羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

これは凄い本かも

2013年06月30日 07時16分10秒 | Weblog
 6月30日付け、朝日新聞朝刊「読書」欄で、『人口減少社会という希望ーコミュニティ経済の生成と地球倫理』広井良典著 朝日選書の書評を目にした。
 まだ読んではない。これから本屋で手に入れたい、と思っている。

 以前、広井先生とは「医学書院」刊行の『看護学雑誌』で対談でしたことがある。それが『ケアのゆくへ 科学のゆくへ』岩波書店に収録されている。
 
 書評の文章をいくつか抜き書きしておきたい。

《本書は斬新な「資本主義論」を語る経済書であるばかりでなく哲学書、宗教書であり科学史、人類をも扱っており、近年稀にみるスケールの書である》
 かなり手強そうだ。しかし、こうした視点からこれからの日本を考えることは必須だ、と思う。
 
《現在は「三度目の定常期」を迎えようとしている。こうした過渡期においては「情報の」時代」がいつも生じるのであって、現在の「『生命/生活(life)』というコンセプトに象徴されるような、ローカルな基盤に根ざした現在充足的な生への志向が比重を増していくだろう」と指摘する》
 とりわけ3・11以降、大きな災害に見舞われた地域だけでなく、少なくとも原発事故の影響を少なからず受けた関東地方の地域に暮らす私達にも、こうした価値観は静かに浸透してきている、と思う。
 身体感覚に根ざした”おらたちのお国言葉”、あるいは朝日カルチャーで3回にわたってテーマにしてきた「オノマトペ」「ことばと動き」「原初生命体の音韻論」。グローバル化のこちら側では、身体の危機を感じ「からだ」と「ことば」と「新しい価値観」を模索する人々がいて共感が得られる可能性を見つけた。
 そして、確認できることは、“いちばんの方言は「自分のからだだ!」”という実感と自覚がそうした意識を生み出していることだった。

《グローバル化の先にローカル化を見る著者は「鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想」を提唱している。……政府の成長戦略にはこうした壮大な構想力が決定的に欠けているということである。本書のような視点があれば、人口減少を「希望」だと自信をもって言えるのである》

 ここまで書かれると読まずにはいられない。
「比重増すローカルで内的な生」という示唆に富んだ見出しだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする