羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

今朝のこと

2017年08月16日 07時27分26秒 | Weblog
 今朝の朝ご飯は、こんなメニュー。
 炊きたてのご飯に、ジャガイモとわかめのみそ汁。
 みそ汁は、冷蔵庫で昆布とカタクチイワシの煮干しを一昼夜浸して出汁をとる。朝になると、出汁用昆布はしっかりとひらいているし、ぬめりも出ている。
 火にかけて、ぐらぐらと来る前に昆布をとり出し、残った煮干しはしっかり煮出す。
 火を止めたらすぐに醤油を一たれ、お酒を少々そそいでおく。この一手間が肝心。

 おかずは、昨日のうちに用意した車麩と小松菜の煮物と納豆。
 キャベツ・人参・胡瓜の酢漬け。今回は米酢に、余っていたレモンの汁を少々加えたので香りが違った。

 三番出汁までとった昆布と鰹節をためておいて、焚いた自家製佃煮。これが辛すぎず甘すぎず、固すぎずふんわりした触感を残した自分好みの味で、ご飯がすすむ。

 デザートは、佐治さんから送られたメロンを小分けにして、割り箸を刺し冷凍しておいた一切れを、寝る前に冷蔵庫に移しておいた。解凍状態もよろしく、一口だいに切り分けヨーグルトに混ぜる。これも美味。

 ニュースを見ながら、日本茶をすすった。
 じわじわとある思いがこみ上げた。
 こうした朝食がとれる幸せ。
 食べ終わって、急に、申し訳ないような気がした。

 というのも、昨晩見たNHKスペシャル『戦慄のインパール』をふと思い出したからだ。
 NHKがやる気をだせばできる。すごい取材力があるんだ。
 簡単に入る事ができない現地で当時を知る現地の人々への取材、イギリスが残した10時間以上の記録映像、そして戦後も地獄を抱えて生きた数少ない元兵士の方々へのインタビュー。

 責任をとらない上層部・参謀たちを静かに弾劾する。
 左右の胸に埋め尽くされた勲章が、いかにも誇らし気な軍人のポートレートにかぶって、作戦を正当化し、自己保身のみの録音がながれる。
 最初に逃げ出した司令官だ。

 兵士の命は、弾丸一個より安いものなのか。
 その弾丸すら不足している戦争の無謀な作戦をなぜやめなかったのか。

 最後に、インパール作戦に随行して記録を残し、死の渕をさまよっているうちに捕虜となった元将校へのインタビュー。
 90歳を過ぎている。
 残っていた自らが書いた行軍記録を見せられて、悔恨の情に涙し、さらにことばが失われていく。
 頭を垂れて、うなだれて、車椅子に力なく腰掛ける姿を残して、カメラは少しずつ遠ざかってフェードアウトし、画面は一瞬、漆黒の闇となった。
 
 この闇に語らせた意味は深い。

 たまったもんじゃない、と私は言い放って、流しに立った。
 水を出しながら、再び、思い出した。
 兵士たちは武器は捨てても、飯盒だけは最後まで手放さなかった、という。
 私は、鍋を、食器を、いつもより丁寧に丁寧に洗った。

 まだまだ戦争は終わらない、8月16日の朝。
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