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「今年の一皿」は鶏むね肉料理

2017-12-04 20:42:21 | 日記
「今年の一皿」は鶏むね肉料理
"One dish of the year" is chicken meat dish

この1年話題になり、世相を反映した「食」を選ぶ「今年の一皿」が発表され、低脂肪・高タンパクで人気となった鶏むね肉料理が選ばれました。
「今年の一皿」は、飲食店情報の調査会社 ぐるなび総研がインターネット上の検索数やアンケートなどから、世相を反映した、その1年を象徴する食べ物や飲み物を選ぶもので、ことしで4回目となります。

今回は、6つの「食」がノミネートされ、選考の結果、鶏むね肉料理が選ばれました。

調査会社は選考の理由として、健康志向の高まりで低糖質ブームが続き、東京オリンピックまで3年とスポーツへの関心も高まる中で、糖質や脂質が少なく、たんぱく質を多く含む食材として注目されたとしています。

加熱すると固くなりパサつくとされてきたものの、さまざまな調理法により柔らかくしっとりと食べられるようになり、野菜や果物と一緒に主食として食べる新しいスタイルも登場したとしています。

また、準大賞には、通常の炭酸飲料よりも炭酸ガスを多く含み、刺激が強いとされる強炭酸ドリンクが選ばれたほか、特に検索数が伸びた急上昇ワード賞には、炒めた鶏肉や野菜などをチーズに絡めて食べる、韓国発祥のチーズタッカルビが選ばれました。
ノミネートされた6つの食
今回は「今年の一皿」の候補として、6つの食べ物や飲み物がノミネートされました。

強炭酸ドリンクは、通常の炭酸飲料よりも炭酸ガスを多く含んだもので、より炭酸の刺激を感じることができるとして飲食店などで人気となりました。

チーズタッカルビは、鶏肉と野菜などを甘辛いたれと炒めて、鉄板の上でチーズに絡めて食べる韓国発祥の料理です。熱々のチーズが伸びる様子がネット上で注目を集め、飲食店情報サイト ぐるなびでの検索数は前の年と比べておよそ1500倍になりました。

鶏むね肉料理は、糖質や脂質が少なく、たんぱく質を多く含んだ鶏のむね肉を使った料理です。健康志向が高まる中で、コンビニでは調理済みで手軽に食べることができる商品がヒットしたほか、飲食店でも人気のメニューとなりました。

日本茶スイーツは、抹茶やほうじ茶など日本茶と洋菓子の要素を合わせたお菓子で、チョコレート菓子やアイスクリーム、パフェなどが人気となりました。

フォトジェニックサンドイッチは、断面が色鮮やかな模様のように作られたサンドイッチです。SNSでの発信を目的に写真映えする料理として、彩りのよい野菜をふんだんに挟んだものなどが話題となりました。

Neo日本酒は原料や製造方法などが改良された日本酒で、ワイングラスで味わうものなど国内外で女性を中心に新たなファンを増やし、世界的な和食ブームの中で改めて日本酒が注目されていることからノミネートされました。
コンビニでサラダチキンが大ヒット
大手コンビニ各社では、サラダの具材などとして袋から出してすぐに食べられる、鶏むね肉のサラダチキンなどがヒット商品となっています。

このうち、ファミリーマートでは、とうがらしやにんにくなどでスナック菓子のような味付けをしたものや、ダイエットを指導するフィットネスクラブと共同開発した、片手でも食べやすくカットしたものなど、ことし商品の種類を大幅に増やしました。

主に20代から30代に人気を集めていて、一連の商品の売り上げは去年の1.5倍に上っているということです。

ファミリーマート広報室の篠崎直人さんは「性別を問わず、特にダイエット中の人たちに人気で、昼食時にサラダと一緒に買い求める人や、チキンだけ食べる人もいる。今後も新商品も展開してアピールしていきたい」と話しています。
飲食店でも鶏むね肉が人気
鶏むね肉を使った料理を看板メニューにした飲食店も人気となっています。

東京・港区のレストランでは、もともと筋力トレーニングをしている人向けのメニューを提供していましたが、鶏むね肉のステーキが人気となり、幅広い層のお客さんが訪れるようになっています。

鶏むね肉は、低脂肪で高タンパクという特徴があるものの、熱を通すとパサついた食感になりがちだと言われていて、この店では食感をよくするため、焼き方や蒸し方などを工夫しているということです。

30代の女性客は「柔らかくしっとりしておいしい。いつまでも健康できれいでいたいので、ヘルシーなむね肉をおいしく食べることができるのでうれしい」と話していました。

筋肉食堂を運営する会社の谷川俊平マネージャーは、「筋トレをしている人だけでなくダイエット中の人にも人気で、20代から40代まで幅広い方から注文がある。東京オリンピックに向けて健康志向はもっと高まると思うので、鶏むね肉のニーズはもっと広がると思う」と話していました。
鶏肉人気 生産輸入とも増加
むね肉の人気の高まりもあって鶏肉の消費量が増え、国内の鶏肉生産だけでなく海外からの輸入も増加し、経済への波及効果も見られます。

ことし4月から9月までの今年度上半期の国内の鶏肉の生産量は、76万9000トン余りと前の年の同じ時期に比べて1.6%増えたほか、輸入量は29万3000トン余りと6.2%の増加となりました。

大手商社や食品会社では、今後もむね肉にとどまらず鶏肉全体の需要が伸びる見込んでいて、住友商事では、これまで実績のなかったトルコからことし10月に初めて鶏肉の輸入を始めたほか、日本ハムも今年度中に、日本向け製品を取り扱うタイの鶏肉加工会社におよそ90億円を出資するなど、外国産鶏肉の調達を強化する動きが相次いでいます。
鶏肉生産者「注目されてうれしい」
鹿児島の畜産加工会社 ナンチクの北野良夫専務は「ことし7月に地鶏の生産を始めたばかりだが、今回、一皿に選ばれ、さい先がよく、とてもうれしい。健康志向で鶏肉はもっと人気が出ると思うので、今後も生産拡大に向けて頑張りたい」と話しました。

また、鶏肉の生産者や加工業者、小売店などが加盟する日本食鳥協会の佐藤実会長は「むね肉はどちらかというと人気がない部位だったので、これだけ注目され、食べてもらえるようになって本当にうれしい。一時のブームで終わらないようメニューの開発や展開を考えていきたい」と話していました。
ぐるなび総研「健康志向の流れは今後も強まる」
主催したぐるなび総研の三村麻里香さんは「ノミネートされた食は全体的にSNS映えや健康を意識した傾向だが、これは、ことし多くの企業で働き方改革が進められ、日常の食をよりよくしようと考えるきっかけになった現れではないか。2020年の東京オリンピックに向けて、健康志向の流れは今後も一層、強まると思う」と話していました。


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