夏は嫌いじゃない。
今も、北の窓は開けて、東と南の窓は互い違いに雨戸を閉めて、風を入れている。
エアコンはつけずに扇風機をまわす。
木曜日に来客があった。
「すだれ…よしずが、窓という窓にさげてあって…」
「えぇ、窓の内側にカーテンをかけるより、外側にすだれを下げた方が、直射日光をさえぎって、いいみたいですね」
「日本の家って感じですよね」
昼下がりの客人は、うちわで扇ぎながら、ほっと一息つかれた。
まず、冷たいお茶を差し上げる。
大き目の茶碗いっぱいに氷をたっぷり入れて、熱く濃い目の日本茶を注ぎ込む。氷が音をたてて溶け出していく。その音がなんともいえない。氷が解ける様子を、1・2秒見つめながら、冷えたところをまず一杯。
それからしばらくして夏菓子と熱過ぎない日本茶をおすすめする。
そのころには、すっかりからだの汗はひいている。
午前中は、ほとんどエアコンを使わない。
雨戸をぴったりでなく閉め、窓や掃きだしは少し開けて、障子は窓にあわせて開ける、というか閉める。
これで結構涼しい。汗が出るほどではない。
湿気を含んだ重さのある熱い空気が、部屋の中を抜けていく。
今もその暑さに身を任せている。ときどき頬杖をつきながら考え事をする。
朝早い町は静かだ。
その静かさのなかに、風の音が聞こえる。
その風音にすこし遅れてすだれが雨戸にぶつかる。
サーッ、コトッ、コトコトッ。。。。。。風音と連動して、外の気配が感じられる。
気温は上がりはじめた。
振り向くと、細くあけた隙間から夏の日差しが入り込む。
畳にすだれの横線が黒く描き出される。
何本もの線は風にゆれて、ゆれるたびにランダムな模様に変容する。
時間の経過のなかで、線状の日差しは移動していく。
静かだ。
じっと目を閉じて、気配に浸る。
夏、まっさかり。
脳髄から、陽水の歌が聞こえてくる。
うぅ~ん、この快感!
今も、北の窓は開けて、東と南の窓は互い違いに雨戸を閉めて、風を入れている。
エアコンはつけずに扇風機をまわす。
木曜日に来客があった。
「すだれ…よしずが、窓という窓にさげてあって…」
「えぇ、窓の内側にカーテンをかけるより、外側にすだれを下げた方が、直射日光をさえぎって、いいみたいですね」
「日本の家って感じですよね」
昼下がりの客人は、うちわで扇ぎながら、ほっと一息つかれた。
まず、冷たいお茶を差し上げる。
大き目の茶碗いっぱいに氷をたっぷり入れて、熱く濃い目の日本茶を注ぎ込む。氷が音をたてて溶け出していく。その音がなんともいえない。氷が解ける様子を、1・2秒見つめながら、冷えたところをまず一杯。
それからしばらくして夏菓子と熱過ぎない日本茶をおすすめする。
そのころには、すっかりからだの汗はひいている。
午前中は、ほとんどエアコンを使わない。
雨戸をぴったりでなく閉め、窓や掃きだしは少し開けて、障子は窓にあわせて開ける、というか閉める。
これで結構涼しい。汗が出るほどではない。
湿気を含んだ重さのある熱い空気が、部屋の中を抜けていく。
今もその暑さに身を任せている。ときどき頬杖をつきながら考え事をする。
朝早い町は静かだ。
その静かさのなかに、風の音が聞こえる。
その風音にすこし遅れてすだれが雨戸にぶつかる。
サーッ、コトッ、コトコトッ。。。。。。風音と連動して、外の気配が感じられる。
気温は上がりはじめた。
振り向くと、細くあけた隙間から夏の日差しが入り込む。
畳にすだれの横線が黒く描き出される。
何本もの線は風にゆれて、ゆれるたびにランダムな模様に変容する。
時間の経過のなかで、線状の日差しは移動していく。
静かだ。
じっと目を閉じて、気配に浸る。
夏、まっさかり。
脳髄から、陽水の歌が聞こえてくる。
うぅ~ん、この快感!