羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

麦秋と石

2012年05月26日 09時07分44秒 | Weblog
 麦が色づき、日差しを受けた畑は黄金色に輝く季節。
「麦秋」と書いて、バクシュウ、むぎあきと読む。
 なぜか理由はわからないが、陰暦四月の異称だというこの言葉が、以前から好きだった。たとえば手紙の封印に「〆」ではなく「封」でもなく、季節の植物の名を記すことがあるが、とりわけこの文字「麦秋」を記すときは、気分が違う。無理矢理に野暮な理屈をつければ、「一年も半分まで過ぎてしまった。無為に過ごしたわけではないが、なんとわなしの甘い後悔の念からくる“振り返る心持ち”につく溜息がいい」のだ。
 
 九州地方はすでに麦秋の時を迎えている。梅雨に入る直前の5月下旬から6月にかけて、季節の変動が大きいときでもある。
 麦の穂が風に吹かれて、うねるように波立つ初夏の風景は、詩心をそそられる人も多かろう。
 いやいや、不調法な私は、この言葉が好きというだけで、一句も詠むことができないだけなく、麦酒の美味しさも嗜めないなんて、なんとも哀しいが。
 それはおいても、暖房も冷房もいらない季節の心地よさを、今朝から満喫している。
 
 さて、午後からの朝日カルチャーセンター「野口体操」のテーマは『瑠璃も玻璃も照らせば光る」のことわざにある「玻璃」つまり「水晶」である。
 ミネラルフェア週間は、すでに先週から始まっている。日本にも石のコレクション趣味は定着したのだろうか。
 石というと「水石」や「盆石」が最初に浮かぶ国だが。
 東京国際ミネラルフェアも今年は25回だ。野口三千三先生に導かれて、足を踏み入れた「石の世界」。
 会場のそこここに、先生の思い出が残されている。理屈なく楽しかった。

 麦秋と石。普通には何も関係はない。しかし、私の中では二つが密着して、心が揺れ遊ぶ季節である。
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