ひびレビ

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相棒シーズン13 第18話「苦い水」

2015-03-12 00:00:04 | 相棒シリーズ
相棒シーズン13 第18話「苦い水」

 ホワイトデーの夜、饗庭丈弘という男性が公園で死亡していた。その第一発見者となったのは、初入閣も噂される女性議員・片山雛子であった。饗庭の死因はチョコレートに含まれていたアーモンドのアレルギーであったが、チョコの箱や包み紙はどこにも見当たらない。更に饗庭のバッグには片山の直筆サイン本が入っており、彼のスマートフォンには、片山の結婚相手とも噂されている桐山に関する検索履歴が残されていた。左官工である饗庭と資産家の桐山。この2人を結びつける接点は、片山議員だけであった・・・
 片山とは面識のある右京はカイトと共に、饗庭や桐山のことについて片山に質問するも、片山は2人との面識はないと否定する。チョコの箱について尋ねる間もなく、片山は去っていってしまった。片山からのクレームにより、饗庭の事件は事件性が低いと判断され、一課も身動きが取れなくなってしまう。伊丹と芹沢は特命係に勝手な真似をしないように忠告しつつも、特命係に饗庭に関する捜査資料を「忘れて」しまうのだった。

 片山雛子は目的の為には手段を選ばない人物。カイトも敵に回すと怖そうだと感じていた。そんな片山が桐山と付き合っていたのは政略結婚か、はたまた真実の愛か。その真偽はともかく、右京とカイトは饗庭について調べることに。
 饗庭はかつてチョコ専門店に務めていたが、なじめなくて辞めたとのこと。また死亡時にはスーツを着ていたが、普段はスーツを着るような人物ではなかったという。次に饗庭の手帳に記されていた人物の元を尋ねる。しかし最初の人物は饗庭の話を出した右京とカイトを迷惑そうに追い返し、次の人物は付き合ってはいたもののホワイトデーにやり取りをするような間柄ではないという。それには饗庭が「チョコが嫌い」といっていたことが関係しているが、ならば何故チョコを食べて死んだのか。
 2人の女性と出会ったことで、右京とカイトはは手帳に記されていた「銀デ短キレ」といった表記が、女性と出会った場所と髪の長さ、服装を記したものであることに気づく。饗庭はナンパ師であり、相手からの信頼を得るためにスーツを着ていたのだ。

 次なる女性、村上涼子の下へと向かうと、何故か村上は逃げ出してしまう。何とか捕まえて話を聴くと、彼女は昔大麻をやっていたことがあったのだ。会員制の高級風俗に務めていた村上は饗庭の優しさに触れ、泣いたこともあったという。饗庭とは一度しか会っていないが、そこで村上は客の愚痴を語り、さらに何かあった時のためにと録画していた映像を見せた。それは桐山が大麻を吸っている動画だったという。村上のスマートフォンから動画は削除され、データは饗庭のスマートフォンに転送されたという。
 饗庭が死んだことを知った村上は、「優しい男が死んで、嫌な奴ばかり生き残るなんて・・・」と呟いていた。


 右京とカイトは、片山のSNS等の公開情報を調べ上げ、彼女がいきつけのチョコレート専門店にいることを突き止める。チョコの語源が「ショコラトール(苦い水)」であることを語る右京だが、薀蓄を語りに来たわけではない。カイトは饗庭が桐山の動画を理由に「何者か」に殺された「可能性」を挙げるも、曖昧な話には答えようが無いと片山は一蹴。「手ぶらで来た人間と取引するほど甘くない」片山は自分を疑うのであれば、確たる証拠を持ってくるように伝え、去っていった。


 片山は桐山のことを警察上層部にリークし、桐山は角田課長に洗いざらい告白する。だが伊丹たちが饗庭の写真をつきつけても、桐山は本当に饗庭のことを知らない様子だった。右京たちが片山との関係を尋ねても、桐山は必死に無関係だと主張する。
 その頃片山のもとへ、片山と桐山を結婚させることで失脚させようとしていた小久保議員が姿を見せていた。小久保は当初は高圧的な態度をとっていたが、夫に億単位の借金がある事実を突きつけられてしまう。「顔がいいから人気があるだけよ。実力は私の方が上なんだから!」と声を荒げる小久保に対し、片山は淡々と「残念ながら、顔も実力も私の方が上だったようですね。あなたの劣等感については何の興味はございません、ただ。あなたを生かすも殺すも私次第ということだけは、覚えておいてくださいね」と告げる。
 「あ、そうだ。何か仰りたいことがあるんじゃないですか」という片山に対し「ごめんなさいね、雛子ちゃん」と答えた小久保だったが、すぐに「申し訳ありませんでした、片山先生」と態度を改めるのだった・・・


 右京は饗庭の退学理由が喫煙であること、そしてここ最近久々にかつて修行していたチョコの専門店を訪れていたことを知る。カイトは動機について調べ上げ、2人は土産話を持って再び片山のもとを訪れるのだった。
 饗庭の喫煙が撮られた写真には、片山の母校と同じ制服の女生徒が写っていた。そもそも片山雛子は最初から強く美しい政治家ではなかった。片山は自分の過去について自ら語りだす。生徒会では落選続きで、人付き合いも話すことも苦手だった。それでも男子が生まれなかった片山家の後継者として父からの期待を背負わされていた。
 そんな折、片山は饗庭と知り合った。2人はチョコが好きで話が合い、それが片山の初恋であった。饗庭は片山の眼鏡を外し、彼女に自身の見た目が武器になることを気づかせた。しかし生徒会選挙の相手は学校の人気者。そこで片山は父の秘書を使ってライバルを徹底的に調べ上げ、饗庭との喫煙現場の写真を入手。饗庭が複数の女と付き合っていたことを知った片山はそれを学校に送りつけ、ライバルと裏切り者を同時に始末した。
 饗庭は「ショコラティエになる」という夢と、チョコを食べて欲しいという願いを片山に告げたが、片山は何も言わずに彼のもとを去っていった・・・


 そしてホワイトデー。饗庭はサイン会の時に片山を2人が初めて会った公園に呼び出した。片山は用心しつつも公園へ向かうと、饗庭は片山に幸せになってほしいという思いを伝え、チョコが入った箱と、箱にSDカードが入った封筒を渡す。饗庭はチョコには何も入っていないという証拠を見せるべく、チョコを1つ食べて見せるが、突如アレルギー反応に苦しみだしてしまう。片山は誰かが自分を陥れた可能性を考慮し、箱を自分で持ったまま警察に通報。その後、桐山の動画を見た片山は警察にその旨を伝えたのだった。

 片山は桐山が饗庭を証拠をもみ消すために殺したと思っていたが、2人の間には何の接点も無い。更に片山に渡したチョコにはアーモンドを入れていないと、チョコを一緒に作った人物も証言している。誰かが故意にアーモンドを仕込んだことを立証するために、右京は片山にチョコの箱の提出を要求し、片山はそれを了承するのだった。

 右京とカイトは「チョコのやり取りをする間柄ではない」といった女性、西崎早苗のもとを訪れる。西崎は自分が疑われたことに驚きを隠せないでいたが、カイトは腕の内出血に注目していたのだ。産婦人科に通うようになったカイトは、その内出血が中絶手術の際、麻酔の効きが悪く暴れてしまったあとではと考えた。だとすれば西崎が饗庭を恨んでもおかしくない。
 西崎は饗庭の女癖が悪いことに悩み、子供を育てられないと判断し、子供をおろした。その後、饗庭は片山に渡す予定のチョコが入った箱を持って西崎の部屋を訪れていた。饗庭の事情を知っていた西崎は、チョコを自分が食べると申し出るも、チョコが苦手なはずの饗庭は「俺が食うよ」と発言。それに対し「その女は特別なんだ」と西崎は思い、彼を恨むあまりアーモンドパウダーを振り掛けてしまったのだ。以前はくしゃみだけだったから、死んでしまうとは思っていなかったという・・・


 片山は今回の一件について、桐山のことは自分が調べ上げ、その事情を知ったために通報し自ら告発したとマスコミに伝える。結婚予定はと問われた片山は、「日本国国家と結婚する」と堂々と宣言する。その様子を桐山は唖然とした表情で見つめていた。

 右京はその会見について、自分のイメージを高める見事な会見と褒め称える。片山は「片山雛子という人間は、身の周りで事件が起きるたびにそれを逆手にとって大きな人間になっていく」と、以前右京から受け取った、意外と嬉しかった言葉を口にする。
 片山は自分がカイトが結婚することについても調べ上げていた。「片山議員も幸せになれるといいですね」とカイトが告げると、片山は「私は幸不幸に価値を置いて生きていません」と語る。右京に何に価値を置いているかを訪ねられると、片山は「ただ、駆け上がるだけ・・・それだけです」と告げるのだった。
 右京は最後にチョコレートコスモスの3つの花言葉「恋の終わり」「恋の思い出」「移り変わらぬ気持ち」を残し、去っていく。片山はカイトから手渡されたチョコの箱を見つめ、饗庭と別れた日、大声で泣き叫んだことを振り返る。しかし、彼女はチョコを食べることなく蓋をし、また歩き出すのだった。

 事件は無事解決し、カイトは悦子のもとへと向かう・・・


感想
 チョコの語源は「ショコラトール」で「苦い水」。今回は片山議員の始まりに迫る話でした。

 チョコのように甘いものも、初めから甘かったわけではない。甘いものも表面だけかもしれず、食べていくうちに眠っていた苦さに気づいてしまうかもしれない。饗庭との付き合いはまさにそんな感じだったのでしょう。一度ならば優しい人物で済むものの、何度も会ううちにその本性である女癖の悪さに気づいてしまう。
 見方を変えれば饗庭は女性には甘すぎたのかもしれません。初めから苦さしかないのであれば食べるのを止めることも簡単でしょう。しかし、基本は優しさという甘さで出来ていて、時折女癖の苦さがあるから性質が悪かったのではないかと。

 一方の片山は表面こそ苦いものの、実は今のような人物になったのは、饗庭との甘い初恋を経験したからでした。ラスト、饗庭のチョコに蓋をしたのは、そんな過去の甘さを閉じ込めて、駆け上がっていくことを選んだのだと思います。

 それにしても今回は「片山議員、遂に失脚か!?」と思いましたが、ピンチはチャンス。またしてもイメージを高めることに成功しました。あそこまで行くと最早清々しさすら感じられますね。自分を落としいれようとした女性議員に対しても一歩も退かず、しかも「何か仰りたいことがあるんじゃないですか」ときた。謝罪を要求するのではなく、相手からそれを引き出す話術。しかも相手が軽い返事をしようものなら、無言でそれを諌めるあの胆力。只者じゃねぇ・・・
 また、最後の「駆け上がるだけ」というのもかっこよくみえました。やっていることはともかく、その精神だけは見習いたいものです。例え何があろうともそれをバネにして伸びていく。このままだと次のシーズン辺りで入閣して、最終的には本当に総理になるんじゃなかろうか(汗。

 そして次回は遂にカイトとの別れ。右京さんのカイトへの叱責があるようですが、果たしてどうなる甲斐享。そして悦子。
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