スー・チーさん、再び自宅軟禁
なにが有罪判決か？
【ハノイ＝井上歩】ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんが国家防御法違反に問われた裁判で、ヤンゴンの特別法廷は１１日、 禁固３年の有罪判決を言い渡しました。軍事政権トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長は同日、刑を１年６月の自宅軟禁に減刑しました。
ヤンゴンからの報道によると、スー・チーさん側は控訴する方針ですが、判決が覆る可能性は低く、スー・チーさんが２０１０年実施予定の総選挙中も軟禁下に置かれることはほぼ確実です。軟禁・拘束は１９８９年以降、通算で１５年近くになります。
スー・チーさんは５月、自宅に侵入した米国人男性を許可なく滞在させたことが外部との接触を禁じた軟禁条件に違反するとして起訴されました。公判でスー・チーさんは無罪を主張。警備に責任があると指摘していました。
国連や東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）はスー・チーさんの起訴以降、解放要求を強めており、７月初旬には潘基文（パン・ギムン）事務総長がタン・シュエ議長に直接、政治囚の解放を働きかけました。軟禁延長に国際社会の批判が高まるのは必至です。