羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

ゲームもかわった、音楽鑑賞もかわる、その中で……

2012年05月09日 08時33分46秒 | Weblog
 DeNAやグリーに対して、消費者庁が警告を出したニュースが流れている。
 IT相手のゲームは、ゲーム会社が個人のデータを詳細に掴む仕組みになってしまった。一度ゲームにはまり込むと、あおられた射幸心は増大する。コントロールはゲーム会社に握られてしまうのだ。
 一回は僅少な金額だが、繰り返すうちに止められなくなって、気がつくと大枚をはたいているハメに陥る。
 ゲームに限らずクラウドやSNSは便利でそれを使い始めると、自分の脳の中に潜在している落とし穴に落ちるのだ。
 おそらく、対人間、人間を介して行われる何かならば、落ちる前に落とし穴に気づくこともあるだろうし、丸ごとの身体運動を伴う行為には、身体の奥から発せられる声を聞き取ることもできる。しかし脳がフル回転し指先一つの打鍵で全てが行われる行為は、危険から身をかわす身体的な制御がロックされてしまう。
 想像するに、競馬ならば、馬の美しい走りを見るだろうし、競輪ならば人間の筋肉の極限を賛美する気持ちが起こるだろうし、競艇なら水上を高速で走る際におこる水しぶきの軌跡を網膜に焼き付けることができるだろう。
 言いたいことは、まるごとの身体感覚の生な実感が呼び覚まされるなかで、射幸心が浮遊している状態になるのではないか。
 しかし、PCやスマホ等々の高機能端末の画面では、生な世界がそぎ落とされ、虚構のなかに埋没する射幸心だけが牙を剥くのだろう。(ごめんなさい。賭け事はやったことがなく、ゲーム体験もなく発言してます)

 一方、音楽の聞き方もこれからますます変化を遂げるニュースが報道された。
 英国の音楽配信会社スポッティファイが、クラウド音楽配信を日本でも近々に始めるらしい。
 1600万曲が聞き放題のサービスで、すでに始まっている米国では、月額4・99ドル、プレミアムだと9・99ドルだそうだ。日本円にして、昨日今日の為替レート79円で計算すると394・21円と789・21円になる。因みに、利用しているDropBox は約76円時に99ドルで契約したので、7500円ほどの支払いで済んだ。単純に喜べない日本経済なのに、その時のお得感はありましたね。
 それはさておき、音楽業界はこの会社の参入で危うくなり、配信業界は競争が激化する。
 
 なんともはや、手元の簡単な操作ひとつで、音楽も文学本も自然科学本も人文科学本も、世界の美術館巡りも、賭け事も、etc. お手軽に安価で楽しみ味わうことが出来る「FAST CULTURE」の時代はすでに始まってしまった。しかし、手軽さや安価さというのは、案外にくせ者なのだ。

 思い巡らせば、「初ミクだって歌姫」だが、生オーケストラバックにコンサートがひらかれ、熱狂的なファンがそこに集まり、からだを寄せあって揺れて、かけ声をかける現象は、「デジタル機器の中だけの触れ合いでは本当の触れ合いではない」、と満たされない人間最後の身体的欲求がなせることだろう。

 で、飛躍をお許しいただこう。
 この変革時、まるごとの身体に直接働きかける身体文化は、これからが真価をあらわすべき正念場にさしかかっている、と思う。
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