こどもの道

　以前、母校近辺を車で走った時、かつて毎日のように通っていた通学路を通れないのだと感じました。

　小学校への道のりはいくつもありましたが、その中でも車通りの少ない道が通学路に選ばれていたように思えます。車が全く通らない道ばかり歩き続けるなんてのは難しいことですが、いくつもある中から、そういった道を選んでいたんだろうかと今更ながらに考えさせられました。今その道を車で通れと言われたら、対向車とのすれ違いが怖すぎて無理です（汗。

　特に決められた通学路の無い中学校、高校、大学は自分の思う最短距離を走ることが多かったです。そういった道を選ぶと、車が通れない、あるいは狭くて走りづらい道を走っていました。

　歩きから自転車、そして車へ。歩きと自転車は大した違いが無かったものの、自転車から車になると、走れる道というのも大分変わるものです。仕事をするようになってからも「小回りが利く自転車が最高!」としばらくの間は思ってましたが、雨の日や買い物帰りを考えると、何だかんだで自動車の方が便利だということに気づかされます。


　今なら実家から母校まで、歩いて何十分もかかっていた道のりが、あっという間に行けてしまう。あの頃よりもずっと速い交通手段を手に入れたけれども、それで走れなくなった道があったた。じゃあ今通学路を歩きたいか、自転車で走りたいかと言われると、そういうわけでもなく。

　ただ、車でずっと遠くにまで走れるようになったのに、とても身近だった道を走れなくなったというのは、何だか不思議な感じがした。そういう話です。