ひびレビ

特撮・アニメの感想や、日々のことを書いてます。
当ブログの記事をコピーした、怪しいサイトにご注意ください。

相棒17 第8話「微笑みの研究」

2018-12-06 08:00:01 | 相棒シリーズ
相棒17 第8話「微笑みの研究」

 青木から「認知科学を研究している宇佐美教授は病死ではなく何者かに呪い殺された」という噂を聞いた右京は調査に赴き、死ぬ前日に「死ね・・・」と呟いていた助教の川村里美に話を聴くことに。
 共に研究をしていたこともある准教授の高野が沈痛な面持ちをする一方、今のところ事件性は無いと聞いた川村は何故か微笑を浮かべていた。

 川村は聞いてもいないアリバイを自ら主張し、確かにそれは立証されたが、彼女の机の引き出しには宇佐美教授への恨みからか、複数の穴が開けられた写真が入っていた。
 「天才児」「オカルト」そして「共感」。3つの異なる研究テーマが事件の謎を解き明かす鍵となり・・・

感想
 霊能者と聞いて美彌子が急遽参戦して、「お前のやったことは、全部まるっとお見通しだ!」とか言い出すかと思いましたが、そんなことなかったぜ!・・・TRICK放送中ならあり得たんだろうか。

 さて今回は認知科学にまつわる事件。
 呪い殺された、ということで霊能者も一旦は捜査線上に上がるものの、彼の能力はコールドリーディングとバーナム効果のベストマッチによるもの。対象を良く観察し、誰にでも当てはまることをさも見抜いたかのように告げると・・・誰にでも当てはまる、となると「家族」「お金」「恋愛」「仕事」あたりですかね。決して相手の心を読んだわけではないのに、さも心を読まれたかのように錯覚してしまい、自ら本当の悩みを告白する・・・これが単なる相手の本心を聞き出す悩み事相談に使われるなら良いんですけどね。如何様にも悪用されてしまいそうなのが何とも・・・

 
 冒頭から殺意マシマシだった川村里美。あまりにも犯人っぽくて犯人じゃないように見えるけれども、恨んでいたのは本当っぽい。死んだ天才少女の姉とかかとも思ってましたが、実際は「共感」によるものだったと。
 誰かの成功体験を自分のことのように嬉しく思ったり、誰かの悲しい出来事に自分も涙する。そういった類の「共感」ならまだしも、並外れた共感力を持っているがために、他人の悪意や暗い感情までをも共感してしまっていたと・・・隠れた共犯者ではあったものの、彼女もまた1人の被害者でした。
 自分の感情を誰かの感情により塗りつぶされる。好きな相手の前でも、周りでイラついている人間がいればそれに共感してしまい、殺意を浴び続ければ自分も殺意を抱いてしまう・・・彼女の周りに悪意を持った人間しかいなかったとは思いませんが、人間誰しも時には悲しくなったり怒ったりすることはあるものですから、そうしたものを日々感じ続けるというのはどれほどのものか、想像もつきません。自分が分からなくなってしまう恐怖もあったんでしょうね。
 結果的に事件の片棒を担いでしまった川村。そんな彼女のことを右京さんや冠城くんは心から残念に思っており、その気持ちが伝わることで、最後に川村は涙を流したのだと思います。

 そして最後は事件の黒幕とも言うべき存在との対峙。その動機は最低のもので、右京さんからは「人を名乗る資格すらない」と、いつになく手厳しい一言が発せられるほどでした。川村の事情を知りながらも実行犯の傍に置き続けたのは、全て自分の実験のためとか、とんでもない外道ですね・・・しかもそれを立証できないから性質が悪い。このまま終わりとは何とも後味の悪いラスト・・・かと思いきや、実は身動きが取れない状態に陥っていたことが明らかに。言われてみれば確かにそのとおりでしたが、そのことにすら気づけていなかった黒幕は茫然自失。
 ラストは黒幕が1人部屋の中で立ち尽くす中、扉が閉まって終わり。この後黒幕がどう動こうと行き詰っている、ということを感じさせる終わり方だと感じました。あるいは「周りの人のためにも部屋から出てくるな」という暗示でしょうか。いずれにしろ、人を実験器具か何かと勘違いしている危険な存在には、あの部屋から出てきて欲しくないですね。


 そんなこんな次回は伊丹さんの危機。「刑事一人」というサブタイトルが非常に嫌な予感もしますが、どうなることやら。にしても前回で「亀」、次回で「サルウィン」。もしかしてもしかします・・・?

 あ、今回冠城くんが一度やられたリベンジからか、コールドリーディングをやってましたが、あれは失敗して欲しいシーンだったなーと。冠城くんが優秀なのは伝わるけれども、一歩間違えれば周囲にもあらぬ誤解を生んでしまうことにもつながりかねませんから、「誰でも簡単に出来ることではない。付け焼刃で試してはいけない」ということを伝えるのもまた大事なんじゃないかなって。

コメント    この記事についてブログを書く
« 住んでみないと分からないこと | トップ | 勝てなくても、何度でも »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。