66年前の建青ポスター…ヤミ市跡で発見
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◆漢字とハングルが踊るポスター |
JR元町駅西高架下商店街
【兵庫】昨年末、JR元町駅西の高架下商店街(神戸市中央区)から66年前の民族団体のポスターが発見され、神戸市民・同胞の間で話題になっている。
そのポスターは解放から2年後の47年、当時の「朝鮮建国促進同盟兵庫県本部」(略称建青)が、結成2周年記念大会への参加を呼びかける内容で、横55センチ、縦40センチの大きさ。
上段には横書き、緑色の大字で「朝鮮統一政府樹立促進大会」とあり、白抜き赤字で「結成二周年記念大会」と大書している。
まず、縦書き日本語文で「お互いの理解と尊敬が、親善平和の道だ」。次に、漢字とハングル混じりで「朝鮮のホープ/朝鮮の働き手/ 「建青」の結成二周年記念日が来た/集まろう、同胞よ/国連総会で決議された/朝鮮統一政府樹立案を支持しよう/共にこの日を意義深く送ろう/日時・一九 四七年十二月十五日午前十一時開会/場所・関西劇場(新開地)」とある。
また、日本語文で、「国を建て、社会を興すものは若人のもの」という内容になっている。下段の横書きには主催名を記している。
解放直後の神戸も例にもれずヤミ市が盛んで、JR三ノ宮駅から神戸駅まで約2キロの高架下は、朝鮮人や中国人の勢力が及ぶヤミ市だった。
今回のポスターが発見されたJR元町駅西の高架下商店街は ちょうど、その中間に位置する。ここはつい最近まで同胞の経営する店舗も多かったが、1世の高齢化により、現在ではその姿を変えつつある。そのうちの一店 舗が廃業し、新しく店舗改装工事のため、高架橋脚のパネルを剥がしたところ、60数年も人目に触れず眠っていたポスターが現れたもの。
「建青兵庫」は日本共産党主導の「朝連」に対抗し、45年12月15日、神戸・新開地のガスビルに3000人余りの同胞が参加して、結成大会を挙行して出発した(当時の委員長は文東建氏)。
その後、独立運動家朴烈・李康勲両氏を迎えて歓迎大会を開くなどして勢力を拡げ、翌年の大会では初代兵庫民団団長となる玄孝燮氏が第2代の委員長に就任した。
ポスターが貼られた当時、在日同胞社会は独立問題で揺れに揺れていた。モスクワでの「米・英・ソ三国外相会議」で提起された「信託統 治案」に朝連は賛成、民団は反対だった。民団兵庫と密接な協力関係にあった「建青兵庫」もまた反対の姿勢をとった。だがその後、国連監視下の単独総選挙を めぐって対応が割れていく。
高架下商店街では20数年ほど前にも「朝鮮拳闘倶楽部」主催によるボクシング大会のポスターが発見された。当時のポスターはまだまだ埋もれているようだ。