長い間放置されたバイクをレストアとまでいかずとも復活させるとなると”サビ”との戦いになります。
これはXLV750リアシリンダーのエクゾーストパイプ取り付け部ですが、ナットがサビで固着してしまいスタッドが抜けてしまいました。まあこれはスタッドとナットを新しい部品に交換すればよいことです。
ところがフロントシリンダーのほうは外す時点でご覧のように折れてしまいました。緩めるときの感触で折れる予感はあったのですが、M6のネジは簡単に折れてしまいますし、まずは外さないとどうにも対処のしようがありません。
スタッドが10㎜くらい残っていたのでナットを溶接しましたが・・・・・。
固着したネジを溶接すると(熱による膨張の影響なのか)緩みやすくなることもありますが、今回のケースはサビによる固着がよほど強固なのでしょう。
M6の下穴は5㎜なので、まずは3㎜のドリルを用いなるべく中心になるように穴をあけました。
3㎜の穴がセンター近くにあるのを確認してから4㎜に拡大しました。
次は細いリューターでヘッド側を削らないように雄ネジだけを取り除きます。
最後にタップを使いコイル状に残ったスタッドを取れば完成。この段階で失敗しても最後の手段としてヘリサートの使用が残されるので安心というものです。
ヘッド側のネジ山が見た目だけではなく強度も保たれているかを確認するために、フランジを奥に突き当たらない長さのM6ボルトを規定トルクより少し強めに締めて確認しました。