羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

生命の形態学

2012年07月08日 12時39分52秒 | Weblog
 昨日の朝日カルチャーレッスンは、先週に引き続き、野口体操と「三木成夫」の生命の形態学をテーマに行った。1978年に野口先生から戴いてあった抜き刷りが探し出せたからだ。
「生命の形態学ー人体構造原論」綜合看護:1978年3月号。

[今、NO NUKES2012 USTREAM中継を聞きながら、時々見ながら書いている。
坂本龍一さんが到着して、話しはじめている。この番組は夜まで10時間放送らしい。つけっぱなしで、ながら仕事で午後を過ごそうと思っている。]

2012年7月7日(土)朝日カルチャー  野口三千三と三木成夫

※ 再び『原初生命体としての人間』第二章「原初生命体の発想」―呼吸―について、と三木成夫『海・呼吸・古代形象』。
* 連載『生命の形態学―人体構造原論―『綜合看護』抜き刷り。1978年
* 123㌻図“たまり”の頭進 栄養の“たまり”を河川の」ダムに例える、宗族発生。古生物学の年表との対比図。
* 「個体発生は系統発生を繰り返す(ヘッケル)」

[人間の呼吸]『海・呼吸・古代形象』より

* 古生代の水の中では「個体の運動」すなわち泳ぐことだけに専念してきた体壁の筋肉も、中生代の陸上ではこれが「肺の運動」すなわち「息の役目」を引き受けるようになった。
* 休みのない働きを要求される筋肉は片手までは出来なくなった。→一瞬息をのむ。息を凝らす。呼吸に専念しているときは隙間だらけである。
* つまり「動作」と「呼吸」は両立し得ない。“一息つく”のは、ひとつの動作から次の動作に移るその間に限られている。これを「間(ま)」と呼ぶ。
* 呼吸の流れが随意筋の人工ダムにせき止められ、自然の「間」が人為の「休止」にとって変わって、ついに息もつけない人生がはじまった。
* 「横隔膜」について。喉の筋肉から発生した。したがって肩と頚に連動して緊張しやすい。パラシュートの傘のような形をした膜状の筋肉。胸部の底をビッシリとふさいでいる。
* 両裾が縮むと、頂上が勢いよく沈んで、陰圧となった胸には空気が流れ込み、陽圧の腹は前に突出する。腹式呼吸の「吸気の相」である。
* 横隔膜は、本来、内臓の平滑筋ではなく、体壁をつくる骨格筋の分身である。仕事の時、それらの筋肉が活動すると一緒に収縮してその都度効率よく酸素を取り込み、うちなる燃焼を助けるように働く。吸い込み専用の筋。
* これに対して「呼気の相」では、腹筋群が収縮して腹をへこませる。胸式呼吸が混じると胸筋も加わる。腹と胸の筋肉は、もともと胴体を“くねらせ”て前進させる運動筋で、呼吸の面倒見は副業に過ぎない。「吸ううは易し吐くは難し」
* つまり吸う方には横隔膜があるが、吐く方にはこれに相当する専用筋はない。
* 太古の地殻の大移動による脊椎動物のドラマがあった。鰓呼吸が不能になって、体壁筋がかり出されたのが、この時期だった。横隔膜はやがてこの筋層から造られていく。「クビ」の前壁から筋をはがして肺の底まで引きずりおろす、離れ業。ストレスが続くと、この膜が緊張し通しとなり、休養による以外抜くことができない。
* この吐く息のなかには、横隔膜の吸い込みに打ち勝つだけの力が常にこめられている。丹田呼吸と呼ばれるこの呼吸は、赤ん坊の鳴き声やかけ声のなかに生きている。仕事歌の系譜。ヨーガ、太極拳、カラオケブームが、息抜きの作用。
* 歌う必要はなく「クビ」を正し、肩肘の力を抜いて横隔膜の余分な力をとり、歌の吐く息で手をすすめればよい。仕事に慣れるとは、この呼吸をマスターすること。
※ 学生の体型と呼吸と性格
コメント (2)
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