羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

終着駅のない旅

2017年02月03日 14時12分08秒 | Weblog
 一昨日の昼過ぎに、日曜日に取材を受けたライターさんから、入稿前のゲラが写真とともに送信されてきた。
 外出先で気がついたが、その日は手つかずのままにしておいた。
 翌朝、かなり早く目覚めたので写真と照らし合わせながら、キャプションやコメントを読み込んだ。
 資料があるとしても、一回、二時間のレッスンでよく捉えられているとは思った。
 写真はどのようなカットをとりたいのかが決まった段階で取材撮影をされていたので、すでに構成はできているのだから、短文もイメージはほとんど出来上がっているに違いなかった。

 そこで私の作業は、微妙な言葉使いに、修正を加えることになる。大幅な修正になってしまったとこもあった。
 ライターさんの意図するところを感じ取りながら、野口体操の言葉に置き換えていくリフォームは、それなりに工夫がいる。
 以前ならば、文字数を数えて、ぴったり合わせながら修正をしたけれど、年をとったせいか、いや、ライターさんを尊重したい思いから、こちらの主張を字余り状態でも書いて送ることにした。
 そうすれば先方も自分の考えを活かしながら、修正文をさらに修正してまとめあげることができるはずだと思うようになった。

 昨日には、2回目の原稿が送信されていて、月曜日までに戻して欲しい、とあった。
 今朝も早くから目が覚めたので、ゆっくり読み直した。
 訂正するところは見つからず、OKとあいなりました。

 いずれにしても野口体操の実技紹介は、文章化が難しい。
 読んでわかるものではない。それでも読んで試してみる読者もいるわけだから、危ない表現に対しては、たとえばV字形の指示を波形に変えてもらったり、イメージを伝えるオノマトペは柔らかい「ほわ〜ん」などと訂正してもらった。
 これで来週には校了となって、2月中旬には店頭に並ぶらしい。

 さて、最近の傾向だれれど、朝日カルチャーにはじめて参加される方のなかには、本やビデオやホームページ上の動画を見て、予め体操を練習してくる方も増えた。
 特に人気なのは『DVDブック アーカイブス野口体操』がいちばんに挙げられる。

 以前ならば、写真も動画も、文章も、すべてで伝わっていない印象だったが、最近ではそれが変わって来た。
 社会の身体に対する価値観、実践が、より野口体操に近いことになっていることもあるかもしれない。
 それでも実際に教室に来て「上体のぶら下げ」「上体のぶら下げを一息で何回か繰り返す動き」「上体のぶら下げのヴァリエーションで、一回放りあげて何回か揺する動き」等々、はじめて生の動きをみた時の驚きは、尋常ではない。

「腕立てバウンド系」も同様で文章を読んで、写真を見たり、DVDの動画で見ていても、自分の目の前で繰り広がられる動きから受け取れる印象はまったく違っているようだ。
 とはいえ一昔前とは雲泥の差、事前リサーチのレベルが高くなっている。

 可能ならばしばらく教室に通って、身につけていただけるといいのだけれど。
 あすの土曜日は、日曜日に不完全燃焼の感があった「味わう」をテーマにしたい。

 伝えるって難しい。
 でも難しいからやり甲斐があることも事実。
 終着駅のない旅をしているようだ。
コメント
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