羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

合唱の醍醐味 明大混声合唱団を聴く

2009年12月14日 18時37分06秒 | Weblog
 大学生活の四年間は、遊んで暮らしても、勉強に明け暮れても、バイトに精を出しても、サークル活動に夢中になっても、とにかく四年は四年だ、ということしみじみ感じたのは昨日のこと。
 結成されて今年度で還暦を迎えた「明治大学混声合唱団第58回定期演奏会」を聴いた。
 プログラムは、映画音楽、イタリアオペラ合唱集、フォーレのレクイエムだった。その間にこの演奏会を最後に卒団する4年生の合唱が披露された。万感の思いが籠められていた。‘だから合唱はやめられない’醍醐味!
 その醍醐味には、アバウトが許されないクラシックの宿命が深く関っている。
 薄氷を踏むような緊張感、スリリングな綱渡り感である。とりわけピアノやピアニッシモで始めるフレーズの歌い出しのきめ細かさ、音程のズレといった初歩的で技術的な問題が、曲想解釈や表現以前に難しい、と感じた。
 それはそれとして、レクイエムは見事な演奏だった。
 願わくば、自分の死の床ではこの曲を流して欲しい。

 振り返って、先日の演劇ハムレットも今回の合唱も、若者に機会を与えることによって才能が開かれることが見事に証明された。これも大学の使命の一つだ。社会に巣立つ前の猶予期間に打ち込み‘アウトプット’する経験が如何にも大切。今回も少子化が嘘のように、ステージに立つ学生の数は演奏とともに圧巻であった。
 そして蔭で支えるスタッフの力がまた凄い。
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