ピストンエンジンは永遠か!な?

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ショベル ロッカーカバーガスケット

2006年12月01日 | ガスケット

人気blogランキングへ  今日は冷たい風も吹かず暖かい一日でした。

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ショベルヘッドエンジンではロッカーカバーガスケットを交換する大抵の場合は、このようにシリンダーヘッドを外さなくてはなりません。

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左側はS&Sの従来のガスケットで、右側が今回納入されたものです。

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青い従来のガスケットはケブラープレミアムと謳ってあるだけに、非常に信頼性の高い物でした。

こうしたペーパーガスケットは以前にも書いた記憶がありますが、アスベストフリー以来パフォーマンスの低下が著しく、メタルガスケットも普及しつつありますが、古い年式の合わせ面の状態が悪い部品ではメタルガスケットでは逆に悪い結果をもたらす場合もあります。

新しいグレーのガスケットは全面にS&Sのトレードマークが印刷してあり、アイデンティティを主張していますが、ともにパッケージにはファイバー レインフォースト グラファイトと記してあり「ケブラーとグラファイトの関連」はどうなのとか、パフォーマンスは向上したのかどうなのかとか、コストダウンなのかとか気になりますね。青のガスケットを気にいっていただけにとても気になります。

そうした気になる問題がハッキリするのは年月を要し、とりあえずS&Sを信用するしかありません。

こうしたガスケットなどのパフォーマンスは、ユーザーにとってもランニングコストが気になるところで、長い年月に渡りオイル洩れなどが発生しなければ、余計な出費もしなくて済むのは言うまでもありません。

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ついでに、シリンダーヘッドを外してシリンダーなどを点検した写真を紹介いたしましょう。

ピストンヘッドは状態が良く、湿りっけがないのはオイルが燃焼室に侵入していないのを物語っています。

そして堆積したカーボンもそれほど厚くなく、色から見ると真っ黒であれば濃すぎる燃料でいつも走っていると判断できますが、この色具合では濃くもなく薄くもないところでしょう。

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バルブを含む燃焼室も同じで、堆積したカーボンで運転状況が判断できます。

白く見えるのは排気バルブで、燃焼直後に開き吸気バルブのように混合気で冷やされませんから、このようになっていても異常ではありません。というか、ハーレーではどちらかというと少数派の正しい色ですね。

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シリンダー壁も写真では縦スジが見えますが、触った感触はツルツルで深い縦キズは皆無です。

今回は前述のように調子が悪くて分解したわけではなく、ロッカーカバーガスケットのヘタリによるオイル洩れの修理のためにシリンダーを外したわけですから、エンジンの調子はオーナーの弁でも好調です。

燃焼室やシリンダーの状況はキャブレターの設定、点火タイミング、それに乗り方の総合結果ですから、調子や乗り方もある程度判断できます。

真っ黒いカーボンが堆積しているのは、低い燃焼温度で運転されている事が多く、原因は乗り方にもあり、低い回転でスロットルは開けすぎという乗り方でしょうか。この場合気付かないにしてもノッキングを常時していることも考えられ、寿命を短くする乗り方の一つです。

シリンダーの縦キズはショベルエンジンの場合良く見られます。場合によってはオーバーホールの後スグに発生することもあり、ピストンクリアランスが適正であっても、当たりが出る前にオーバーヒートなどが原因で軽い焼き付きをさせた痕跡でしょう。もうひとつ考えられるのは、ボーリングのあとのホーニングによる研磨で発生する細かい鉄粉を完璧に除去しないで、組み付け作業をしてしまうミスです。これは意外と知られていないことですね。

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