ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

オイルシールの取り外し

2005年11月06日 | トランスミッション
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4速ミッションの最後期のほうですけれど、オイルシールを交換のため外したいのですが、ご覧のように置くの方に入り込んでしまっています。特にこのモデルはシールの幅が狭くて作業しにくいですね。無理やりコジったりするとミッションケースをキズにしたり2次災害を産んでしまいます。

作業する前はこのようにキレイに洗浄してやると、ミッション内部にゴミが入る心配もないし、気持ちよく仕事ができます。

s-IMG_0142 そこでオイルシールに穴を開けました。薄いのですぐに開きますのでココでも無理は禁物です。

中にはベアリングがありますので、切り粉も最小限になるように心掛けますね。

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タッピングビスをねじ込んで引っ張ると、この通りにシールが出てきます。今回は1本のビスで用が足りましたが、頑固な奴にはもう1本使えば取れないものはないでしょう。


レギュレーターブラケットの製作

2005年11月05日 | 金属加工

ステーもブラケットも辞書では支柱とか腕木とかの意味で大した違いはないようです。ワタシはステーはブラケットに較べて単純な形なものと区別しています。

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ウインカーステーを作ったショベリジですけれど、オイルタンクがバレルですから オイルフィルターが元々なかったので今回はジフィースタンドと共締めのタイプを取り付けました。ボルテージレギュレーターはこの場合でも通常は重ねて付くはずなのですが、このフレームはエンジンの位置が若干違うようでラバーマウントで持ち上げてありました。つまり普通の位置には付かない事が判明したので、ブラケットを製作する必要がでてきたのです。

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元々このようなカタチで付いていたのですが、ラバーマウントは振動対策をしてあったのかと思い込んでいたら、エンジンと干渉するので持ち上げていただけだったんですね。

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ラバーマウントしたのでアースもキチンととってあると感心したら大間違いで、塗装の上に端子をくっつけても導通はしません!

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何時頃からかハッキリ記憶はないのですが、社外品のレギュレーターにもアースの取りだしボスがついています。確か本来はセルフタッピングビスで締めこむのですが、タッピングビスの在庫がなかったので5mmのタップをたてます。

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アース線をビスでしっかり止めます。

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どういうブラケットを作るか決まったら材料をカットします。ウインカーステーと同じ材料です。ステンレスのフラットバーはこのような状況では非常に便利で、カットしても溶接しても錆びる心配がないのでメッキの外注にだす時間が不要なのですぐに取り付けることができます。ただ溶接はアルゴン溶接しなければならないので道具さえあればの話になってしまいます。最近は溶接機も数万円で買えますが、電源が問題になりますか。

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溶接が終わったブラケットです。ステンレス厚板の溶接はアルゴンでやると非常に簡単でできますね。

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穴あけも済んで、せっかくあるのラバーマウントも使ってレギュレーターを組みつけてみました。レギュレーターはよく壊れるという評判ですけれど、放熱とアースに気を使えばそんなに壊れるものじゃないと思います。


ウインカーステー製作

2005年11月05日 | 金属加工

IMG_0137 最近はショベリジばっかりいじっているような気がします。フォアコンについたウインカーですね。ココでもレンズのサイズが基準を満たしていれば車検でも問題はないようです。フレームに直接タブを溶接したほうがスッキリするのですが、この段階で溶接すると塗装が焦げてしまいますので今回はステーを製作して取り付けます。

IMG_0105 材料は幅25mm厚さ4mmの磨きステンレスフラットバーです。まず必要な長さにカットしてケガくために青ニスなるものを塗ります。

IMG_0107 道具は上からケガキコンパス、ケガキ針、センターポンチですね。ケガキ針は使い古したドライバーの先を尖らせてあります。廃物利用ですね。青ニスを塗るとケガキ針でこのように細い線が書けます。

IMG_0111 ステーの端を丸めるので大まかに金鋸で切ります。本体をバイスで挟むと跡がついてしまうので切り離すほうを銜えます。

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切った後はケガキ線に沿ってベルトサンダーで仕上げます。サンダーを動かさないで加工物を動かしたほうがキレイに仕上がると思いますよ。

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仕上がったステーです。青ニスはガソリン等で拭き取ればキレイに落ちます。

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ステーにウインカーを付けてみるとネジが長すぎてカッコ悪!!

IMG_0118 ネジの中には配線が通っているのでそのままではカットできません。このようにバラバラにします。気に入ったようにするには手間がかかるんですね~。

IMG_0129 カットした後は旋盤で仕上げます。

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端面を仕上げた後は、外側を面取りして穴のフチも面取りします。

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このように仕上げておくと配線の被覆が切れてショートすることも防げます。

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スッキリして、心残りもないですね。


ブリーザーバルブ

2005年11月03日 | ハーレーの構造

TCエンジンでは廃止されてしまったブリーザーバルブは、ナックルからエボまで機能はそれぞれのタイプのエンジンでは多少異なりますが基本的には同じ構造です。P1010057kase

これはショベルエンジンクランケケース右側のギアカバー内部の写真です。

カムシャフトのギアはクランクのギアの2倍の大きさですから回転は半分になります。ブリーザーバルブはクランクと同じ回転ですね。

この部屋は完全ではありませんけれど、クランク室と分離されています。

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普段は隠れてしまう裏側の写真ですが、これはギアカバーという無粋な名前が付いていますけれど、いくつかの大切な役目をしています。 

クランクの右端の支持とオイルライン、カムシャフトの支持、点火系のコンポーネントの取り付け部そしてブリーザー室の一部と多彩な機能なんですね。

赤い矢印がブリーザー圧力の流れです。ブリーザーガスオイル飛沫になって混じっていますので、あちこち複雑な経路をたどってガスオイル分離させなければなりません。

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ブリーザーバルブが入っている部屋にはこのように開口部があり、バルブが回転してそれぞれの機能を果たします。

                       

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ブリーザーバルブにもこのように開口部が設けられています。エボ以降は材質はプラスティックに変更されています。ショベル以前はこのようにスチールなのでマイレージが多いとクランクケース側がキズキズだらけになってしまいますが、社外品ではバルブのオーバーサイズが設定されておりケース側を研磨すると復活させる事ができます。

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これはS&S製のブリーザーバルブです。

矢印の穴が長くなっていて、ブリーザー室のオイルを回収する時間を長くして、ブリーザーからのオイル流出を改善できます。

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これはエボのブリーザーバルブです。ご覧のようにプラスティック製ですね。プライマリーのオイルを回収する仕事から解放されたので網目が粗くなっています。

稀な例かもしれませんが、ヒドいオーバーヒートにより一部が溶けてしまって、破片がギアに噛み込んでしまいご覧のように欠けてしまいました。ハードな乗り方をする人は金属製に取り替えたほうが良いかも。

*ここからピストンの動きとブリーザーバルブの関連を説明します。

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ピストンは上死点を過ぎ下がりつつありますので、クランク室の圧力は上がろうとしています。

クランクケース開口部Aブリーザーバルブ開口部 大が合致していますので、クランク室の圧力がオイルの飛沫とともに流入してカム周辺を潤滑します。

圧力はブリーザーガスとしてギアカバーのなかを通過しブリーザー出口へ向かいます。

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後ろピストンは下死点に到達しブリーザーバルブ開口部 大クランクケース開口部Aを過ぎ去りクランク室遮断されます。

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ブリーザーは遮断されピストンが下死点を通過して上昇すると、クランク室は負圧になりますね。

クランクケース開口部Bブリーザーバルブ開口部 小が合致するとブリーザー室に溜まったオイルはブリーザーバルブのなかに吸い込まれ回収されます。

クランクケース開口部Cブリーザーバルブ開口部 大も合致しているのでプライマリケースのなかのオイルも吸い込み回収します。

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ピストンが上死点に近づくとどの開口部も塞がってしまい、機能は一時休止になります。

ワタシはこのような機能のブリーザーシステムを他のエンジンにおいては見たことがありません。ハーレー独自のメカニズムと考えられます。

不思議なのは電気スターターが装備されるまえは、プライマリーカバーはタダのカバーでしかなくティンカバーとも呼ばれプライマリーチェーンを潤滑したオイルは垂れ流しでした。ちなみにティンはTinでチンじゃありません。映画のTinCupと同じでブリキなんでしょうね。ピストンの上昇によるクランク室の負圧を利用してプライマリーケースのオイルを回収するアイディアは、たまたまあったブリーザーバルブを利用しただけなのか、それとも20年前から予想していたことなのか分かりませんね。

プライマリケースからオイルを回収するのはショベルまでで、これはセルモーターのリングギアなどの破片を吸い込んでしまいトラブルの原因になってしまいました。理由はそれだけではないにしろエボになってからはプライマリーケースはご存知のように独立したオイルバス式になっています。


CVHキャブレター

2005年11月01日 | カスタム&メンテナンス

たまには楽しい話題で・・・・IMG_0063

左は普通のCV40キャブレターで右がCVH50!!です。

二まわりくらい大きいですね。IMG_0064

IMG_0065 入り口と出口です。

40φと50φでは開口面積では1.56倍になります。

当然、何に使うのって疑問があるでしょう。

去年のクールブレーカーに展示するために仕入れたJIMSのTC120ciエンジンに付属してきたものです。

IMG_0066 マニホールドもご覧のように巨大です。  

こんなにデカイキャブレターはノーマルエンジンにつけてもタブ~んだめです。

その昔キャブセッティングに過剰(今を思えば)な自信を持っていた頃、ZXR250にFCRの35φかなにか過大なのをつけて調子悪くて走らない奴を、つい気軽に引き受けてしまい3日間無駄にしてしまった事もありますね。

でも見ているうちに虫が疼いて、ローキン1550につけてみようかな~と思ったりしています。