羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

朝の体操ー2-

2009年03月23日 09時29分11秒 | Weblog
 授業の合間、休み時間に、教員室で先生方と話をすることがある。
 ある日、瀬古選手と一緒にマラソンをやっていた先生と情報交換したときのこと。
 彼は、ご自身のからだが硬いことを話され、「上体のぶらさげ」について質問された。
 実際にも試していただいたが、予想したほど硬くはない。
 そして短い時間だったけれど、説明も動きの意味もしっかり理解してくださった。
 
 それから私のからだに触ってもらった。
 力が入ったままの「上体のぶらさげ」の胴体の感じをまず味わってもらう。
 そのまま手が触れている状態で胴体の内側から液体が流れるように力が抜けていく感じを味わってもらうと
「ゥオァ~。こんなに柔らかいの!」
 最後のほうは言葉にならない。
 
 すぐさまご自身でも試される。
 すると、最初にぶらさげたときとと比べて大きな変化が、彼の体の内側で起こる。

「長距離マラソンは、一定の速度ペースを崩さないために、ある意味で体を固める要素があるんです。練習を続けていくとその方向で体がつくられていってしまうことがあるわけで……」
 正確ではないが、そのような内容を話された後だった。

 私からもひとこと。
「でも、最近思うんです。ここまで柔らかくしなくてもよかったかなって……。でも、やっているうちにいつの間にかこうなってしまったんです」
「いやいや、確かに骨がないみたいにゆらゆら揺れて、びっくりしましたよ。……でも、ここまで緩められるから、幅があって、緩め具合の丁度よさがわかるんじゃないかなぁ」
「そうですね。で、‘丁度いい’というのは絶対的な基準ではなくて、動きにつれて変化するんですよね」
「そうそう、そうなんですよ。そこが大事ね」

 今朝、体操をしながらこんな会話を思い出した。
 その後、ヨガの逆立ちに入った。
 久しぶりに「地球につながる逆立ち感覚」が甦ってきた感じがする。
 風に揺れる葦のような逆立ちなのである。
 いずれにしても‘緩め具合の丁度よさ感覚’をつかむのは、なかなかに難しい。

 そして自信を持っていえることが一つだけある。
「特別な障碍がない限り、やり方がよくて、続けられれば、誰でも柔らかくなります。私がそうですから……」
 とにかく二十代の半ば、床に開脚長座で腰を下ろすと、両膝は曲がった状態で、両手は腰の後ろに回して床につかなければ、後方に倒れこんでしまうような硬い体だった。野口体操が求める「やすらぎの動き」なんて夢のまた夢のようだった。
  
 今では、なかなか信じていただけないのだが。
 嘘じゃありません。

 
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