ピストンエンジンは永遠か!な?

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ティクラポンプ?

2005年12月05日 | 吸気系
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このところ随分寒くなりました。
雪が降らなければハーレーに乗る元気な人も多いのでしょう。
寒いとエンジンは掛かりづらくなります。空燃比は通常が14:1前後なのに対して、エンジンが冷えているときは5:1ぐらいが要求されます。まして氷点下まで下がるとティクラポンプは良い仕事をしてもらわないと始動には苦労させられます。
そんなワケでティクラポンプについて考察してみましょう。

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ティクラポンプってSUキャブ以外では聞いた事がありません。
古い英車や日本車には「ティクラ」は付いていましたね。
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実物を分解してみるとこのように細かい部品が入っています。
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図で書くとこのような構造です。
文字通りポンプになっています。
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メーカーでの呼び名はヴィトンカップとなっています。
VittonでなくVitonですから高価なバッグではありません。
このカップで空気を送り込むので、このように破損してしまうと用を為しませんね。
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ポンプが正常に働くとフロートチャンバーに空気を送り込んで、フロートチャンバー内の気圧を高めメインジェットからガソリンを押し出す感じです。イメージできるでしょうか?

ティクラポンプを1回押しても大した量のガソリンは出ないので何回も押す必要がありますが、押す回数は気温やエンジンやポンプの調子によっても異なりますので注意する必要があるでしょう。

指が痛い!
何回も押すと指にポンプが食い込んで痛くなります。
これはポンプを機能させるためには、指の腹でポンプを塞いで密閉させないと空気を送り込むことが出来ません。
しっかりポンプの先端を塞ぐイメージで押してください。

ガソリンが出ない!
「暖かいときにはエンジンの始動は良かったのに、寒くなったらティクラを何回も押してエンジンが掛からない」というときはエアクリーナーの外側を外してポンプを押してみると、ガソリンが出るか出ないか確認できますが、ビトンカップが破損してポンプの機能が悪いようでしたら、ポンプの押すところに手頃なホースを付けて息を吹き込むと同じ結果が得られます。

ピストンリフト?
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キャブ本体の左側の目立たないところに、このピストンリフトピンがあります。
せっかくティクラポンプが仕事をしても、ピストンが下がっているままだとニードルの形状によりメインジェットの開口面積が小さいので、これを写真のように押してピストンをリフトしてやらないと押し出されるガソリンの量は少なくなってしまいますのでリフトピンは必ず活用してください。

SUキャブはこのように少々やっかいな手順がありますが、更に付け加えると冷えたエンジンの始動はあせらずに、ティクラポンプが押し出したガソリンが揮発しはじめるまで1分くらい待ったほうが効果的であると思います。

おまけ
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元々のティクラとはこのような構造になっています。
30年くらい前のバイクにはまだ使っているキャブがありました。
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つまり、フロートをピン状のもので直接押すことによりガソリンをオーバーフローさせてキャブ内に流れ込ませるというかなり野蛮?なメカニズムです。
カチャカチャ勢い良く何回も押す人がいましたが、いつもこのように押していると薄い真鍮で出来たフロートに穴を開けることになりますのでヤッテはいけません。何秒かヤサシク押してください。
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中古車在庫のW1のキャブにホンマモンのティクラが付いていました。
フロートを下に押す方向は赤矢印の向きです。


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