羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

鉛直・鉛直・鉛直

2012年02月26日 12時01分17秒 | Weblog
 昨日は朝日カルチャーの土曜日クラスのレッスンだった。
 往きはタクシーで、新宿住友ビルへ出かけた。というのも、先日、傷めた右足ふくらはぎをかばってのことだった。自宅内での歩行には問題がないが、一歩、道路を歩くとなると、わずかな蹴りのところで筋繊維3本(正確ではありません)くらいが“痛い信号”を発信する。

 さて、レッスンが始まって、表情に出さずに内々にひとつひとつの動きの痛みを確認した。
「痛くない!」
 上体のぶらさげ、腕まわし、滑らせる動き、まわす動き、さすがに尻たたきの時は右足で立つ方が少し痛んだ。
 皆さんに「実は、○○○です」と報告をした。言われなければまったく気づかなかった、と口々におっしゃる。

 その後も、しゃがんで立つ、無限記号を書く動き等々、まったく問題なく出来たのだった。
 勿論のこと傷めた当初から、座位によるほぐし、最近では「静かなるほぐし」と呼んでいる一連のものは、まったく問題はない。むしろ丁寧に行う方が良い。

 レッスンを行いなから、野口体操は徹底的に「まっすぐ」「鉛直方向」を大事にして成り立っていることを実感した。
「まっすぐ重さを足の裏に乗せる感覚」で動くこと。膝の曲げ伸ばしも真っ直ぐ方向が大事だ。膝の屈伸は、「動きのきっかけ」であり「動きの質を決定すること」であり、「膝こそ動きの母」なのだ。
 そして動きに際しては「親指の向いている方向」に曲げる。間違っても、斜め方向・ひねり・ねじりにならないことが肝要なのだ。それを丁寧に実行しながら、ふくらはぎが痛むことはなかった。その程度で今回は済んでいたという幸運に感謝だ。

 全体を通して、立位の動き、座位の動き、諸々すべての動きが「鉛直方向」に一致し、関節は真っ直ぐ曲げられる実感を改めて得ることができた。
 足の裏から膝関節まで、下肢が鉛直方向に一致することで「立つ」ことが成り立ち、膝はひねりやねじりなく親指の向く方向に曲げられる、そのことに徹底して動いてみる。いつも行っていることだが、改めてみると新鮮な感覚として捉えることができた。
 
 もう一つ確かめられたことがある。
 先週の土曜日2月18日にテーマとして取り上げた「骨アライメント」。
 少しだけ説明を加えておこう。
「アライメント」とは、一般に配列とか線列と翻訳されている。「骨アライメント」、つまり骨の形態や骨格の形に注目すると、多くの人の骨格には「ねじれ」が見られる、と言われている。とりわけ0脚、X脚、扁平足という条件があってもなくても幾ばくかのねじれがあることが普通であること。で、骨形態のねじれ度がどの程度あるか、見極めるのは普通では難しいが、正確に把握できなくても、ストレッチとする時など、この「骨アライメント」を意識の裾にまとって行うことが大切である。
 大雑把に言うと、関節はひねりに弱いから、真っ直ぐに曲げることが重要となる。からだを真向に動かす感覚を育てたい。そして動きに臨む。あるいはほぐす。あるいは伸ばす。それらを行う時に、「鉛直方向感」と「真向感覚」を持つことが大切なのだ。

 ふくらはぎを傷めたことで、歩行が不便になった。ところが階段の昇降は、ルンルン気分であった。生前、野口先生直々の指南を思い出したからだ。降りるのも同様だ。“足の裏の真上に乗る”その一言である。
「鉛直・鉛直・鉛直、足の裏の真上に重さをすっと乗せるのよ。乗せた瞬間の作用に対して反作用をもらってもう一方の足が浮き上がって、次の段にスッキリ乗せる。バタバタという音はまったくしないで、余分な力を使わないで楽にあがれるでしょ」
 先生の言葉がよみがえった。その通りなのだ。

 本日は、昨日よりも各段によくなっている。用心しておとなしくしてます。
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2 コメント

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膝とつま先 (かめいど)
2012-02-27 01:30:46
太極拳を練習する人たちは、膝とつま先を同じ方向にせよ、と教わります。
膝関節はねじりに弱い構造なので、腰を落とすときに膝を傷めないための注意です。
膝とつま先 (羽鳥)
2012-02-27 16:44:57
そうですか。野口体操は、真から動きの基本を抑えている体操だとつくづく思います。
別件です。いつもお読みいただきありがとうございます。

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