江戸独楽の世界に誘ってもらったのは、かれこれ40年前のこと。
野口三千三先生が、体操教室に世界一小さい「芥子独楽」、どのように回してよいのかわからない「いじわる独楽」、数々の「逆立ち独楽」等々、次々と楽しい独楽を持っていらしたことがきっかけだった。
それらは主に福島保さんの作品群であった。
時々、先生のお供で民芸品店を訪ねたり、デパートで催されている福島さんの実演付きの展示即売会に、出かけて行くうちに虜になっていった。
1992年には、朝日カルチャーセンターに福島さんを招いて、特別公開講座「独楽と遊び 独楽に貞く」と題して、独楽遊びとその場で作っていただく講座を開催させてもらった。
公開講座の準備のために、野口先生はリュックに独楽を詰め込んで、何回かに分けてカルチャーに運んだ。
回数を追うごとにカルチャーのロッカーには、独楽が増えていった。
当日は、60名ほどの参加者全員に独楽が渡り、さらに福島さんが生み出す独楽が回されて、教室内は熱気に包まれた。
少年・少女にかえって、様々な回し方ができる独楽まわしに、参加者全員が興じたのだった。
その記録は「野口三千三授業記録の会」ビデオ記録に残されている。
実は、江戸独楽の世界は、知る人ぞ知る世界。
その真髄は、独楽それぞれに洒落た物語が重ねられていることにある。
明日から展示即売会が開かれるので、江戸独楽の雰囲気を、まず、実際に味わっていただきたいのです。
お知らせします。
場所:日本橋三越本店 5階 リビング特設会場
日時:12月26日(水)〜31日(月)
1月2日(水)〜7日(月)