治体首長選の候補者に「当選」の札をつける「共に民主党」の秋美愛代表=13日、ソウル(聯合ニュース)

 即日開票された選挙は14日午前0時半現在、共に民主党が広域自治体17カ所の首長選のうち、ソウル市や隣接する京畿道など14か所で当選を確実としたか当選が有力視される。再・補欠選でも12選挙区のうち、与党が10議席以上を占める勢い。与党は今回の選挙後も国会で単独過半数に達しない見通しだが、議席の大幅増により昨年5月に誕生した政権の国政運営がスムーズになることが見込まれる。格差解消や若者の失業問題などの課題や融和的な対北朝鮮政策を進める上で追い風になりそうだ。

 同党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は勝利宣言で「今日の勝利は国民みなさんの勝利。政権与党として、しっかりと課題に取り組む」と語った。

 一方、朴槿恵(パク・クネ)前政権の与党だった保守系最大野党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は大敗の責任を取って14日にも辞任する。洪氏の関係者が聯合ニュースに伝えた。今年の2度の南北首脳会談や選挙前日の朝米(米朝)首脳会談を受けての南北融和ムードの高まりが北朝鮮に厳しい姿勢の同党にとって逆風になった。

sarangni@yna.co.kr


朝鮮半島の隣国及び重要な関係国として、中国側は関係各国と共に、朝鮮半島の非核化及び長期安定・平和の実現推進に引き続き尽力したい。各国は朝鮮半島情勢の前向きな勢いを大切にすべきだ。(編集NA)

2018-06-13 | 板門店宣言を次々実行

朝鮮半島の前向きな勢いを大切に

人民網日本語版 2018年06月13日10:47
 

米国のトランプ大統領と朝鮮の金正恩国務委員会委員長が12日にシンガポールで会談し、共同声明を発表した。共同声明で米朝双方は新たな関係の構築、朝鮮半島における恒久的で安定した平和メカニズムの構築を約束。米側は「朝鮮に安全の保証を与えること」を約束し、朝鮮側は「朝鮮半島の完全非核化への確固として揺るぎのない約束」を再確認した。双方は共同声明を速やかに実行に移すことでも合意した。トランプ大統領は記者会見で、米韓合同軍事演習の停止を検討すると表明した。今回の会談で得られた前向きな成果は、朝鮮半島の非核化及び平和・安定にとっても具体的メリットがある。(文:賈秀東・中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

今回の共同声明における、二国間関係、平和メカニズム、非核化に関する文言は、2005年9月19日の第4回6カ国協議共同声明の範疇を超えるものではない。6カ国協議共同声明で各国は、平和的方法による朝鮮半島の検証可能な非核化の実現を再確認した。朝鮮側は全ての核兵器及び核計画の放棄を約束した。米側は、朝鮮半島において核兵器を有しないこと、朝鮮に対して核兵器または通常兵器による攻撃または侵略を行う意図を有しないこと等々を確認した。

両者を比較すると感慨に堪えない。朝鮮半島において歴史は10年余りの曲折を経て再び原点に戻ったようだ。1994年の米朝枠組み合意も振り返ってみると、その後20年余りの朝鮮半島問題における様々な波瀾は決して人々が望んだものではなかったが、確かに発生しまったものだ。これには少なくとも4つの啓示がある。

(1)朝鮮半島問題は流れに逆らって舟を進めるようなもので、進まなければ押し戻されてしまう。10数年間、朝鮮は核実験とミサイル実験を立て続けに実施し、米韓は大規模な合同軍事演習を絶えず実施し、緊張は交互にエスカレートし、悪循環が起き、事実上共に安全上の窮地に陥り、本来自らをより安全にしようとしたものが、かえってより安全でなくしてしまった。

(2)米朝はこれまで互いに信頼しておらず、共通認識も合意も基礎が脆弱で、わずかな異変が生じただけで頓挫する可能性があった。どちらか一方の合意履行が不完全で、断固たるものでなかったり、想定外の問題が生じれば、各国の長年の努力が水泡に帰す可能性があった。米側の政権交代、各政治勢力の駆引きや妨害も、往々にして合意の実施にトラブルをもたらした。朝鮮半島問題の解決には、信頼醸成措置と揺るぎない政治意志が必要不可欠であることは明らかだ。

(3)6カ国協議声明の確立した原則、理念、道筋は時代遅れではなく、今なお現実的指導意義を持つ。例えば、対話と協議を通じた各国の懸念の均衡ある解決の堅持、同時的かつ対等で、足並みを揃えた、段階的な合意の実行の堅持、約束対約束、行動対行動の原則の堅持などだ。これは各国の受け入れやすさに配慮するうえで助けになる。今もなお、米朝などの安全上の懸念を同時的、段階的に解決することが最も実行可能な策だ。

(4)中国側の「相互停止」提案と「デュアル・トラック」アプローチは確実で実行可能なものだ。現在の情勢の推移はまさに「デュアル・トラック」アプローチに沿って前進している。国連安保理の対朝制裁については、制裁の停止または解除を含め、必要に応じた調整が完全に可能だ。制裁自体が目的ではなく、安保理の行動は現在の外交対話及び朝鮮半島非核化の努力を支持し、これに歩調を合わせ、政治的解決プロセスを後押しするものであるべきだからだ。

今回の朝米首脳会談及びその成果は、朝鮮半島の非核化及び平和プロセスを推進する正しく重要な一歩だ。朝鮮半島の隣国及び重要な関係国として、中国側は関係各国と共に、朝鮮半島の非核化及び長期安定・平和の実現推進に引き続き尽力したい。各国は朝鮮半島情勢の前向きな勢いを大切にすべきだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2018年6月13日


各種世論調査の結果では一部地域で浮動票が40%以上に達しており、政界ではこの浮動票の行方が投票率と選挙結果を左右するとみている。

2018-06-13 | 板門店宣言を次々実行

韓国統一地方選きょう投開票 午後10時半ごろ大勢判明

2018/06/13 05:00

【ソウル聯合ニュース】韓国の統一地方選と国会議員の再・補欠選の投票が13日午前6時から全国1万4134カ所の投票所で一斉に行われる。投票時間は午前6時から午後6時まで。

世宗市の投票所=(聯合ニュース)
世宗市の投票所=(聯合ニュース)

 投票締め切り後に即日開票し、早ければ午後10時半ごろに大勢が判明する見通し。ただ、一部の接戦区では当選者の確定が14日未明までずれ込みそうだ。

 今回の統一地方選ではソウル市長など広域自治体首長17人、教育監(教育委員会に相当する教育庁のトップ)17人、区長など基礎自治体首長226人、市・道議会議員の広域議員824人、区議会議員など基礎議員2927人、教育議員(済州道)5人の計4016人が選出される。国会議員の再・補欠選はソウル(2選挙区)や釜山、全羅南道などの12選挙区で行われる。

 統一地方選の投票率は1995年の第1回選挙(68.4%)以降、60%を超えたことがないが、今回の期日前投票では、全国規模の選挙では過去2番目に高い20.14%の投票率を記録していることから、最終投票率が60%を超えるかに関心が集まっている。

 各種世論調査の結果では一部地域で浮動票が40%以上に達しており、政界ではこの浮動票の行方が投票率と選挙結果を左右するとみている。

 4年に1度の統一地方選は昨年5月の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、初めて実施される全国規模の選挙で、文政権の信任を問うものでもある。与党「共に民主党」は世論調査などを根拠に圧倒的な勝利を確信しており、最大野党「自由韓国党」は保守層の結集を背景に「終盤の逆転」に自信をみせている。 

yugiri@yna.co.kr


トランプ米大統領は12日、合同演習をするのは不適切だ」と話した。

2018-06-13 | 板門店宣言を次々実行

トランプ氏の韓米軍事演習中止発言が波紋 韓国国防部「当惑」

2018/06/12 20:44

【ソウル、シンガポール聯合ニュース】朝米首脳会談後、韓米合同軍事演習の中止を示唆したトランプ米大統領の発言が波紋を呼んでいる。

 韓米合同軍事演習は米国の韓国防衛公約に基づくもので、北朝鮮に対する抑止力向上と防衛のために実施されており、在韓米軍と共に韓米同盟の根幹をなすものと認識されていることから、余波が広がることが予想される。

朝米首脳会談後に会見を行うトランプ大統領(資料写真)(AP=聯合ニュース)
朝米首脳会談後に会見を行うトランプ大統領(資料写真)(AP=聯合ニュース)

 トランプ米大統領は12日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)との会談後、シンガポール・セントーサ島のカペラホテルで会見を行い、「われわれは軍事演習を中止することで莫大(ばくだい)な費用を節減する」とし、「それ(韓米合同軍事演習)は非常に挑発的でこのような環境の下でわれわれは完全な取引の交渉をしようとしている。合同演習をするのは不適切だ」と話した。

 また「莫大な費用を軍事演習に使っているが韓国は十分に負担していないと考える」とし、「グアムから爆撃機を動員するのに6時間半かかる。巨大な戦闘機が韓国まで爆撃演習に向かい、戻るのに多くの費用がかかり、私はこれが気に入らない」と不満を示した。

 これは北朝鮮と「完全な非核化」について交渉をする状況において、韓米合同演習は不適切であり、またグアムから爆撃機を展開させるのに費用がかかるため中止するとの意向であると受け止められる。

 トランプ大統領のこのような発言に対して韓国国防部は当惑を隠せない様子だ。国防部は「現時点ではトランプ大統領の発言の正確な意味と意図の把握が必要だ」とするコメントを発表した。

 国防部の関係者は「合同演習の中止については米側と今まで、何も議論がなかった」とし、「トランプ大統領の発言がどのような意味なのか軍事、外交などのルートから把握中」と話した。

yugiri@yna.co.kr


この日行われるすべての行動が「新しい歴史」になる。特に、金委員長がトランプ大統領と握手や抱擁などのような身体接触をするかにも関心が集まっている。

2018-06-12 | 米朝会談

[ニュース分析]世紀の会談の成否わける4つのポイント

登録:2018-06-12 05:57 修正:2018-06-12 07:16

CVID-体制保証の「ビッグディール」盛り込んだ共同声明が最大の関心事

ドナルド・トランプ米大統領(左)と北朝鮮の金正恩国務委員長=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 憎悪と不信で綴りあわされた70年間の歳月を後にし、朝米首脳が12日午前9時(韓国時間10時)、シンガポール・セントーサ島のカペラホテルで「世紀の会談」を開く。この首脳会談はこれまで類を見ない独特な会談に挙げられる。ドナルド・トランプ大統領は、これについて「未知の領域」と表現しており、北朝鮮の「朝鮮中央通信」も「全世界の関心と期待の中、歴史上初めて進められる」と報じた。実務レベルで合意した結果を確認する“外交儀式”にとどまる一般的首脳会談と異なり、結果が一寸先も見通せない「霧の中」という点も、今回の会談の大きな特徴だ。それだけに、注目すべき“観戦ポイント”も多い。

1.共同声明は出るだろうか? 
朝米が大胆な合意をした場合、9・19共同声明+αを盛り込む見込み 
2.拡大会談の陪席者は? 
両首脳会談の後、金英哲・ポンペオが調整 
3.実務昼食会はいかに進めるか? 
トランプ大統領の公言通り“ハンバーガー昼食会”になるかに関心集まる 
4.儀典の一つ一つが新しい歴史 
世紀の握手しながら交わす挨拶とは?

 最初の核心関心事は、会談の成果を盛り込んだ共同声明が出るかどうかだ。一応、シンガポールで流れるニュースは肯定的だ。ホワイトハウスは11日夕方8時に声明を発表し、トランプ大統領が会談を終えて「明日、シンガポールを出発する前、記者会見(media availability)に出席する」と明らかにした。朝米はこの日2回にわたった最後の実務接触でかなりの意見折衷を行っており、メディアに公開できるほどの合意に到達したとものと見られる。

 今回の会談は、実現されるまであらゆる紆余曲折を経たが、「失敗しないだろう」という見通しが優勢だった。両方とも会談を白紙化するには政治的負担が大きく、今後、交渉の動力を回復することも容易ではないからだ。さらに、トランプ大統領は8~9日、主要7カ国(G7)首脳会議で、貿易の懸案をめぐりカナダや欧州など伝統的同盟国側と大きく対立した。このような状況で、会談が成果なく終われば、11月の中間選挙を控えて大きな政治的危機を迎えざるを得ない。トランプ大統領は今回の会談が金正恩委員長にとって「ただ一度のチャンス」と述べたが、彼にも同じだった。

 朝米実務会談の事情に詳しいある消息筋は11日、ハンギョレに「米国は9・19共同声明(第4回6カ国協議に関する共同声明)に北朝鮮が同意することを目標に、交渉を重ねてきた」と話した。2005年9月、6カ国協議を通じて合意された同文書は「北朝鮮がすべての核兵器と現存する核計画を放棄すること」を条件に、米国は「関係正常化のための処置」を取るという内容を盛り込んでいる。同文書は4・27板門店(パンムンジョム)宣言に盛り込まれた「朝鮮半島の完全な非核化」をもう少し具体化したものだと言える。つまり、今回の会談が成功し、共同声明が出た場合、9・19共同声明の内容を朝米が再び確認した後、互いが短期的にやり取りできる非核化と見返りの初期行動「プラスアルファ」を付け加える形になるものと見られる。米国のマスコミも米政府当局者らを引用し、「事態がうまく進めば、共同宣言が出る可能性もある」という見通しを示した。

北朝鮮の金英哲統一戦線部長が今月1日、ホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領を面会し、金正恩国務委員長の親書を渡している//ハンギョレ新聞社

 共同声明が出れば、その中に米国が今回の会談の目標で何度も強調してきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)がいかに反映されるかが、最大の関心事になるものと見られる。トランプ大統領がこれまで、繰り返しその可能性を言及してきた第2、第3の追加協議の場所や時期も重要な観戦ポイントだ。スタンフォード大学のロバート・カーリン研究員は11日、ハンギョレに「重要なのは信頼構築だ。実務レベルでは信頼を構築するのが難しい。次回の会談場所や日程を決めるだけでも良いだろう」とし、今回の首脳会談の重要性を強調した。

 二番目の関心事は「会談の形式」だ。 ホワイトハウスは同日発表した声明で、「トランプ大統領が金正恩委員長と通訳だけを陪席させた一対一の会談を行う」と明らかにした。一対一の会談は、トランプ大統領と金正恩委員長という二つの強力な指導者の決断によって行われる今回の会談の特徴を最も象徴的に示すものだ。トランプ大統領は今月9日の記者会見で、自分は金正恩委員長が(非核化に)真剣かどうか、「最初の1分で気づくだろう」とし、「それは私の感触で、私の感覚だ。それは私がいつもすること」だとして、自信を示した。

 一対一の会談後に続く拡大会談の米国側出席者は、今回の協議の事実上主役のマイク・ポンペオ国務長官、ジョーン・ケリー大統領秘書室長、サラ・ハッカビー・サンダース大統領報道官、実務会談を率いてきたソン・キム駐フィリピン米国大使、マシュー・ポッティンジャー・アジア担当先任補佐官などだ。会談に大きな障害だったジョン・ボルトン国家安保補佐官も出席者名簿に名を連ねた。

 北朝鮮側参加者は公開されていないが、ポンペオ長官と協力して今回の会談を実現させた金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長の同席が確実視される。その外に朝米外交現場で経験を重ねてきた老練な「外交の担い手」であるリ・スヨン労働党副委員長、リ・ヨンホ外務相、ソン・キム大使の実務交渉の相手だったチェ・ソ二外務省副相などが出席するものと見られる。金正恩委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が陪席するかどうかも関心事だ。金副部長は、南北首脳会談の時も、兄の金委員長を密着随行した。

 三番目の関心事は拡大会談後に行われる「業務昼食会」(working lunch)のメニューだ。トランプ大統領はこれまで協議がうまくいかなければ「直ちに会談場を後にする」と述べてきたが、その可能性は消えてしまった。ホワイトハウスが拡大会談後、「業務昼食会を開催する」と発表したからだ。トランプ大統領は2016年6月の大統領選挙運動の際、「私は誰とも対話できる。私は彼(金正恩委員長)に公式晩餐会を提供するつもりはない。我々が会議席上でハンバーガーを食べながら話し合うこともできるだろう」と述べた。両首脳が本当にハンバーガーを食べるかどうかも興味深い。

 最後の関心事は些細なようで意味深長な様々な儀典要素だ。両首脳の中で誰が先に会議場に入場し、相手を待つか、その時、いかなる挨拶の言葉をかけるか、プレゼントをやり取りするか、いかなる呼称で呼び合うか、会談場に国旗は置かれるかなど、この日行われるすべての行動が「新しい歴史」になる。特に、金委員長がトランプ大統領と握手や抱擁などのような身体接触をするかにも関心が集まっている。金委員長は文在寅(ムン・ジェイン)大統領と4月27日と5月26日、二回にわたる南北首脳会談の際は、抱擁する姿を見せたが、中国の習近平国家主席と会った時は二人が抱擁する場面は公開されなかった。朝日新聞はトランプ大統領と金委員長は「身長の差が20センチもあるため、2人が抱擁すればトランプ大統領が金委員長を見下ろすような印象を与える」とし、抱擁は行われないだろうと予測した。握手をする場合、トランプ大統領がこれまで他の首脳らを困らせたように、金委員長の手を強く握って力自慢をするのかも、興味深い観戦ポイントだ。

シンガポール/イ・ヨンイン特派員、キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)