衆院予算委で質問を聞く安倍晋三首相=国会内で2013年3月12日午後1時4分、藤井太郎撮影
安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で、第二次世界大戦の戦犯を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判) について「大戦の総括は日本人自身の手でなく、いわば連合国側の勝者の判断によって断罪がなされた」と述べた。首相は第1次内閣で東京裁判を「受諾してお り異議を述べる立場にない」と国会答弁しており、この方針は維持するとみられる。しかし東京裁判に懐疑的な見方を示したことには中韓両国などのほか、戦勝 国の米国から批判が出る可能性もある。
また首相は、幣原内閣が敗戦原因を調査するため設置した「戦争調査会」が短期間で廃止されたことに言 及。連合国軍総司令部(GHQ)の諮問機関・対日理事会が「やめさせようとした」と述べた上で、「連合国にある種都合の悪い考え方も議論されるのではない かということで、議論を封殺したのではないか」と指摘した。
ただ一方で「歴史に対する評価は専門家に委ねるべきだ。政府が研究を行い意見を述べることは外交問題に発展する可能性もある」と強調。政府による大戦の総括は行わない考えも示した。
歴史認識を巡って首相は今回の就任前、従軍慰安婦問題をめぐる93年の「河野談話」見直しを示唆。就任 後は外交面の配慮から見直しに関与しない考えを示しているが、米国内ではなお懸念の声がある。首相は第1次政権では「(A級戦犯は)国内法的には戦争犯罪 人ではない」と明言しており、今回の東京裁判に関する発言が日米関係に影響する可能性もある。【小山由宇】
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「人民網日本語版」2013年3月14日
外交部(外務省)の華春瑩報道官は13日の定例記者会見で「極東国際軍事裁判は国際社会が日本軍国主義に対して行った正義の裁判であり、その結果は戦後国際秩序の重要な基礎となった」と述べた。
記者:日本の安倍晋三首相は12日の国会答弁で極東国際軍事裁判について「勝者の判断による断罪」と述べた。また「歴史は歴史学者が評価すべきだ。政府が 歴史問題の研究に加わり、意見を述べたら外交問題に発展する可能性がある」と述べた。これについて中国側のコメントは。
華報道官:日本 軍国主義の発動した侵略戦争はアジアを始め世界に深刻な災禍をもたらした。極東国際軍事裁判は国際社会が日本軍国主義に対して行った正義の裁判であり、そ の結果は戦後国際秩序の重要な基礎となった。日本国内には第2次大戦での失敗の結果を受け入れようとせず、戦後国際秩序への挑戦を企む勢力が常にいる。歴 史の判決を覆すことは許されず、正義に挑戦することは許されない。歴史がすでに繰り返し証明しているように、歴史を尊重して初めて未来を勝ち取ることがで きる。日本は歴史を直視し、深く反省して初めて、アジア近隣国との関係をうまく処理することができる。(編集NA)
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