羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

ボヘミアン・ラプソディー から バルセロナへ そして・・・・

2019年01月25日 09時51分48秒 | Weblog

まだ、時間は早い。

2時20分過ぎだった。

タコの生態を見たくてやってきたサンシャイン水族館から、東急ハンズの前に出た。

向かい側に渡って歩いていると、懐かしい匂いに思い出が蘇った。

「シネマ・サンシャイン池袋」

思わず、立ち止まった・・・・・野口先生と最後に見た映画。それは「REX」だった。角川春樹が大麻事件で逮捕されて、この映画は途中で上映中止になった。

終了となるその日、野口先生に誘われて映画館に入った・・・・・

 

思い出を胸に、15分も経たないうちに、私は客席の人となった。

「ボヘミアン・ラプソディー」

ロック・ミュージックを本気で聞いたことがない。

途中で帰ってもいいと思いながら・・・・しかし、席をたつ気にはならなかった。

フレディ なんて いい声なんだ!!

そして、BGM で聞こえてくるソプラノが歌う「マダム・バタフライ」・・・・「カルメン」・・・・「ノルマ?」・・・・

ソプラノは だれ?

 

大英帝国 植民地 移民・難民問題 そして 依って立つ祖国・依って立つ文化・依って立つセクシュアリティーを喪失した若者が求めてやまないアイデンティティー。 

否定したい容貌と血が繫がる愛する家族。愛する仲間。

愛される自分という存在?

ヨーロッパ大陸の中で虐げられるボヘミアンとしての存在の哀しさ。

 

1970年代から半世紀 2019年、現在も繰り返される移民の悲劇。

今だから告白できるLGBT と病。当時は、センセーショナルな不治の病だった。

帰宅して、着替えもせずに、ガイドブックを読んだ。

あのソプラノは、スペインの歌姫 モンセラート・カバリエだったのか?

フレディは彼女に、多くを学んだに違いない。

今朝、YouTubeで 二人が歌い上げる バルセロナを聞いた。

そして、カバリエが歌う オペラ ノルマ「清らかな女神」、ジャンニスキッキ「O mio babbino care (私のお父さん)」に歌の翼をひろげてしまった。

聴くうちに ふと おもった・・・・・

敗戦後の日本、その瞬間に 戦中を真面目に生きた男たちの多くは祖国を失い ボヘミアンとなった、と。

その一人の中に 野口三千三 その人もいたのかもしれない。

敗戦までの体育・体操と戦後のアバンギャルドな野口体操への振り幅の大きさを思うと・・・・・

 

映画に戻ろう・・・・ボヘミアン・ラプソディー

これは、映画で楽しむ 現代のオペラだ!

もう一度、見たいと思った。

*****

注:「REX ー恐竜物語」1993年 安達祐実主演

  「バルセロナ」バルセロナオリンピックのテーマソング フレディとカバリエ二重唱

コメント
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