~ 青天の霹靂 ~

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パリに魅せられた、あるホテルマンの呟き

病気はなぜ、あるのか ~進化医学による新しい理解~

2009年05月28日 01時07分19秒 | 病気の話
病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解
ランドルフ・M. ネシー,ジョージ・C. ウィリアムズ
新曜社

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いま、『病気はなぜ、あるのか?』 という本を読んでいる。

もともとのキッカケは、爆問学問で見た
総合研究大学院大学の長谷川眞理子教授の話が
面白くて興味を持ったから。
「なぜヒトはヒトを殺すのか?」
この問いに進化論の立場から挑んでいる。

番組については↓
http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20090519.html
速攻アマゾンで調べて、翌日には著書と訳書を手に入れた。
そのうちの一冊だ。

で、まだ読んでる途中なんだけど、
たとえば、風邪を引くとなぜ熱がでるのか?
体温を2度程度上昇させることにより、
体の防衛機能が活発になる。
つまり、免疫機能を向上させるのだ。
もちろんデメリットもあり、健康な時よりエネルギーを
20%も多く消費するとか、朦朧としたり一般生活に
差し障るのは言うまでもない。

生物が進化の過程でウイルスと戦う中で、どんな
防衛手段を獲得し、今日に至るのかということが
書かれており、研究者や一般人がある治療や投薬を
受けるさいに考慮すべき材料を提供する目的で
書かれたらしい。

たとえば、熱という症状でいえば、単に熱があるから
解熱剤を飲むというのでは、免疫機能を低下させ、
かえって病気の治癒が遅れるという研究結果が紹介されている。
この本を読めば、今日は昼から大事なプレゼンが
あるから風邪が長引くことは承知の上で、解熱剤を飲んで
仕事に向かうのか、今日はゆっくり休めるのだから
栄養をしっかり取って寝て治すのか、
自分の置かれた状況から判断することができるようになる。


自分の実感としても、1ヶ月ほど前に風邪を引いて
1週間以上治らなかった。薬を飲んだのに。
市販薬でいま人気のある、症状狙い撃ちタイプのものだ。
鼻が詰まり、喉が痛く、熱が出たので鼻水を止めて
熱を下げる薬を選択したのだが、これがいけない。
薬を飲んでる間は効果てきめんなのだが、
薬をやめると一向に症状が改善されていない。
仕方なく薬を飲み続けたら、10日近く悩まされた。

その時は、遅々として改善が望めない薬として自分の中で
カテゴリー分類されたのだが、この本を読み進めて
いくうちに合点がいった。
鼻水や喉の炎症は、病気の種類にもよるが基本的に
体の防衛機能が働いた状態なのだ。
風邪で言えば、体内へのウイルスの侵入を許すと、
3つの反応が起こる。
まずは、①これ以上体内にウイルスを侵入させない
次に、②体の免疫機能を高める
最後に、③侵入したウイルスを死滅させる

①が咳や鼻水によってウイルスと思しきものを排除
②が発熱
③が発熱によって活性化した白血球などがウイルスを駆除
…というわけだ。

これを知ってか知らいでか、症状を緩和する風邪薬が
氾濫しているのは、製薬会社の陰謀じゃね?とか勘ぐったり。
医師の出す処方箋にしたって『ブラックジャックによろしく』
が暴露したように薬を出せば出すほど医者と製薬会社が
儲かる日本のしくみ。
風邪の症状を見て取った医師が「卵酒でも飲んでゆっくり
休んでればいいよ」なんて患者に告げても、薬の処方がなければ
いまだ数百円にしかならない世の中なのだ。

風邪薬で済んでるうちはいいが…。
新型インフルエンザの蔓延にしたって、現代社会の薬偏重の
治療体制の盲点を突いているのではと勘ぐってみたり。
要は、人間の体の正常な防御活動と、ウイルスによる症状とが
医師でさえも混同してないだろうか。

医療制度も少しずつ変わりつつあるけど、自分の身は
自分で守るしかないんだなと思ったよ。
話が少しズレたが、面白ければこの本はもっと紹介していきたい。

※ただしこの本の冒頭で述べられているように、
医師の処方やアドバイスを無視するとか、勝手に
判断するために進化論的アプローチを用いるのではなく
医師は病気の解明と対処の一助にするとともに、
患者は自分の身に生じている症状が何なのか、
そして飲む薬がどういう作用を及ぼすかを
医師から説明を受けた上であとは自分がどうするか?
なのだという。
くしゃみも発熱も、防衛機能として認知されれば
時には不快でも我慢するだろうし、やむを得ず薬を
服用する時もリスクが分かるというわけなのだ。

新型の威力。

2009年05月18日 23時15分47秒 | 病気の話
今でも覚えている。

朝のニュースを見たら、27人
夕方帰ってきたら、700人
翌朝の新聞を見たら、2000以上の死者となっていた。
なんの話かというと、阪神大震災の時の首都圏での報道だ。
1995年1月17日午前5時46分に発生した地震は
こんなにも時間を置いて伝わったのだ。
もちろん、一日中テレビを見ていたわけではないし
あくまで、携帯もネットもなかった時の話だけれども。

いま、これと同じことが起こっている。
昨日の新聞で感染は8人だった。
今日の朝刊には、80人と増えている。
夕刊をみると130人になっていた。
こえーよ。

関西にいるみんなは、大丈夫なのかな!?
そして、間違いなく首都圏にも来るね。
西だけで済むわけがない。
ま、日本における致死率は、いまだ0%だし
最高潮に流行っても数パーセント。
ビビる話ではないね。

それよりも、修学旅行を中心とした宿泊や
宴会のキャンセルが相次いでいる。
中高生にとっては可哀想だし、ただでさえ売上が落ちているのに
ホテルとしても頭が痛い。

多発性内分泌腫瘍症候群 2B型 ~その3~

2006年10月02日 13時24分55秒 | 病気の話
退院しました!

さて、同じ病気で闘う人のためにと始めたこの連載企画
『病気の話』もどうやら一旦休止に追い込まれるので
まとめ。

年齢:26歳
性別:男
病名:多発性内分泌腫瘍症候群 
類型:2B型
症状:右副腎に褐色細胞腫(良性腫瘍の一種)ができ、
   血中のカテコラミン(アドレナリン)の過剰分泌による
   血圧の突発的かつ、急激な上昇
   目の充血、大腸の腫れなど
血圧:通常時120/80(異常時180/100程度)
   通常時の上の血圧と異常時の下の血圧が同じ場合も。
   なお、200~300の血圧が常時続くと、確実に死に至る。
部位:右副腎
大きさ:7センチ(正常副腎は4×2×0.7cmの500円玉大の小さな臓器)
経過:2週間の検査入院を経て、腹腔鏡下手術にて右副腎ごと、
   問題の褐色細胞腫を切除、一週間の入院で退院。
原因:現段階で、その原因は特定できていない。
   したがって、経過観察が必要となるが腫瘍の再発を
   止める手段はない。
将来:副腎、甲状腺といったホルモンを司る臓器に、
   今後も褐色細胞腫ができる恐れがある。   
   ただし、副腎・甲状腺ともに全切除が可能。
   以後は、丸薬によるホルモン投与が一生必要となる。
検査:心電図、x線撮影、腹部MRI、終日蓄尿、血圧・体温測定
   血液検査(試験管サイズで1回あたり4~7本)
   造影剤投与のCT、ACTH付加試験(ACTH投与後、複数回採血)
   MIBGシンチグラフィ付加試験、(デカドロン投与後、複数回採血)
   24時間心電図、24時間血圧測定、
   同位体付加試験(同位体摂取後、複数回採血)
   OGTT付加試験、甲状腺エコー、甲状腺CT

   付加試験とは、あるホルモン物質を血管に投与し、
   副腎や甲状腺に刺激(付加)を与え、その経過観察から
   予想されうる病名の除外を図るという目的の検査である。
   除外の結果、病名の特定を得るまでに、私の場合で
   総計20回以上の採血検査が行われた。
   検査自体に1日以上要するのと、結果が即時判明しにくいため
   検査結果を基にした追加検査が行われるため、
   検査期間が14日間にも渡っている。

   以上が、14日間に行われた検査で、ほぼ時系列順。
   総点数は50,569点。1点は10円換算。
   支払い金額は、各人の保険負担パーセントによる。
検査:手術入院中の検査。私の場合は2日間。
   心電図、血液検査(計14本)、蓄尿
   血圧・体温測定・インスリン測定(毎日4回、術後あわせ計16回)
日数:検査入院14日間、手術7日間
点数:36,145点(手術)13,584点(麻酔)29,396点(包括評価)
   事前に私が調べても手術に関しては、30,000点台であり
   間違いのないものである。   
金額:検査16万2千円、手術25万5千円
保険:都民共済及びAIGスター生命
   満額下りるかは、今後申請の結果が判明次第、掲載。

なお、どの病院にて手術をしたかという肝心な部分については、
触れていません。メールをお寄せください。
nhe58857@yahoo.co.jp
フリーメールは、これを受け付けません。
何卒ご容赦下さい。

また、医学的な内容については、素人である私自身の経験に
基づいたものと研修医の先生が、主治医の先生の話を
咀嚼して下さったものをもとに書かれており、
ご覧の方々と一致するとは限りません。
あくまで、参考程度にお役立て下さい。
金額・点数についても同様です。
転載複製については、これを歓迎しますが御一報願います。

   

明後日の月曜日には

2006年09月30日 23時22分19秒 | 病気の話
退院します!
わずか一週間。手術から数えても、五日目に退院。
本人が一番ビックリ。w(゜o゜)w

現代の医学って凄いのね。
臓器一個取り出した翌日には歩き出して、
二日後には点滴とれて飯が食える。すげー。
三日目には風呂入った。
で、明日は日曜日だからという理由で
月曜日退院。嘘みたいぢゃ。

酒だけはダメよ、とキツく言われました。
なんでも尿が出なくなると脅されますた。

でもよ、気味悪いぐらい早い退院で、
快気祝いって気分じゃないよ。不気味でならない…。
『ごめん、見落としがあってどうも気になるから、もっかい来て』
とか言われるかも。

ともあれ、ドラえもんのポケットよろしく
ザックリ切ってたのが5センチだからね、わずか。
内視鏡手術を考えた人は、世界中の人の入院日数を
減らしたんだから、凄い。
病床の回転率も上がっただろうし。いい仕事してますよ。

一番辛かったこと

2006年09月29日 22時26分34秒 | 病気の話
今回一番キツかったのは、紛れも無く術後3時間目に
起きてしまったことだった。

痛いし、動けないし、生命維持装置はうるさいし、
従って寝れないし、だから全く時間はたたない。
死んだほうがマシじゃないかとマジで思った。
寝たきりには絶対なりたくないと思った。
3時間ぐらいたったかと思ったら2、30分しか経ってない。
その間も、寝返りすらできないし。

普通、全身麻酔手術のその日は、起きないんだよね。
起きても夜中の2時とか。
それがまさか、夕方3時に目覚めるとは。

まあ今回の手術は、麻酔科医にとっては
安定した血圧に保つのが難しかったらしい。
褐色細胞腫がカテコラミンという物質を出して、
血圧を上げていたから。
したがって、すぐに目覚めたのではないか、
というのが、僕の仮説。

なにしろ今回は、異常に目覚めが早かった。
頭は比較的クリアーなのが追い撃ちをかけたかも。
お陰でバッチリとブログに載せれたわけだが。

最強のリカバリー能力

2006年09月29日 17時29分14秒 | 病気の話
病歴の多いbb星人だが、リカバリー能力だけは高い。治りが異様に早いのだ。たぶん、新陳代謝が活発なお陰。

切った翌日には歩いて、翌々日には管が全てとれたのは、異例なんだって。お粥だけど飯も食えるし、あとは頭洗いや風呂を残すのみだ。

ちなみに、抜糸はない!
o(^-^)o
切ったことないひとには、分からないだろうがこの差はデカい。
抜糸は痛いのよ、マジで。先生容赦なくバチバチやるから、ハンパない。
先生の技量や部位によるけど、縫い込みなしで寄せてくっつけて、残りは溶ける糸での処置とはすごい感激。
つまり、僕にする処置はもうないんだな。あとは痛み止め出して、日薬のようだ!(^0^)/

いよいよ

2006年09月26日 20時12分41秒 | 病気の話
明朝9時には手術。

執刀医の先生は、毎年150例の手術をこなす
チームの一員。

15年前には、成功率が50%という手術であった
と説明を受けた。
医学や医薬の進歩に感謝だ。

難易度は高いのは否定できないものの、
毎日毎週のように行われている手術の一つであるのが安心できる。
手術の成功率は、98%という統計だが、
もちろん手術による生存率は限りなく100%に近い。

僕のやることは、どうやらゆっくり寝ることだけらしい。
ふー、やれやれだぜい。。

先生の話

2006年09月25日 19時29分28秒 | 病気の話
手術について説明を受けた。確率的には98%成功し、
残り2%が他臓器を傷つけてしまうかもしれないとのこと。

傷つけてしまうと、術後の回復具合に差がでる。

副腎はかなり奥にある臓器なので、
いくつか掻き分けて内視鏡を進めるらしい。
傷口は5センチが1つ、1センチが2つほど出来るらしいが、
早ければ翌日には病室を歩けるとのことだ。
さて、日ごろの行いの良さが試される!?
ぶるぶる。

バーコード

2006年09月25日 13時05分45秒 | 病気の話
朝起きたのが遅くて、入院時間に遅刻した。
なんーて、緊張感のない bb星人。

血糖値とCTと採血がある模様。そのあと、主治医から手術についての説明があるらしい。

写真は患者の認識表。
バーコードで管理されているらしい。退院までとれることはない。

いよいよ手術

2006年09月24日 23時21分35秒 | 病気の話
手術まであと3日。
不安なような、妙に落ち着いているような
どちらかというと実感のないような
変な気分だ。

宝くじよりは低く、交通事故と同程度の失敗確率に
自ら飛び込むのだから、やっぱり不安だ。
全身麻酔は、寝るときが一番怖い。
起きたら死んでるかもしれないし、
一番良くて、キンキンに明るいICUで体のあちこちに
管がついた状態で目が覚めて、
当直の看護師さんと二言三言交わして、
いつのまにかまた眠りに落ちているパターン。

次に起きるときには、麻酔が切れていて、痛みがひどく
頭は急激に冴え渡るはずだ。
こんな知らなくてもいいことまで、知っているから
不安は逆に増長される。
あーやだやだ。