羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

ロホクッション

2016年09月07日 10時03分01秒 | Weblog
 一月に一回のペースで、母を皮膚科につれていく。
 巻き爪と爪水虫の治療のためである。
 
 ところで最近になって気づいたことがある。
 就寝前に赤ちゃんの沐浴剤を入れた湯で湿らせたタオルを使って、母のからだを拭いている。その際に、お尻に傷が出来て出血していた。
 こうなる前までは、変色している部位を濡らしたガーゼで拭き、乾いたガーゼで水気を拭き取っていたけれど、痛がってそれができなくなっていた。
「これって床ずれかもしれない」
 密かに思っていたが、母には言わなかった。

 昨日、足の治療の際にそのことを伝えると、患部を見た先生の見立ても同様であった。
 2種類の治療薬を出し、車椅子用の床ずれ防止クッシュン「ロホクッション」を教えてくれた。
 介護保険でも借りられるそうだ。
 といわれてもピンとこなかった。

 帰宅して、Web検索してみた。
 迂闊でしたね。
 床ずれというのは、寝たきりの人がなるものと思い込んでいた。
 しかし、母の一日の暮らし方を思い返してみると、柔らかな二人〜三人掛けのソファに座って過ごしている時間が殆どである。
 長時間同じ状態を続けていれば、寝たきりでなくても”座りきり床ずれ”は出来る可能性があるというわけだ。
 最近は以前に比べて転ばなくなった。気をつけているのだなぁ、くらいにしか考えていなかった。
 実態は、家のなかでも歩くことがとみに少なくなった証拠なのだ。
 寝たきりでないから、という安易で間違った認識しかもっていなかった。
 母も、自分はまだ寝たきりではない、と思い込んでいた。
 
 そんな母に、今朝、話しかけた。
「あのね、座りっきりで、床ずれが出来てしまったみたい。夏だから汗もかくし、年中、押し付けられて空気がかよわないから、なるんだと思うの。まぁ、生活習慣病と思えばいいんじゃない。車椅子の生活を強いられている人も床ずれが出来るんですって」
「エッ、そうなの?」
「だからね、先ずは、用事がなくても玄関の方にいったり、二階に上がったり、家の中をウロウロしてみたらいいんじゃない」

 母は、体操をしましょう、歩きましょう、などというと嫌がる。
 そこで家のなかをウロウロすることと、以前やっていた食後の食器洗いを再開することなどもすすめてみた。
「わかったわ!」
 と宣うのだが……。

 はじめて、車椅子用の床ずれ防止クッション「ロホクッション」なるものがあることを知って、高齢者問題がぐっと近づいてきた。というか、自分の問題にもなってきた。
 本日から朝日新聞で始まったシリーズ『教えて! 2025年問題 都心の「介護難民」深刻に』
 他人事じゃない、と記事を切り抜いたが、先送りている場合じゃないー。

 すぐ私に出来ることは何だろう。
 野口体操だ、とばかりに二階へ。
 たっぷり1時間、久しぶりに、真剣に体操をした。

「生きるということは、誰のものでもない、自分の命を生かしているのだ」
 体操するということは、気持ちがいいとか、健康にいいとか、老化防止とか、それも十分大事なことであるけれど、もっとダイレクトに「自分の命」とどう関わるのか、ということだった。
 野口体操で教えられたこと、求めたことはそういうことだったはずだ。
 月並みな言い方だが、自分に言い聞かせましょうぞ。
「初心忘るべからず!」
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