「地球沸騰化の時代」
気候危機対策強化求める
国連総長が警告
【ワシントン=島田峰隆】グテレス国連事務総長は27日、世界気象機関(WMO)などが今年7月が観測史上最も暑い月となるとの見通しを示したことについて、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警告しました。各国政府や企業に対し、気候危機対策の強化を求めました。
ニューヨークの国連本部で記者会見したグテレス氏は、欧米やアジアなどの大部分で観測されている猛暑について「過酷な夏になっている。地球全体にとって大惨事だ」と強調しました。
グテレス氏は、産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える国際枠組み「パリ協定」の目標達成は「まだ可能だ」と指摘。「特に温室効果ガス排出の8割に責任を負っている20カ国・地域(G20)が気候危機対策と気候正義の実現へさらに力を入れねばならない」と強調しました。
排出削減の面ではG20に新たな野心的な目標設定を要請しました。またすべての政府や企業に対して、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を進めるよう求めました。
特に金融機関が化石燃料事業への融資を中止すること、化石燃料企業がクリーン・エネルギーへ方向転換することを要求しました。
グテレス氏は、途上国を支援する「緑の気候基金」について、主要7カ国(G7)のうち追加拠出を表明したのはカナダとドイツだけだと懸念を示し、先進国に行動を促しました。
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