羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

夏の風 すだれ影 そして陽水

2007年08月04日 09時22分16秒 | Weblog
 夏は嫌いじゃない。
 今も、北の窓は開けて、東と南の窓は互い違いに雨戸を閉めて、風を入れている。
 エアコンはつけずに扇風機をまわす。

 木曜日に来客があった。
「すだれ…よしずが、窓という窓にさげてあって…」
「えぇ、窓の内側にカーテンをかけるより、外側にすだれを下げた方が、直射日光をさえぎって、いいみたいですね」
「日本の家って感じですよね」
 
 昼下がりの客人は、うちわで扇ぎながら、ほっと一息つかれた。
 まず、冷たいお茶を差し上げる。
 大き目の茶碗いっぱいに氷をたっぷり入れて、熱く濃い目の日本茶を注ぎ込む。氷が音をたてて溶け出していく。その音がなんともいえない。氷が解ける様子を、1・2秒見つめながら、冷えたところをまず一杯。
 
 それからしばらくして夏菓子と熱過ぎない日本茶をおすすめする。
 そのころには、すっかりからだの汗はひいている。

 午前中は、ほとんどエアコンを使わない。
 雨戸をぴったりでなく閉め、窓や掃きだしは少し開けて、障子は窓にあわせて開ける、というか閉める。
 これで結構涼しい。汗が出るほどではない。
 
 湿気を含んだ重さのある熱い空気が、部屋の中を抜けていく。
 今もその暑さに身を任せている。ときどき頬杖をつきながら考え事をする。

 朝早い町は静かだ。
 その静かさのなかに、風の音が聞こえる。
 その風音にすこし遅れてすだれが雨戸にぶつかる。
 サーッ、コトッ、コトコトッ。。。。。。風音と連動して、外の気配が感じられる。
 
 気温は上がりはじめた。
 振り向くと、細くあけた隙間から夏の日差しが入り込む。
 畳にすだれの横線が黒く描き出される。
 何本もの線は風にゆれて、ゆれるたびにランダムな模様に変容する。
 時間の経過のなかで、線状の日差しは移動していく。

 静かだ。
 じっと目を閉じて、気配に浸る。
 
 夏、まっさかり。
 脳髄から、陽水の歌が聞こえてくる。
 うぅ~ん、この快感!
コメント (2)
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