ひびレビ

特撮・アニメの感想や、日々のことを書いてます。
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「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」を見て

2021-09-18 08:01:03 | 映画
 金曜ロードショーで放送された「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」を見ました。

 前作「ジュラシック・パーク」の続編であり、前作にも登場したイアン・マルコム博士がメインに据えられています…が、カオス理論云々を語ったり、子供たちのために奮闘したり、負傷しながらもナビゲーターを務めた彼の魅力は薄れてしまっているように感じました。

 イアンに始まり、本作のキャラクターには魅力が欠けているように思えます。ヒロインであるところのサラも、好奇心旺盛すぎるあまり事あるごとに状況を悪化させていますし、メインキャラクターたちを応援したくなるような描写はありませんでした。活躍が無いことも無いものの、その活躍が見ていて面白いものかと言われると…微妙ですね…大勢いた恐竜ハンターたちも殆どが恐竜に襲われるためだけに存在していたようなものでしたし…どうにも感情移入できるようなキャラクターが欠けているように感じました。比較的まともそうだったのは、恐竜ハンターのリーダー格と思しきローランドぐらいですかね…

 ストーリーも、どうにもハラハラ、ドキドキ感が物足りなく思えます。今にも割れそうなガラスの上に横たわっているシーン、テントの灯りを消した直後に大きな恐竜の影がぬっと出て来るシーンや、人の血で水が赤く染まるシーン、ラストの現代社会に紛れ込んだ恐竜など、印象的なシーンもあることにはありますが、全体通して見ると薄味だったように感じました。恐竜たちから逃げるという点では前作と共通しているものの、そこに登場人物の成長や変化が関わってこないがために、そう感じたのかもしれません。
 にしてもトレーラーからの救助の件は妙に長かったような。

 うーん…前週に1作目が放送されていたこともあってかどうしても比較してしまい、本作は微妙だという気持ちが強いです。所々「おっ!」と思えるシーンはあるものの、全体を振り返るとあんまり…といったところ。そんな感じの「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」でした。
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「劇場版 幼女戦記」を見て

2021-07-14 06:36:19 | 映画
 2019年に公開された映画「劇場版 幼女戦記」を見ました。

 本作は2017年にテレビアニメ化された「幼女戦記」の続編。当初は総集編かなと思っていたので、見始めたら新作で、慌てて1期見返しました(苦笑。圧倒的な物量で攻め込んでくる連邦軍、そして1期ラストで異様な雰囲気を発していたメアリー・スーとの戦いが主に描かれており、ラストでは現在制作中である2期に繋がるであろう描写もありました。

 主人公は我らがターニャ・フォン・デグレチャフ。元は普通のサラリーマンだった彼が、神たる「存在X」により砲弾と血が飛び交う世界に幼女として送り込まれ、以来その卓越した頭脳を生かしてどうにか安全な後方勤務に移ろうと試みるも、有能すぎるが故か、はたまた存在Xによる運命操作か、結局過酷な道を歩む羽目になるという…戦場では頼りになる司令官ですが、そんな彼女をも上回る手腕を発揮するゼートゥーア閣下がおり、加えて幼女であることが有利にも不利にも働いたりと、決して万能ではない感じが好きです。
 
 今回は戦略的に重要な拠点となる場所の救援が主目的。しかしそこで彼女たちを待ち受けていたのは想定外の物量作戦、そしてターニャへの異常な執着を見せる少女メアリー・スーでした。
 改めて1期を見返すと「国」や国が指揮する「軍隊」と戦ってきた印象を受けましたが、今回の相手は「個人」だったように感じます。各国の思惑や戦略を読めたとしても、それを上回る個人的感情は読み切れないと痛感させられることに。うち一つは今のターニャには知る由もない…というか知りたくも無いことでしょうけども、もう一つはターニャと熾烈な戦いを繰り広げることとなります。それがメアリー・スーでした。

 「メアリー・スー」といえば、創作において完璧すぎるキャラクター、デウス・エクス・マキナのように万能の力を持って物語を終わらせるキャラクターを表すもの…といった風に捉えていましたが、実際には様々な定義があるようですね。何をもって「メアリー・スー」とするかは難しいところなのでしょう。
 ともあれ、本作におけるメアリー・スーは、ターニャが父の仇だと知るや否や、尋常ならざる力を発揮。ターニャが神に祈りを捧げて得る力も相当なものでしたが、メアリーのそれはターニャ以上のように感じました。戦局をたった一人で変えてしまいかねないほどの力には唖然とさせられます。
 さすがのターニャもこれは…という緊迫した状態が続き、最後に勝敗を分けたのは「軍人か個人か」だったと感じました。どちらにも勝機があったと感じられる、ギリギリの戦いを楽しませてもらいました。

 そうした圧倒的なまでの「個人」を突きつけられたターニャが最後にくだした決断とは何か。最後まで目が離せない作品でした。ラスト、あそこで一旦アレを挟んでからのあの展開はズルいなぁ…


 …とまぁ、そういった感じでメアリーとの激しい戦いあり、ヴァイス中尉たちの奮闘あり、笑いどころありと、テレビ版の雰囲気そのままに楽しめた本作。てっきり2期でメアリーの話をやると思っていたので、まさか映画でやるとは思いもしませんでした。
 続く2期ではどんな戦い方を披露してくれるのか、どんな個人的感情をぶつけられるのか、レルゲンさんの胃はもつのか、色々気になりつつも、楽しみに待つとします。
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映画「漂流教室」を見て

2021-07-14 06:29:45 | 映画
 1987年に公開された映画「漂流教室」を見ました。

 原作の漫画「漂流教室」はだいぶ前に読んだきり、フジテレビで放送されていたドラマ「ロング・ラブレター~漂流教室~」も当時見たっきりという、うろ覚えな状況だったのですが…多分はっきりと覚えてたら「何だこれ」感がより一層増したと思います(汗。

 原作では小学校、ドラマでは高校が舞台となっていますが、本作の舞台はインターナショナルスクール(国際学校)に変更されています。日本人の登場人物は主人公である翔を含めてごく僅か。普段洋画は字幕版を好んでみる私ですが、まさか日本の映画でこれほどまでに字幕を見ることになろうとは…OPやEDのスタッフロールまで英語なんですけど、一体どこに向けた作品だったのだろうか…
 加えて国際学校であることが生かされているようには思えませんでした。漂流教室という作品で国際学校を舞台にするならば、生き残った子供たちが言葉や文化の違いを乗り越えて共存していき、それは荒廃した世界の生物たちとの共存の可能性に繋がっていく…という展開も描けたのではないかと思います。が、会話は成立しているし文化の違いに戸惑っている様子も無い。何がしたくて国際学校に設定を変更したのか分かりませんでした。


 物語は荒廃した世界への漂流、関谷の暴走、謎の生物の襲撃が主となっています。
 まずは荒廃した世界に漂流するまでですが…ぶっちゃけこの時点でややダレ始めました(汗。合間に元いた世界の光景が挟まるとはいえ、5分ぐらいはずっと教室が揺れっぱなしで子供たちは騒ぎっぱなし。「漂流教室」ですから、ただの揺れではない、何かが起きているのを伝えるためにはこのぐらいの長さが必要なのかもしれませんが…それにしたって長くて、「まだ終わらないの?」と見ていて段々ダレてきてしまいました…

 関谷は原作ではだいぶしぶとかった記憶がありますが、前半で退場。その後は謎の生物の襲撃がメインとなっていきます。しかしこの襲撃、夜の出来事とはいえかなり見づらかったですね…「何が起こっているか分からない恐怖」というのはあると思いますが、それにしたって見づらかった…
 
 一応未来に希望をもたせるラストにはなっていますが…何と言ったらいいものか。「漂流教室」の要素は入っているけれども、面白いかと言われると微妙で…ここだ!という見所が無い気がするんですよね…強いて挙げるとすれば、謎の生物の襲撃に対して「僕らが連中を襲ったのかもしれないよ」というセリフは印象に残りました。謎の生物たちにしてみれば、自分たちの生活圏にいきなり学校が来たわけですから、そりゃ警戒もするわなと。

 そんな感じの「漂流教室」でした。久々に原作読もうか…
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「魔法少女リリカルなのは Reflection」「Detonation」を見て

2021-06-09 07:42:08 | 映画
 2017年の映画「魔法少女リリカルなのは Reflection」および2018年に公開された後編「Detonation」を視聴しました。

 本作の印象は「ゲーム+Strikers+Force」でした。主要人物はほぼPSPのゲームから、後編に出てくる敵は「Strikers」のナンバーズたちを彷彿とさせ、武装やシリアスな雰囲気は「Force」に近いものを感じました。
 
 まずは主要人物ですが、妹キリエ・フローリアンと姉アミティエ・フローリアンのフローリアン姉妹、キリエの友人であるイリス、イリスが闇の書から呼び起こしたディアーチェ、シュテル、レヴィ、そして結晶に封印されていた少女ユーリであり、イリス以外は全員PSPのゲーム出身とのこと。私はゲーム未プレイですが、個人的になのは作品で一番見ていて幸せな気持ちになれる漫画「魔法少女なのはINNOCENTS」において、設定こそ違えど彼女らが登場しているので、そちらの印象が強いです。
 なので、本作において父の病や故郷の惨状を何とかしようと切羽詰まっているキリエを見た時は、割と驚かされました。ゲームだとこんな感じなんですかね。アミタことアミティエの方は「生真面目お姉ちゃん」という印象そのままでしたし、尊大な態度を取りつつも良い子なディアーチェ、活発可愛いレヴィ、冷静沈着シュテル、そして優しいユーリと、他の面々は漫画のイメージどおりだったのですが、キリエだけ「~よん♪」とか、相手を挑発するような発言もしないので…このキャラの中だとキリエが結構好きだったので、媒体によってこうも変わるものなんだなーと一番驚かされたキャラでした。

 物語は前述のとおりフローリアン姉妹たちを中心として進むこととなり、一方でなのはたちの物語はやや控えめに感じました。それでも前編ではフェイトとリンディさんの話が描かれていますし、後編ラストはなのはの内面が描かれているので、決してなのはたちが蔑ろにされているわけではありません。立ち位置的にはStrikersのような「頼れる先輩」といった印象を受けました。
 それでも締めるところはキッチリ締めるのがなのはさん。前編のキリエとの戦いではワイヤーで拘束されながらも片手で砲撃、攻撃と見せかけた閃光弾で不意をつき、ワイヤーを利用してキリエを捕縛…と、前編からして歴戦の猛者っぷりを感じさせます。
 これが後編になると、終始ビームライフル染みた効果音を響かせ、なのはの力に惚れ込んだラスボスをして「なんだ…何なんだこいつは!?」と恐れおののかせ、見よう見まねでヤベー技を披露して、終盤にはまさかの所で戦闘を繰り広げ…後編は変身シーンもありませんでしたし、ますます魔法戦記ないし機動少女染みていたなーと。カノンを使っている点も含めて、従来よりもだいぶメカメカしかった印象を受けました。

 大事なものを守りたい、救いたい、諦めたくないという思いで戦う少女たちの活躍を楽しませてもらいました。欲を言えば…後編で量産型との戦いをもっと詳しく見たい!とか、デバイス音声もっと聴きたい!、後編ラストのなのはの会話シーンに繋がる描写がもっと欲しい!とか色々なくも無いですが、概ね楽しめました。久々にA'sの映画も見ようか…


 なお「イリス」という名前を聴いた瞬間、某G3のイリスが思い浮かび「ヤベーやつなのでは…?」と思ってしまいました(汗。
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宇宙戦争(1953)と宇宙戦争(2005)を見て

2021-05-22 08:25:19 | 映画
 1953年版と2005年版の「宇宙戦争」を見ました。1953年版は今回が初めての視聴でしたが、2005年版は以前に視聴済み。私にとっての初めての「宇宙戦争」は2005年版でした。
 
 「火星人が地球の科学を超越した兵器を用いて侵略を始めた」という大まかな流れは変わらないものの、主人公のキャラクター等々、色々と違う点が多いなーと。原作未読につき、どの設定が原作準拠なのかも分からないため、原作の話は置いといて。


 1953年版は地球の軍事力・科学力を結集して火星人撃退にあたる様子が描かれており、「戦争」に重きを置いているように感じました。2005年版は主人公たちの逃走劇がメインなのでパニック映画的な要素が強いと感じましたし、2019年の英国ドラマ版は過去と現在の時系列を交互に描くことでミステリー感が強かったなと。同じ「宇宙戦争」を題材にしていても、こうも違うものなんだなーと。


 1953年版で個人的に好きなのは最終手段が通用しなかったのを目の当たりにした軍人が、主人公であるフォレスター博士たちの研究に望みを託すシーン。武器が通じないと知りながらも避難や研究のための時間を稼ごうとする様は頼もしかったですね。本作は登場人物たちが仲違いすることなく、地球の危機という一大事において力を合わせているのもまた魅力かなと。
 そこからフォレスター博士たちの研究が実って一転攻勢!…になるかと思っていただけに、そこからの展開は衝撃的でした。後の2005年版にも似たシーンがありましたが、終盤にもってこられると絶望感が違いますね。
 街が破壊されていく音が鳴り響き、博士たちがいる場所もいつ崩れるともしれない緊迫感…からの突然の静寂。そしてあまりにも呆気なく訪れる結末という流れもまた良い味を出しているかと。これまで見た中でもシンプルに楽しめる「宇宙戦争」でした。

 なお、本作には三本足のトライポッドは出てきません。代わりに?火星人が乗るマシーンは3台1組で行動するという設定があります。
 デザインも割とシンプルで、2005年版や2019年版と比べると見た目のインパクトはやや薄めですが、シンプルであるが故に鉄壁の防御力や怪光線による破壊のインパクトが引き立つかなと。


 で、2005年版。こちらの主人公は2児の父ですが、妻とは離婚している模様。子供たちとのコミュニケーションも上手く取れていなかった折に火星人が襲来し、元々地下に埋まっていたトライポッドに乗って侵略開始。父は子供たちを連れて母親の元へと向かおうとするが…というストーリー。
 
 映像は2005年というだけあって1953年版と比べると凄まじい進歩を感じますが…正直「映像は凄い」という印象ぐらいしか残らないんですよね…前述のとおり逃亡劇がメインなのですが、その過程が見ていて面白いかと言われると微妙です。
 やはり主要キャラクターにあまり魅力を感じないのが大きいかなと。主人公ではあるものの、基本子供たちに頼られる機会は少なく、終盤活躍することはするけど魅力に欠ける父親。幼いから仕方ないとはいえ、終始叫んでる印象のある娘にしても、もう少し父親との絆が深まる過程などがあれば良かったのですが、見ていると「父親(途中までは兄)以外頼る人物がいない」から頼っているようにも見えました。
 息子は軍隊に協力して火星人と戦おうとするのを父と妹から止められるものの…というシーンがあるのですが、あそこら辺をもう少し丁寧に描かれていたらまた印象は違っていたと思います。

 とはいえ、やはり映像は凄いですし、最初に見た「宇宙戦争」なので、私にとっての基本になっているところが無くもなく…そうした思い出補正も入っているので何とも評価し辛いところですが、まぁこれはこれでといった感じに落ち着くかと。


 そんな感じで昔とちょっと前の「宇宙戦争」の感想でした…2005年はちょっと前です。昔じゃないです(汗。
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「ゴリラ」を見て

2021-05-19 07:54:50 | 映画
 1986年の映画「ゴリラ(吹替補完版)」を見ました。

 このタイトルからどんな映画を想像されるでしょうか。ゴリラの生態に迫ったドキュメンタリー。心に傷を負った青年がゴリラの飼育を経て癒されていく物語。ゴリラに育てられた人間の物語。ゴリラが怪しい薬で巨大化して暴れまわる物語。色々あるかと思います。
 実際はアーノルド・シュワルツェネッガーさん主演のアクション映画です(汗。番組一覧で見かけた際に、あまりにもタイトルが完結過ぎるが故に何も伝わってこなかったので、気になって見始めました。

 FBIを辞職に追い込まれて以降、田舎暮らしで妻とも上手くいっていないカミンスキーの元に、かつての上司であるハリーから連絡が入る。ハリーはシカゴ最大の組織のトップであるパトロヴィータの手下に息子を殺され、その復讐と組織の壊滅をカミンスキーに依頼。カミンスキーはパトロヴィータに敵対する組織にダメージを与えることで、パトロヴィータに取り入ることになるが…といった感じ。

 ここまでゴリラ要素一切無いですが、実際吹替で見ていても「ゴリラ」という単語が出てきたのは一度きりだったと思います。そもそも本作の原題は「Raw Deal」であり、その意味は「ひどい仕打ち」「不公平な扱い」とのこと。そこから何がどうして「ゴリラ」になるのか。でも「ゴリラ」以外にどう邦題をつけるかと言われると…「ゴリラ」かなぁという気がしないでもない不思議なタイトルですね(笑。
 「力こそパワー!」みたいなゴリゴリの力押しを指して「ゴリラ」とも言いますから、そちらの意味合いが強いかなと。

 実際、序盤で賭場を潰す際には店内で暴れるだけでは飽き足らず、大型車で店内に突っ込みます。しかも玄関に突っ込むだけじゃなくて、店内にまで進み続ける様子は「ゴリラだ…」と感じました。
 「ゴリラ野郎」発言があるブティックでの乱闘も、カミンスキーは「強盗(賭場を荒らされた人々)が来たぞ!」と店員に注意しつつも強盗以上に暴れまわる始末。そして終盤の大乱闘では苦戦する様子が一切なく大人数を圧倒。殺し屋と言われていた男との壮絶な撃ち合いも無く、ボスとの緊迫した駆け引きもなく、ただただ手にした銃でねじ伏せていく…これはゴリラかもしれない。

 個人的に一番好きなシーンは採石場での戦い。車を失ったカミンスキーは目的地まで安全に近づくために、自分を狙っていたダンプカーを利用するのですが、見ているこっちがハラハラさせられるシーンでした。

 とまぁ、そんな感じの「ゴリラ」でした。分かりやすくて結構好きです。
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「白い巨塔(1966年版)」を見て

2021-04-14 07:51:17 | 映画
 WOWOWで1966年の映画「白い巨塔」を見ました。冒頭の開腹シーンはかなりビビった。

 卓越した手術の腕を持つものの出世欲が強く性格に難のある財前。日夜患者のために研究を重ね出世に興味がない里見を中心とした、財前の教授選や裁判を主に描いた医療ドラマである「白い巨塔」。唐沢寿明さん、岡田准一さんがそれぞれ財前を演じられたテレビドラマ「白い巨塔」は見ていたので、大筋は把握していたつもりだったのですが…まさか元々の小説「白い巨塔」が2部構成で、本作が1部を描いた作品だとは思いませんでした(汗。
 
 放送時間が夜だったので、時計を気にしながら見ていたのですが、残り放送時間があと僅かになっても、裁判は一区切りを迎えたところ。はてここからどうまとめるんだろうかと思っていたら、画面に「完」の文字が映し出されて心底驚きました。
 あそこで終わってしまうと、財前大勝利!とまではいかないまでも、遺族も里見も報われない何とも後味の悪い終わり方になっています。これはこれで「こんなことを許してはならない」という問題提起をする分には良いと思います。ですが、続編の展開があった方がスッキリはしますし、そちらの展開を描いた「白い巨塔」を先に見てしまっているので、何とも不完全燃焼な感じがしてしまいますね。

 ですが、決して本作がつまらないというわけではなく、およそ2時間30分の間、終始テンポよく話が進んでいくので、展開を知っていても全くダレることなく最後まで楽しめました。
 特にラスト、財前が里見の前で見せた「私の…私の勝ちです」という勝ち誇った笑みが非常に印象的です。里見を見ながらの「私の…」という時の表情がまさしく「財前五郎」という人物を表しているように感じました。その後の総回診の時に流れるBGMも、とても主人公が栄光をつかみ取った時に流れるBGMとは思えないほどに暗くドロドロしていて好き。

 そんな感じの1966年の映画「白い巨塔」でした。唐沢さんの財前ももう一回見てみたいなぁ…
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「ルパン三世 THE FIRST」を見て

2020-10-31 06:14:53 | 映画
 2019年に公開されたCGアニメ映画「ルパン三世 THE FIRST」を見ました。

 全編フルCGで描かれた初のルパン三世。「THE FIRST」とあるように、ルパンの祖父、ルパン一世も関わってくる物語になっています。

 次元や五右衛門、不二子に銭形警部といったおなじみのメンツも出てきますが、あくまでもメインはルパン。次元と因縁のあるキャラクターや対五右衛門用の敵など、以前のテレビスペシャルでよく見かけたようなキャラクターは出てきません。あれはあれで好きだった。
 ストーリーは分かりやすくシンプルに「世界崩壊の引き鉄となるお宝を巡る争い」。そこにヒロインとして考古学者を目指す少女や、その少女を引き取って育ててきた老人、とある人物のために忠義を尽くそうとする者たちが絡んできます。

 見どころは何といっても目まぐるしく変わるルパンの表情、そして罠を突破するルパンの華麗な身のこなし!特に後者はお馴染みのBGMをバックにめちゃくちゃカッコよく動き回るので、あそこだけ何回も繰り返し見てしまいますね。逆に言えば、あそこで盛り上がり過ぎてしまって、後はちょっと落ち着いてしまった感じがしなくもないです(汗。
 ルパンの鮮やかな動きに呆然とする少女の一方で「ルパンなら大丈夫でしょ」といった落ち着いた雰囲気で見守る不二子や、大丈夫だろうとは思いつつ片目で様子をうかがう五右衛門など、長年連れ立ってきた人物たちの反応の違いも面白かったです。そして誰よりもハラハラしている銭形警部(笑。

 あと印象に残ったのは、少女を引き取った老人の心理描写でした。少女を引き取ったのは善意ではなく、それ相応の目的があったわけですが、終盤吐露された想いを聴くと、老人は少女にとある人物を重ねていたのかなーと感じました。
 「認めてくれない」という憎しみは、裏を返せばそれだけその人物に認められたいという愛情に近い感情があると思います。誰よりも憎い相手は、誰よりも自分を認めて欲しい相手だった。疎ましく、けれどもそれと同じくらい大切な人物。であるが故の行動だったのかなと。

どことなく「王道」といった感じで落ち着いて楽しめる作品でした。
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「天気の子」を見て

2020-10-13 07:56:05 | 映画
 2019年のアニメ映画「天気の子」を見ました。

 最初に言っておく!「あ、このキャラ○○さん(声優さん)っぽい声だ。多分合ってると思うけど…まぁEDクレジット見るぐらいならネタバレにならんだろ…」という軽い気持ちでEDを先に見てはいけない(汗。この作品に関しては予告以上の情報を仕入れていなかったので、本当に見るんじゃなかったと後悔しました…


 まぁそれはそれとして、本作の舞台は雨続きの東京。家出少年の帆高が東京で出会った100%の晴れ女・陽菜。生活に困っていた2人は陽菜の弟の凪も巻き込んで、色んな人の「晴れて欲しい」という願いを叶えることに。順風満帆に見えた彼らの前に立ちはだかる想像だにしなかった現実とは…といった感じの物語。

 あまりにも切なすぎる恋物語「秒速5センチメートル」や、本作と同じく「雨」の中で物語が展開していく「言の葉の庭」、そして入れ替わり、すれ違い続ける2人の少年少女の壮大な恋物語である「君の名は。」と、新海誠さんの作品はいくつか見てきましたが、その中でも本作はひと際「スリル」が溢れているように思えます。
 狂いだす天気、逃げられない過去、直面する危機、それらを乗り越えるためにまた危険を冒す…と、中盤から終盤にかけてはなかなかにスリリングな展開が続きます。「君の名は。」の後半もだいぶハラハラさせられましたが、アレとはまた違うハラハラ感がありました。そうした危険を冒すたびに、帆高の彼女への想いが何度となく伝わってきました。

 そしてあのラストよ…そう来るかぁ…帆高のナレーションを聴いて「マジかぁ…」と思っていたら「え…?マジで…?すげぇな…」と思いながら人々の行く末を見ていました。初見では目を疑いましたが、でもよくよく考えてみたら、現実においてもあそこまで極端ではなくとも、人間はああいう風に目の前の出来事をそれが当たり前であるかのように受け止めながら、受け止めようと努力しながら暮らしているのかもしれないと感じました。
 
 タイトルの「天気の子」は、晴れ女である陽菜を指しているものだと思っていましたが、見終わった後は特定の誰かを指しているわけではないのでは?と考えるようになりました。天気に左右され、一喜一憂されるという点では誰しも同じ。ならば全ての人間が「天気の子」なのではないかと。そんな風に思います。
 

 天気を、現実を受け入れて、それでも前に進んでいく強さが描かれた「天気の子」でした。それにしても「花澤綾音」とはまた分かりやすい…(笑。
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久々借りぐらし

2020-08-29 08:40:38 | 映画
 確か感想書いてなかったなーと思ったので、昨日放送された「借りぐらしのアリエッティ」の感想です。

 人間の家から砂糖などを「借り」て暮らしているアリエッティ一家。14歳になったアリエッティは初めての「借り」に胸躍らせていたが、その家に越してきた少年・翔に姿を見られてしまう…という感じで始まる本作。

 今回で2、3回目の視聴となるわけですが、正直この作品はあまり好きじゃないです。嫌いに片足突っ込みかけてるけど、嫌いになりきれない部分もあるから「んあー…」と思いながら見ている作品です(苦笑。
 序盤、アリエッティ父とアリエッティが「借り」をしているシーンは結構好きです。アリエッティら小人が人間の家を探索するために至るところに釘などを張り巡らしたり、様々な道具を用いて探索する様は見ていてとてもワクワクしました。また、後半翔とアリエッティが協力してアリエッティ母を救い出すシーンや、ほんのちょっとの水滴でもアリエッティたちには十分な水源となる…といったシーンを気に入っているところからして、私は「アリエッティたちが工夫して生活している様」を見るのは好きだけれども、この作品の本筋はちょっと…気持ちが強いのだと思います。

 やはり人間の翔とハルさんがどうにも好きになれないんですよね…後半の翔はマシですが、前半の翔はちょっと…
 手術を控えており、どこか生への執着が薄いようにも思える翔。そんな翔がアリエッティと出会い、彼女が落としていった砂糖を届けるシーンはまだ良いんですが、その後ドールハウスのキッチンを、アリエッティたちの家を破壊してまで無理やりに置いていくシーンは見ていて胸がざわざわします。せめて一言声をかけるなりなんなりしろよと…あの「良いことをした」と思っている感じがたまらなく嫌です。結果的に気に入ってくれたにしても、自己満足の極みみたいなのを見せつけられている感じが凄く嫌です。
 それでも、その後の翔はアリエッティとの交流を経て、どれくらい仲間がいるかも分からないのに、それでも「借り」をしながら懸命に生きている彼女たちを見て、手術に向かう勇気や生きる力を蘇らせていくので、まだ好きになれる要素があるキャラクターではあります。

 問題はハルさんなんですよね…何でこの人に対しては、ただの一般人なのに「天空の城ラピュタ」のムスカ以上に「敵」だと感じる気持ちが強いのでしょう。かつて小人を見たことを証明するために躍起になっていたようにも見えますし、彼女は彼女なりにトラウマの払しょくや当時「小人なんていない」とバカにした連中を見返したいという事情があったのかもしれません。が、それにしたって懸命に生きているアリエッティ母を有無を言わさず捕まえて、逃げられないようにビンに放り込む様、にたにたと満足げに笑う様を見ているとイライラします。
 ただ、あくまでもアリエッティたち小人の事情を知っているからそう感じるのだとも思います。加えて「小人」はサイズは違えど自分たちと同じ容姿をしている存在だからこそ、一層「かわいそう」だと感じるところは少なからずあるでしょうね。私が幼い頃に捕まえた虫を虫かごに入れたのと、何の違いも無い。そのことは分かっているつもりですが、それにしたってハルさんはねぇ…「無理」と強く感じてしまいます。

 本作ではアリエッティたちの「借り」に焦点が当てられていましたが、考えてみれば人間も様々なものを「借り」ているんですよね。物の貸し借りのみならず、翔はお医者さんの力を「借り」て生きていこうとしているわけですし、大きな見方をすれば人間は地球から様々な資材を借りて暮らしているのだと思います。
 そして「借りる」ということは、「いずれ返す」ということ。最後にアリエッティはこれまで借りてきた様々な物のお返しとして、翔に「生きようとする心」を与えたのでしょう。

 何があっても生きようとするアリエッティたちと、そんな彼女たちから生きようとする思いを学んだ翔の交流が描かれた作品でした。
 やっぱり嫌いじゃないけど、とびきり好きというわけでもなく、だからといって全く見ないという気持ちにもならず、結局何だかんだ見てしまう不思議な作品です…

 …ところで、カラスと猫が喧嘩していたのは「猫の恩返し」的な…?
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