アジア大会:ここでも人海戦術 ボランティア59万人投入
【広州・鈴木玲子】
12日夜に開会式を迎える広州アジア大会には、地元大学生ら大量のボランティアが投入されている。パラリンピックを含めたボラ ンティアは約59万人。競技場や地下鉄駅などに配置され、約590カ所の街頭ステーションが設置された。円滑な大会運営や治安維持のために「人海戦術」で 大会成功を実現し、中国南部最大の都市・広州のイメージアップを狙う。
「赤信号です。渡らないで」。街頭では女子大生ボランティアが信号無視で道路を渡ろうとする歩行者を必死に止めていた。「マナーを守るあなたは素晴らしい」と書かれたプラカードを掲げる。
ボランティアは「志願者」と呼ばれ、大会は競技場ボランティア6万人▽観光地など人が多く集まる場所に「都市ボランティア」50万人▽パラリン ピックに2万5000人--が参加する。広東外語外貿大学研究生の陳※さん(22)の仕事はメディアセンターのロシア語通訳。仕事は24時間の3交代制と 厳しいが、「北京五輪のときに参加できなかったので、今回はすぐ応募した。頑張りたい」と笑顔を見せる。同大4年の謝雅■さん(22)は「広州の良さをア ジアの人々に知ってほしい」と話す。中には「就職難なのでボランティアに参加したら就職に有利になると思って」と下心をのぞかせる男子学生(21)もい た。
中国では08年が「ボランティア元年」といわれる。5月の四川大地震、8月の北京五輪を経て国民にボランティア意識が高まった。それまで中国では 「公」は「官」が行うとの認識が強く、国民にボランティア意識は低かった。ただし中国のボランティア活動は学校や企業単位など所属組織を元に構成されるこ とが多く、外国とは多少性格が異なる。北京五輪では170万人、上海万博では200万人を超す人々がボランティアとして参加した。
※女へんに尾 ■女へんに亭