羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

車内の会話

2007年06月19日 16時14分15秒 | Weblog
「だから、あんたがかまいすぎなんだッ」
「そんなこといたって、仕方ないじゃないですか」
「俺は、嫌だぞ。絶対手伝わないからな」
「。。。。。。。。。。」
「だいたい、感謝の言葉くらい言ったっていいじゃないか」
「。。。。。。。。。。」
「母さんのときは、何かやってやれば、ありがとうって必ず感謝してたんだ。それなのに、気持ちがないんだから」
「ですから、みんなにも助けてほしいって……」
「嫌だね。この前だって、起こそうとしたら、ものすごく重くて、こっちの腰がやられそうだったんだ」
「だから、お願いしてるんじゃありませんかッ」

 何気なくからだをひねって後ろ見ると、予想したとおり、50過ぎの夫婦が言い争っていた。夫は会社員で妻はアルバイトで仕事場に行くような感じ。

 どうやら介護を必要とする家族の問題を電車に乗り込むか前からはじめて、そのまま止められなくなっているようだ。

「赤ちゃんポストはあるけどな、年寄りはそんなところはないんだ。でも俺はみないからな」
「。。。。。。。。。。。、あたしだって疲れました」
「やりすぎなんだよ。それを同じように求められたって、出来るわけないじゃないの」

 駅に電車が滑り込んだ。
 同じホームに降り立った。
 改札も一緒、住友ビル方向に歩いていくのも一緒。

 老人介護は、大問題なのだ。他人事として聞くことは出来なかった。悪いと思いつつ、聞き耳を立ててしまった。

 健康にいいものを食べて、健康にいい体操をして、寝たきりにならないように禁欲的な暮らしをしたとこころで、そうならないという保障は一つもない。
 神様は、気まぐれなのだから。
 何があっても引き受けていかなければならない。しかし、引き受け切れないことのほうが多い。

 あぁ~あ、美味しいものを食べて、美しいものを見て、コロッと死ねたらいいのにね、って誰かがいってます。
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2 コメント

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介護は大変 (猪俣佐久生)
2007-06-19 19:35:57
私の両親の介護は私が20歳~30歳台でした。
父は寝たきりで14年、ほとんど母が献身的に看病をしていましたが、当時は入浴サービスなどなかったので、散髪と入浴は私の役割でした。
そんな父を見送り母は2年後に肺がんに罹り入院、後を追うように亡くなりました。私達にあまり迷惑を掛けないような亡くなり方でした。
いま50歳を過ぎて同じようにお世話が出来るかと言ったら身体が悲鳴をあげてしまうのではないかと不安です。電車の会話は切実ですね。
ただ言える事は、自分の子供が私達の生活を見ていて、私が病んだ時に優しく看病してくれたのはありがたいことでした。
そして母の口癖だった「親孝行しやすい親になりたい」を思い出し、野口体操で言う要らない物をそぎ落とす生き方を目指したいと思いました。
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介護のこと (羽鳥)
2007-06-20 09:30:26
このブログに書けないような発言もあったんですよ。でも、一概に非難できないことでした。
猪俣さん、いい家族関係を代々築かれていらっしゃるといつもお見受けしてます。

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