韓米間の対話で最も重要な課題は、アジア政策と北朝鮮核問題の関心の差を埋め、タイムラグによるズレを防ぎ、衝突ではなく調和を模索することだ。

2021-01-23 08:23:55 | 世界平和を実現するために

[寄稿]バイデン時代、南北米中の4者会談を始動すべき時

登録:2021-01-22 09:18 修正:2021-01-22 10:05
 
キム・ヨンチョル仁済大学教授・前統一部長官 
 
同盟協力を強調する「バイデン時代」 
対話・コミュニケーションの機会は開かれた 
我々の戦略を整備していこう 
 
米国の目指す多国的アプローチに中国を参加させ 
朝鮮半島を米中対決の緩衝空間に 
 
具体的な移行計画と信頼構築を通じて 
北朝鮮核問題の解決策づくりを急ぐべき 
早期交渉で核能力の凍結を進めよう
 
ジョー・バイデン米大統領が今月20日(現地時間)、ワシントンのホワイトハウスでテレビ電話で開催した職員宣誓行事に出席している。バイデン大統領は同日、「同僚愛と尊重」を強調した=ワシントン/ロイター・聯合ニュース

 ジョー・バイデン政権が発足した。ドナルド・トランプ政権の負の遺産を清算し、混線から秩序へ、対立から統合へ、孤立から協力への転換を宣言した。同盟国との協力を強調する「バイデン時代」は、果たしてトランプ政権で崩壊した利益調和の原則を修復することができるだろうか。対話とコミュニケーションの機会が開かれたので、これから韓国の戦略を整備しなければならない。

 バイデン政権のアジア政策の中核は中国を牽制することにある。トランプ政権の対中国政策を継承するものの、運営システムを革新し、米国が軸となって同盟国が輪となる協力体制を目指している。一方、北朝鮮核問題は原点に立ち戻って見直す計画だ。中国への牽制は具体的であるが、北朝鮮核問題は曖昧だ。韓米間の対話で最も重要な課題は、アジア政策と北朝鮮核問題の関心の差を埋め、タイムラグによるズレを防ぎ、衝突ではなく調和を模索することだ。

 第一に、米中競争から北朝鮮核問題の解決を切り離さなければならない。2019年2月のハノイ会談が物別れに終わってから、朝中は近づいた一方、南北は遠ざかり、北朝鮮の対米要求は強硬になった。変化した秩序の中、中国の役割が重要になった。米国と中国が協力しなければ、北朝鮮核問題は解決困難な構造になっている。米国が目指す多国的アプローチに中国を参加させ、朝鮮半島を米中対決の緩衝空間にしなければならない。もはや南北米中の4者協議を始動すべき時である。

 第二に、安保ジレンマの悪循環から抜け出さなければならない。北朝鮮の核武力の高度化は、朝鮮半島全体に軍拡競争をもたらすだろう。北東アジアでも、中国の接近阻止(Anti Access)戦略の具体化とバイデン政権の軍事的対応戦略が姿を現わすだろう。朝鮮半島と北東アジアで同時に安保ジレンマが否定的な相乗作用を起こす可能性が高くなった。北朝鮮核問題の解決策は結局、安保ジレンマの罠から抜け出さない限り始まらない。堅固な安保の基盤がなければ、朝鮮半島の平和を守ることはできない。しかし、平和を作り出さない限り、平和そのものを守るのが難しくなるのもまた事実だ。現在の状況に合わせた適正な抑止力のレベルを検討すべき時である。

 第三に、サプライチェーンの分断を阻止しなければならない。北朝鮮は第8回党大会で「自力更生戦略」を選択し、中国は国内循環が中心になる「双循環戦略」を宣言した。北朝鮮と中国いずれも情勢の予測可能性が低くなったことを受け、経済分野で長期戦に備えている。しかし、今もこれからも朝中両国の経済協力は維持されるだろう。中国は北朝鮮に食糧と肥料を支援している。制裁が長期化すれば、非制裁品目を中心に朝中経済圏が構造されるだろう。サプライチェーンの分断は軍拡競争とともに南北関係の遠心力として作用する。北朝鮮核問題の解決策において経済的手段の重要性を認識し、その実現が困難であっても、南北と中国、南北とロシアの三カ国協力を放棄してはならない。

 結局、北朝鮮核問題の解決策を早めに講じなければならない。解決は失敗した地点から始めなければならない。北朝鮮核問題の解決策で重要なのは次の二点だ。まず、原則的な合意ではなく、具体的な履行計画が必要だ。バイデン政権の外交安保チームは、大半がイラン核合意の主役たちだ。イラン核合意は本文が100ページ近い詳細な履行計画によって構成されている。むろん北朝鮮とイランの核開発の水準が異なるため、全過程の履行計画書を作成するにはかなり時間がかかるだろう。それでもバイデン政権の交渉チームは、一定レベルの初期措置については詳細な履行計画書の作成を目指すと見られる。それに備えなければならない。

 次に、信頼構築の重要性である。イラン核合意での制裁解除は合意を破れば取り消すという「スナップバック方式」を活用した。スナップバック条項は信頼できない状況下での条件付き合意だ。もしハノイ会談で、寧辺(ヨンビョン)の核施設を廃棄する見返りとして制裁緩和をスナップバック方式で合意していたなら、この2年間少なからぬ成果があっただろう。さらに残念なのは、トランプ政権がスナップバック条項をイラン核合意を破棄する根拠に活用したため、スナップバックに対する北朝鮮の不信感が以前にもまして深くなったという点だ。しかし、スナップバックは信頼が足りない状況での安全装置であり、合意を履行すれば何の問題もない。重要なのは信頼構築の重要性だ。信頼は約束の履行を通じて築かれるため、時間がかかる。スナップバックは一時的な措置であるが、信頼の構築は持続可能性を担保する履行の動力である。交渉の全過程で地道に信頼を築く努力が必要だ。

 北朝鮮の核能力を考えれば、交渉も履行も長期戦が避けられない。早めに交渉を始め、まず北朝鮮の核能力を凍結しなければならない。(北朝鮮の核開発を)止めてこそ、悪化から解決に転じることができるからだ。

 だからこそ、北朝鮮核問題(の解決)はいつも今日が明日より容易である。時間が経過するほど、北朝鮮の核能力が高まり、内容が複雑になるためだ。時には楽観より悲観が現実的だ。過去の古い期待から抜け出し、状況の厳しさを認めてこそ、解決策を講じることができる。朝鮮半島の秩序の変化を深く理解し、進むべき道は険しいと考え、国際的にも国内的にも共感を深めていく努力が必要である。

 
//ハンギョレ新聞社
キム・ヨンチョル|仁済大学教授・前統一部長官 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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