ひびレビ

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「君の名は。 Another Side:Earth bound」を読んで

2016-10-01 08:07:06 | 本・音楽
 映画「君の名は。」に出てくる4人の登場人物の思いを描いた小説「君の名は。 Another Side:Earth bound」を読みました。全4話構成の短編集であり、映画では描かれなかった4人のキャラクターの心情や過去などが描かれています。

 第1話では宮水三葉と入れ替わった立花瀧がメイン。映画では入れ替わりは瀧に入った三葉側がメインだったように感じましたが、こちらは瀧がメイン。瀧と三葉の入れ替わりをただ単に生活環境が変わって大変というだけではなく、「心はそのままに肉体が他人と入れ替わったらどうなるか?」という点についての描写がとても興味深かったです。慣れない女性下着に苦戦することはもちろん、身長・体重・体格・体のつくりの違うという点には全く考えが至りませんでした。ブラジャーのワイヤー云々はコナンを思い出しました(笑。
 また、第1話が始まって間もなく、劇中の衝撃的な出来事についての伏線らしき部分も見受けられました。

 第2話は勅使河原克彦、第3話は宮水四葉がそれぞれメイン。克彦は村に対して色々と思うところがあるようで、彼も三葉とは違った形で村に結び付けられているのだと感じました。
 四葉は様子がおかしい姉についてあれこれ思い、行動し、不思議な体験をすることになります。四葉もまた、宮水の子なのだと感じました。また、第3話の四葉と三葉(本人)のとあるやり取りは、第4話にも繋がっています。

 そして第4話は三葉と四葉の父・宮水俊樹について描かれています。この章は映画のかなり終盤の方において、俊樹がとある出来事をきっかけに過去を思い出してしまう・・・という始まり方をしているので、他の章に比べて映画のネタバレ要素が強いかと。
 映画本編との絡みが特に強い章でもあり、何故俊樹は宮水家の婿養子になったのか、何故町長を目指したのか、何故三葉(本人)の説得を聞き入れたのか等の点についての詳細が描かれています。劇中では厳格な父という印象が強い俊樹でしたが、彼も妻である二葉を亡くして相当辛かったのだと改めて感じさせられました。加えて、周りの反応も俊樹に追い討ちをかけていたことが分かります。俊樹も最初からああだったわけではなく、彼なりの思いがあって町長に立候補し町を変えようとしていたのだと思うと、もう一度映画を見た際に俊樹への印象が変わりそうです。

 俊樹だけでなく、二葉についても語られており、糸守町にとって如何に重要な人物だったかが分かります。そんな彼女が1人の人間としていられるのは俊樹といる間だけ。
 それは宮水の者としてきっちりしなければならなかった三葉が、瀧とのやり取りでは快活な一面を見せていたことも通じるものがあるように思えます。携帯電話のメモから伝わってくる三葉の印象と、町の人々から伝え聞く三葉の印象はまるで違う。三葉もまた、二葉と同じく糸守町との結びが強すぎるのかもしれませんね。


 映画同様、小説でも数々の結びつきが描かれていましたが、その結びつきが深すぎると時にはその人の行動さえも縛り付けてしまうものなのではないかとも思いました。瀧と話している間は普通の女の子なのに、一歩町に出ると宮水の者としての行動を余儀なくされてしまう三葉の大変さがより一層伝わってきました。

 「あるべきようになるから」とは二葉の言葉。人と人との出会いのみならず、時にはその別れすらも新たな未来に繋がっていくことがある。映画とは異なる視点で描かれた「君の名は。Another Side:Earth bound」の世界、面白かったです。
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2 コメント

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こんばんは (黒い人)
2016-10-24 23:14:23
これを読んでから、どうしても気になって2回目を観に行きました。1回目では東京のレストランで覚えたウェイターをさよちん達にしているのかなと思いましたが、確かにジャージを履いて木を切っていたり、始めはラフな格好で寝ていた三葉が、ちゃんとした格好になっていきます。後は、バスケでは良く揺れていました。
長年探していたとの記述から、二葉と入れ替わっていたのは俊樹なんだと思います。
本編のノベライズや映画冒頭で三葉が、心地よい心音が自分の心音に混ざるのが落ち着いて、この音から離れるのが寂しいというような事を言っているので、おそらく三葉も滝くんの心音を聴きたがるでしょう。親子ですね。
1度目は、スピードに圧倒され、2度目は、伏線に驚き、3度目は人物達の生き方に引き込まれると言うのはバック・トゥ・ザ・フューチャーのDVDのキャチコピーの1つなのですが、この君の名はも何度も観て新しい発見がありますね。
二葉の様な素敵な方に出会った瞬間に結婚を確信されるのが羨ましいです。
冒頭で三葉の髪型含む変化が1度流れているのですが、滝くんと再開する前の三葉の表情が凄く暗いです。それだけに最後の泣き顔が泣いているの凄く幸せそうでした。
黒い人さんへ (アル)
2016-10-25 18:51:24
こんばんは。

>確かにジャージを履いて木を切っていたり、始めはラフな格好で寝ていた三葉が、ちゃんとした格好になっていきます。後は、バスケでは良く揺れていました。
色々気を遣うようになったのが見て取れますね。一目で入れ替わっているのが分かる描写をするのも大変そうです。

>長年探していたとの記述から、二葉と入れ替わっていたのは俊樹なんだと思います。
瀧以上に俊樹は苦労しそうな気がします。入れ替わっていたとして、将来2人が滝と俊樹が会った際、入れ替わった時の男ならではの苦労を語り合っていたら面白いですね。

>1度目は、スピードに圧倒され、2度目は、伏線に驚き、3度目は人物達の生き方に引き込まれると言うのはバック・トゥ・ザ・フューチャーのDVDのキャチコピーの1つなのですが、この君の名はも何度も観て新しい発見がありますね。
映画館ではそのスピードに圧倒され、伏線を把握しつつ2週目を楽しむ・・・という楽しみ方を早くしたいので、映像ソフト化が待ち遠しいです。

>冒頭で三葉の髪型含む変化が1度流れているのですが、滝くんと再開する前の三葉の表情が凄く暗いです。それだけに最後の泣き顔が泣いているの凄く幸せそうでした。
すごく大切な何かを忘れたまま生きる。それはとても辛い事なのでしょう。それだけに、幸せになれたことは非常に嬉しく思います。

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